アンカー・ジャパンは、29日に「Anker Power Conference ‘18 Autumn」を開催、この秋〜冬のブランド戦略と、新製品の紹介を行なった。
アンカー・グループは、“Empowering Smarter Lives”をスローガンに、モバイルライフブランドのAnker、オーディオブランドのSoundcore、スマートライフブランドのEufyを展開しているハードウェアメーカーだ。アンカー・ジャパンはその日本法人として2013年に誕生した。
今回のカンファレンスでは、アンカー・ジャパン 執行役員/事業戦略本部 統括の猿渡 歩氏が登壇し、この秋以降の同社の展開について説明が行なわれた。
アンカー・ジャパンは、日本国内でモバイルバッテリーや充電器、USBケーブル、Bluetoothスピーカー等を販売しているが、その売り上げは100億円を達成したという。特にオンラインでの販売実績が大きく、アマゾンはもちろんrakutenでも2017年比で+100%の伸びを達成している。
これについて猿渡氏は、アンカー・ジャパンとして常にユーザーの声をリサーチして、その期待に応えてきたからだろうと語った。さらにAnker公式サイトもオープンしており、ここでもユーザーからの情報収集を積極的に進めているそうだ。
もちろんリアル店舗での展開も忘れてはおらず、家電量販店での販売も2015年からスタート、今年は大手7社すべてで製品販売を始めたそうだ。特にオーディオブランドのSoundcore製品の常設展示も始まるなど、お店の評判もいいようだ。
また今年6月に大阪ららぽーとEXPO CITYに開設したAnker公式ストアも売り上げが順調で、2020年1月まで継続することになったという。さらに12月下旬にはU-NEXTとの共同運営で東京・青山にも公式ストアをオープンするなど、きわめて順調にビジネスを展開している。
そんなアンカーから、この秋〜冬に5ブランド7モデルの新製品が登場する。それらの型番と価格は以下の通りだ。
GaN(窒化ガリウム)を使った画期的なバッテリーも
続いて同社代表取締役の井戸義経氏が登場し、同社が世界で初めて提案した画期的な新製品を紹介した。それがGaN(窒化ガリウム)を使ったUSB急速充電器の「Anker PowerPort Atom PD1」だ。
井戸氏によると、1996以来USBが充電コネクターとして世界的に普及してきた。さらに最近はUSB Type-Cが登場し、最大100Wの電力供給も可能になっている。充電用アダプターでこれらの高出力に対応する際に問題になるのが、発熱と大型化だ。
そこで、よりエネルギー効率が高く、発熱を抑えられるGaNが必要だと同社では考えたという。こうして開発されたPowerPort Atom PD1は、本体サイズが同社の「PowerPort Speed1 PD30」の65%に抑えられている。同社ではこの技術を使って、様々なUSB Type-C対応機に使えるコネクターのラインナップを増やしていく予定のようだ。
災害時の物資供給に関する協定を、福岡市と締結
またアンカー・ジャパンでは新しい取り組みとして、福岡市と災害時の物資提供に関する協定を締結し、特別災害対策セット「防災POWER BAG」を450個と、ポータブル電源「Anker PowerHouse」50台を提供したそうだ。
最近は、災害時の連絡手段や情報収集ツールとして、スマホは不可欠だ。しかしバッテリーが切れてしまうと使えないという問題もある。今回アンカー・ジャパンが提供した「防災POWER BAG」にはモバイルバッテリーやカーチャージャー、ソーラーチャージャーといったアイテムも含まれており、災害の現場で役にたつことは間違いないだろう。
ユニバーサルミュージックと合同でライヴも開催
先述した新製品にも入っていたが、アンカー・ジャパンでは、オーディオブランドのSouncoreにも力を入れている。その一環として、ユニバーサルミュージックとの共同ライブプロジェクト「Soundcore by Anker × Universal Music Special Live」が始動する。
これは、音楽ファンに、ハードとソフトの両面から心躍る音楽体験を届けようという企画で、ユニバーサルミュージック所属のアーティストによるライヴや音楽フェスを開催、コラボレーション製品も発売していく予定という。
第一弾としてこの12月22日(土)に韓国男性ヴォーカルグループ、SUPERNOVAのクリスマスライブを開催する。それに向け、Bluetoothスピーカー「Spundcore Motion B」のSUPERNOVAオリジナルデザインモデルをセットにしたスペシャルチケットも発売中だ(1Fスタンディングで¥9,680、2F指定席が¥10,680。どちらも税込)。
最後に井戸氏はアンカーをトータルでサウンドライフをサポートするブランドに育てていきたいと語って、カンファレンスは終了した。“テクノロジーで生活を豊かにしていく” 当たり前だけど、きわめて高い技能が求められる、そんな目標を掲げたアンカー・ジャパンの今後の展開に期待したい。