MM型カートリッジの音質が形作られる要素を構造から考察し、根強い人気を持つシュアー製MM型カートリッジの交換針を比較試聴。ヴィンテージ機となったシュアーM44-7、V15 Type IIIで、オリジナルと現行の交換針を聴き比べる。

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交換針試聴 V15 Type III編

個性豊かな2ブランド/6機種のV15 Type III用交換針を聴き比べる

【1】JICO VN35HE

画像: 【1】JICO VN35HE

JICO VN35HE
●針先:S楕円●カンチレバー材質:アルミニウム●適正針圧:0.75~1.5g●問合せ先:日本精機宝石工業(株) 0120-579-010

【2】JICO VN35E NUDE

画像: 【2】JICO VN35E NUDE

JICO VN35E NUDE
●針先:無垢楕円●カンチレバー材質:アルミニウム●適正針圧:0.75~1.5g

──シュアーV15 Type III用交換針の試聴では、6機種の交換針を用意しました。2機種を除いて楕円針で試聴条件を揃えています。まずは純正交換針のVN35Eの音を確認し、それからアルミカンチレバー/S楕円のJICO VN35HEと、無垢楕円の同VN35E NUDEの2機種を聴いていただきました。どちらもJICO製V15 Type III用交換針のベーシックモデルに相当すると思われます。

 一聴して感じたのは、M44-7とV15 Type IIIのカートリッジとしての格の違いです。音の出方は明らかにV15の方が一段上。純正交換針の音を聴いて、まずそう感じました。

古屋 私も新さんとほとんど同意見です。やはりV15 Type IIIになると、音の品格がぐんと上がったように感じました。それで、純正交換針を聴いた後にS楕円と無垢楕円を聴いたわけですが、両者にはやはり明確な違いがありますね。それと、S楕円のVN35HEは、どこかカドの取れていない音に感じられたんです。クラシックの「リスト」「モーツァルト」を聴いてそのような印象だったので、ジャズやポピュラーはどうだろうかと思って聴いてみたら、こちらも硬めの音だった。「デスモンド」はやや金属的で、「ベラフォンテ」はホールトーンが薄め。

 無垢楕円のVN35E NUDEではそれが解消されて、とても柔らかく伸びやかな鳴り方になりました。思うに、これは針先の形状の違いというよりも、ダンパーの組み立て方、調整の仕方の違いでしょう。あるいはS楕円の方は、もっとエージングが進むと変わってくるところがあるのかもしれません。

 私もおおむね古屋さんに近い印象でした。針先の違いはもちろん、エージングが音に与える影響も大きいはずです。

古屋 実際手に取ってみると、S楕円のVN35HEはコンプライアンスが若干低く、無垢楕円のVN35E NUDEはコンプライアンスが高い。つまり、前者は硬めで後者は柔らかめ。その違いが出ているように思います。S楕円の方も10時間、20時間と聴いていれば、エージングも進んで良くなっていくのではないでしょうか。

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