ヒビノインターサウンド株式会社から、英DiGiCo(デジコ)のデジタル・ミキシング・コンソール「Quantum 338」が、2020年3月3日に発売される。価格はオープンプライス。

 「Quantum 338」は、最上位機種である「SD7 Quantum」と同等の機能を備えた新鋭のデジタル・ミキシングコンソール。サーフェスを新たなデザインに変え、ワールドスタンダードモデルであるSD-Seriesの圧倒的な処理能力と96kHz標準の高品位な音質を継承している。

 大きな高輝度タッチスクリーンを3画面搭載し、環境の明暗に関係なく正確にチャンネルを識別でき、視認性と操作性の良さを追求している。また、ローカルI/Oのほか入出力拡張用のDMIカードも多数用意しており、用途に応じて選択できる。

 FOHやモニター用としての単体運用はもちろん、マルチコンソールによる大規模システムの一角を担える柔軟性も持ち合わせている。

画像: ヒビノインターサウンドから、高輝度のタッチスクリーンを3面搭載し、Quantumエンジンによる高性能で高音質なデジタル・ミキシング・コンソール DiGiCo「Quantum 338」が発売される

▼面のタッチスクリーンとQuantumエンジンを搭載

 本機は、第7世代の最新FPGAをベースに開発された高性能なデジタル・ミキシング・コンソール。3面のタッチスクリーンと38フェーダーを搭載し、3面のそれぞれが4バンクの3レイヤー構造。128入力、64バス、最大24×24マトリクスを96kHz標準でのフルプロセッシングが可能で、すべてのフェーダーがどのチャンネルにもアサインできる。

 Quantumエンジンを搭載した圧倒的な処理能力により、最上位機種の「SD7 Quantum」と同様の「Nodal Processing」「True Solo」「Mustard processing」「SpiceRack」の機能を使用可能。

 また、32ビットのハイビットレートをもつAD/DAコンバーターをローカルのI/Oにも標準で搭載。音の再現性を高め、より原音に忠実なサウンドを提供する。

Nodal Processing:すべてのAUX センドに入力チャンネルと同等のEQ やダイナミクスの機能を装備。特許取得済み。
True Solo:ソロ機能がコンソールのほぼすべてのポイントで再現可能で、そのソースがどのように処理されたかを検聴できる機能。
Mustard processing:チャンネルストリップの新しいアルゴリズム。標準のプロセッシングと組み合わせて使用すると、プリアンプ、フィルター、EQ、ゲートおよび選択したコンプレッサータイプを既存のチャンネルストリップに追加。
Spice Rack:内部のFX(ディレイ、エンハンサー、コーラス、ピッチシフター、リバーブ)とは別に追加される8 つのモノラルエフェクトラック。

優れた視認性と操作性

 本機に搭載された3面のタッチスクリーンは17インチと大きく解像度も高いので、視認性に優れている。各画面に12のチャンネルストリップを配したわかりやすいレイアウトは、ひと目で全体の把握と直感的な操作が行えるので、素早い対応を求められるライブの現場でも余裕をもってオペレーションできる。

 タッチスクリーンの輝度は1000citと高く、屋外の太陽光の下でも優れた視認性を保つうえ、長く突き出した庇のようなフロントトップが影をつくるため目の負担を軽減する。また、ワンタッチで中央画面をマスター画面にするボタンがマスターセクションにあり、即座に切り替えが可能。マスターと各チャンネルを効率よく操作できる。

 サーフェス上にはSDコンソール譲りのエンコーダー周囲のLEDも健在で、フルカラーで明瞭に機能を区別。暗い場所で輝くLED群は機能美を超えた美しさを備えており、オペレーターのモチベーションを高めてくれる。

 背面のトップエンドには野外フェス現場など複数のミキシングコンソールを使用する環境での識別に有効なターコイズブルーのLEDが新たに搭載され、アーティストとのコミュニケーションをより確実にしてくれる。

入出力拡張用のDMIカードを2枚挿入可能

 リアパネルには、ローカルI/O のほかに入出力拡張用DMI(DiGiCo Multichannnel Interface) カードのスロットを2つ搭載。任意のフォーマットに変換する多様なカードを用意しており、I/Oラックへの接続や用途に合わせて選択可能だ。

 新製品の「DMI-KLANG」カードは、KLANG:technologies のイマーシブ・インイヤーモニタリングをDiGiCoの最新のFPGA テクノロジーで再構築。他のデバイスやI/O を追加することなく、任意のオーディオチャンネルをコンソールから「DMI-KLANG」にルーティング。イマーシブミックスをAux入力に戻し、KLANG:technologies の定評あるイマーシブ・パーソナルモニター・ミキシングテクノロジーの空間的かつ透過的なインイヤーモニタリングを可能にしてくれる。

画像: 入出力拡張用のDMIカードを2枚挿入可能

 1枚のカードで64のイマーシブミックスを16人のミュージシャンに配信可能。その用途はモニターエンジニアのツアー用パーソナルミキシングからスタジオセッションのレコーディング用空間ミキシングまで多岐にわたり、疲労感のない質の高いインイヤー・モニタリングを提供してくれる。

マルチコンソールによる大規模システムの中でも活躍

 本機は、DiGiCoのSD-Series コンソールやI/O ラックとの互換性を持っており、複数台のSD コンソールとI/O ラックで構成された最大504ch の入出力を共有し、大きなシステムの中で運用できる。

 オプションでオプチカルコネクターを装備できるので、オプチカルループで構築された96kHzのリダンダントにも対応可能。端子はHMA、OpticalCon、STから、モードもシングルかマルチから選択できる。

 また、USB2.0 を使用してPC に接続するオーディオインターフェース“UB-MADI”を内蔵。入出力それぞれ48chのPCレコーディングやプレイバックを簡単に行えるようになり、活躍の場が広がる。UB MADI のデジタル伝送はUSBのデータークロックに依存せず、ジッターの発生を抑えた高い安定性を実現している。

ユーザーフレンドリーな仕掛けが装備

 本機には、ユーザーフレンドリーな仕掛けも多く備わっている。フロントのボトムエンドにはライトバーが追加され、暗い場所でのキーボード操作やコンソールの下での作業を容易にしてくれる。

 ヘッドホンは2 つ同時に利用でき、ボリュームも別々にコントロール可能です。ヘッドホン用のアームはボトムエンドの左右にあり、ジャックも標準フォーンとミニの2つを備えている。

 また、左側のヘッドホンジャックの横にあるUSB ポートは、バスパワー専用となっており、リモートコントロールやイヤモニなどで現場には不可欠となったiPad など各種デバイスの充電が行える。

オプション

・シングル/ デュアルループオプトコア(HMA、OpticalCon、ST より選択)
・シングルモードへのアップグレード
・Waves Soundgrid インターフェース
・フライトケース(W × H × D:1717 × 1144 × 642mm )

・DMI カード各種

画像: オプション

問合せ窓口:ヒビノインターサウンド株式会社
TEL: 03-5783-3880 FAX: 03-5783-3881

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