励磁型/パーマネント型を交え、ブランドも混成のヴィンテージユニットによる2ウェイをマルチアンプ駆動し、音をまとめ上げる実践試聴。ウーファーはモーショグラフ製とジェンセン製の励磁型。ドライバーは励磁型がWE555とモーショグラフSE7015、パーマネント型がICP、RCA、JBL製。低域用/高域用アンプも幅広く組み合わせ、音作りの新しい可能性を探った。

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【6】
モーショグラフSE7034 低域
RCA MI12474+WE32A 高域

画像1: 【Vintage】励磁/パーマネント型 46cmウーファー/ドライバー+ホーン「圧倒の2ウェイ・サウンド」 Part.4

RCA MI12474
RCAドライバーにはWE555と同じサイズのダイヤフラムを採用したMI12476、MI12475、MI12474があり、MI12476はフェノリックのダイヤフラム、MI12475はアルミ合金のダイヤフラムにロールエッジ、そしてMI12474はアルミ合金のダイヤフラムにWE555と同じタンジェンシャルエッジが採用されている。周波数特性はいずれも80~10,000Hz、最大入力30Wという仕様である。ホーン取り付け部はWE555と同じねじ込み式となっている。(土井)

画像2: 【Vintage】励磁/パーマネント型 46cmウーファー/ドライバー+ホーン「圧倒の2ウェイ・サウンド」 Part.4
画像3: 【Vintage】励磁/パーマネント型 46cmウーファー/ドライバー+ホーン「圧倒の2ウェイ・サウンド」 Part.4

パワーアンプ
アルテック1520T 低域用
IPC AM1027 高域用

高域を控えめにした、RCAらしいトーンが素直に表れる

土井 次はRCAのパーマネント型ドライバーMI12474です。ダイアフラムがWE555と同じ形状になっています。モリソン方式ネットワークの設定は同様ですが、ウーファーのレベルを2時半ぐらいの位置まで下げました。

 RCAという会社のキャラクターがよく出ているように感じました。RCAが録るオーケストラの音は、ほんのわずか高域を抑える傾向があります。聴き疲れのない音を作っているのだと思いますが、ここでもそういう感じの音が出ていました。

土井 RCAのアンプもそういう傾向ですよね。

杉井 私もほぼ同じような印象です。誰が聴いても受け入れやすい音を目指している。RCAにはそうしたノウハウが蓄積されているんですね。アンプもパッと聴いて「ああ、良いな」と思う。でも、個人的には長く聴いていると飽きてしまうことが多いんです。そういう傾向を、この組合せにも感じました。ただ、オーディオ的には物足りないんですね。どの曲も演奏のエネルギーが控えめで、もう少しアグレッシブさやスリル、突出したものが欲しくなる。

土井 このドライバーは『管球王国』67号の取材で、WE15Aホーンと組み合わせられるねじ込み式ドライバーを集めて試聴したことがあります。このタイプのほかにロールエッジのタイプも試聴したのですが、WE555と同様の振動板が付いたこのタイプのドライバーを15Aホーンで鳴らしたとき、555かと錯覚してしまうような音が聴けたという記憶があります。

 それほど良いドライバーなのですが、いかんせん前に聴いたIPC LU1000の旨味に私の耳がやられてしまったもので、こちらが薄味に聴こえてしまう(笑)。バランス的には18インチウーファーと即興で組み合わせて、この音が出るんだったら何の問題もありません。あくまでも「欲を言えば」という範囲の話です。

【7】
モーショグラフSE7034 低域
WE555+WE32A 高域

画像: 高域を控えめにした、RCAらしいトーンが素直に表れる

ウェスタン・エレクトリック555
1926年に発表されたムービングコイル方式を採用したレシーバー555の供給開始は、1927年になってからであった。ボイスコイルにエッジワイズ巻きアルミリボンを初めて採用したドライバーユニットで、ボイスコイルの引き出し方は当初はタンジェンシャルエッジの接線に沿って斜めに引き出す方式が採用されていたが、引き出し線の断線事故を防ぐため、後にベリリウムカッパーリボン線による横引き出しに改良された。ボイスコイルインピーダンス(DCR)12.8Ω、フィールド電圧7V/1.5Aという仕様である。WE555はのべ9万本以上生産され、ダイヤフラムは1970年代まで生産が続けられた。(土井)

画像4: 【Vintage】励磁/パーマネント型 46cmウーファー/ドライバー+ホーン「圧倒の2ウェイ・サウンド」 Part.4
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パワーアンプ
アルテック1520T 低域用
IPC AM1027 高域用

WE555の高域の伸びは過去最高。完成度抜群の再生音

土井 再び励磁型ドライバーとの組合せです。本命とも思いたいWE555と、ホーンが32Aです。励磁電源は7VのIPC PU1000を使っています。クロスオーバー周波数は800Hz。高域のレンジがやや狭く感じられたので、ウーファーのレベルを2時ぐらいの位置に下げました。

 555はかれこれ10年くらい、GIPラボラトリーが復刻したロンドンWE30154ホーンとの組合せで使っていました。今年に入って、とうとう18インチのWE540(陣笠)だけを鳴らすようになったんですが、自宅で昨年まではこういう音を聴いていました。まさに「これがウェスタン・サウンドです」という音ですね。これぞWEがシアターの再生システムとして考えた音だと思います。

杉井 555の音はよく分かっているいるつもりでしたが、これまで聴いたどの555より高域が伸びていました。これなら597トゥイーターは要らないなと。32Aホーンを使うことで555+597のような音が出ていると感じました。「マーラー」は目の前にオーケストラがいるような迫力があるし、「ベイシー」はピアノの音が透き通っています。「ちあきなおみ」はヴォーカルのサ行の発音が綺麗に再生されていました。32Aに555を付けた例は本誌でも初めてだと思いますが、555用ホーンとしてかなり有効ではないかと思いました。

土井 IPC LU1000が黒糖や三温糖、RCA MI12474が白砂糖だとすると、この555は和三盆でしょうか。そういう良さがあります。当初はトゥイーターがあったほうがいいだろうと思い、この555を念頭に置いてアルテック3000Hを用意していました。しかしLU1000でトゥイーターは要らないとなったので、555もこのまま行けるだろうと思った次第です。18インチのウーファーに対して、この小さな32Aホーンは普通に考えると組み合わせないですよね。

 考えてみると、今回はいろいろ無茶な組合せを試しています。モリソン方式ネットワークであれば、多少無茶な組合せでも音がまとまって、ごく普通に自然な音が鳴ってしまう手応えがあるんですよ。この組合せも見事でした。最後に聴くのがよかったかなというような完成度の鳴り方です(笑)。やはりWEは王者だなと、改めて感じました。

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