サタミシュウの官能小説を映画化した『私の奴隷になりさない』シリーズの第2章&3章が、9月、10月に続けて劇場公開される。2012年、壇蜜主演で大きな反響を巻き起こした前作から6年。今度は、行平あい佳&杉山未央という新時代のセックスシンボルを得て、エロスも大幅に進化。ここでは第2章『ご主人様と呼ばせてください』で、鮮烈な艶技を魅せた行平あい佳にインタビューした。

――出演おめでとうございます。
 ありがとうございます。本当にこんなチャンスを頂けたのが、信じられなかったです。まず驚いて、それからじわじわと喜びが湧き出てきました。この作品に関わらせていただけたことは、これからの人生で大きな財産になるという想いでいっぱいです。本当にありがたいです。

――ちょっと戻りますけど、行平さんの経歴は、まずスタッフから始まっていますね。
 もともとは俳優部に行きたかったんですけど、大学を卒業する時にこっちの道を選んでしまったもので(笑)。とにかくこの業界に入りたい!という熱が強かったので、映像制作の現場に入って助監督を経験して、少し遠回りしましたけど、いまこうして俳優をしています。

――作り手の気持ちが分かる俳優というのは稀有だし、貴重だと思います。
 ありがとうございます。それは自分にとってのメリットなのかなと思っています。現場でも、キャストのみなさんよりも、技術部(撮影部)のみなさんとの距離のほうが近いかもって思うことも多いです。恵まれているなと感じます。

――今回は主役です。
 びっくりです。ホント。

――達成感は?
 映画が完成したっていう達成感はありますけど、演技面では、もっとこうだったのかなというのはどうしても残りますね。個人的な目標として、技術部さんのように職人の魂を持った俳優になりたいと思っているので、もっともっと勉強して、お芝居に真摯に向き合って、コツコツと精進を積み重ねていきたいです。

――(俳優の)憧れというのは?
 特に誰というより、その場で、その役として生きている人になりたいんです。

――さて、映画に戻ります。クランクインは?
 毎熊さん演じる目黒との出会いのシーンがそうでした。はじめのシーンから撮れたのは、演じやすかったですね。

――とてもツンツンしていました。
 あははは、あそこまで強がらなくても、とは思いましたけど。

――台本から、明乃をどう捉えましたか?
 始めの段階では、突飛なことはしない、至ってノーマルな女性をイメージしていました。大学を出て、おそらく26か27で結婚して、家庭(旦那)を持って、会社にも自分の場所があるし、同僚とも仲良くやれている、と。大半の人はそうだと思いますけど、普通に生きてきて、目の前のことすべてをソツなくこなしている、そんな人物像を考えました。後半にかけていろいろと変わっていきますけど、当初のシーンでは、そういう気を見せないように、というところは気を付けました。

――そんな女性が、目黒の猛アプローチで陥落します。
 もしかしたら急に見えるかもしれませんけど、明乃としては、自分の中にあるもやもやした気持ちに気づきながらも、見て見ぬふりをして来たんです。今にも、その蓋が開きそうなのに、誰も開けてくれない。自分でも、開けていいのかどうかも分からない状況で、目黒に一押しされて、蓋がパタパタと開きそうになって……。そんな揺れ動きの中で、急に我に返ったり、でも、マグマのように噴出してしまって……。というのが、初めてのベッドシーンの明乃の心境でしょうね。その揺れ動きは、見ていてちょっとかわいらしかったです。

――欲求不満は抱えていた、と。
 大きなフラストレーションを抱えていたというよりも、子供が欲しいのか、欲しくないのかとか、どうして旦那との生活はあんなに淡泊なんだろうという、だんだんと積み重なっていった小さな抑圧をどうにかしたい……という思いが根底にあったのかなと感じています。

――そこでいよいよ開花して……となります。初めてのベッドシーンはいかがでしたか?
 精神的には緊張していなかったんですけど、体が緊張していたみたいで。あとから毎熊さんに「あまり話しかけないようにしていた」と聞いて、どうも様子は相当変だったようですね(笑)。

――その後のエスカレートぶりと言ったら。
 順応したというか、やはり刺激ってどんどん弱まって(慣れて)いきますから、要求がエスカレートしていっても抵抗なく、もっともっとという気持ちになっていたのだと思います。ただ後半、目黒を自宅に呼び寄せるシーンのテンションを表現するのは、ものすごく緊張しました。

――上げすぎた?
 いえ逆で、上げきれなかったんです。それまで見せてこなかった姿だったので、私自身の中に戸惑いがあって……。本当に毎熊さんに助けていただいたシーンです。

――ネタバレにならないように聞きますが、途中から目黒と明乃の関係にも変化が生じてきますね。
 追い込まれていく目黒を見ていて、「しっかりしなよ」って言いたくなるぐらいでした。でも、それで母性本能をくすぐられる人もたくさんいるんじゃないかっていう、キュートさも感じましたね。まあ、ホンモノとニセモノの違いを発見できる映画だと思います(笑)。

――ラストの海辺のシーンの明乃の表情も印象的でした。
 そこは、ものすごく感情が溢れてきて、ああなったんです。そうなった気持ちはなんとなく分かりましたね。まさに母性の発露です。

――そこで終わるのかと思いきや。
 そうなんです。そこは劇場で確認していただくとして(笑)。

――最後に、明乃の蓋は閉じたんでしょうか?
 それは監督とも話したことなんですけど、私としては閉じきってはいないんじゃないかと思っています。ただ……(ネタバレ)。

――さて話は変わりますが、行平さんのお母さんも有名な女優さんで、幼少時は憧れていたと聞きました。
 映画の世界で生きてきた人という意味での憧れでした。母からは女優の素晴らしさを直に聞いたわけでもないですし、自宅ではお母さんでしたから。

――本作を観てのコメント(感想)はありましたか?
 初号の試写に来てくれたんです。試写が終わって何を言うのかなと思ったら……「この作品の撮影って、カメラは手持ち?」ですよ! もう、この人なんなんだろうって思いましたもん。めちゃくちゃ笑いました。

――なんて答えたんですか?
 手持ちだよって! ただ、あなたがどれだけ恵まれているかは自覚しなさいって、親として、先輩として言ってくれたので、その言葉は忘れないようにします。

――さて、今後はどうしていきましょう。
 ひとつひとつの作品に、着実に、真摯に向き合って、できる限りのことをしていきたいです。技術部さんが製作にかける熱量に負けないように、演出部さんの期待に応えられるように、そして一緒に同じものを見て行きたいと、心から思っています。

画像1: 行平あい佳/映画『私の奴隷になりなさい第2章 ご主人様と呼ばせてください』で鮮烈な主演デビュー。「ホンモノの生態を演じ切りました」

『私の奴隷になりさない第2章 ご主人様と呼ばせてください』

9月29日(土)~10月12日(金)まで、池袋シネマ・ロサにて2週間限定上映
<キャスト>
毎熊克哉、行平あい佳、百合沙、三浦誠己 ほか
<スタッフ>
原作:サタミシュウ「ご主人様と呼ばせてください」(角川文庫刊)
監督:城定秀夫
脚本:石川均、城定秀夫
製作・配給:KADOKAWA

画像: 『私の奴隷になりさない第2章 ご主人様と呼ばせてください』

『私の奴隷になりさない第3章 おまえ次第』

10月13日(土)~10月26日(金)まで、池袋シネマ・ロサにて2週間限定上映
<キャスト>
毎熊克哉、杉山未央、百合沙、行平あい佳 ほか
<スタッフ>
原作:サタミシュウ「おまえ次第」(角川文庫刊)
監督:城定秀夫
脚本:石川均、城定秀夫
製作・配給:KADOKAWA
(C)KADOKAWA2018

公式サイト http://www.watadore.jp/
行平あい佳 http://www.alpha-agency.com/artist/yukihira.html

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