GA文庫大賞を受賞した人気のライトノベル「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」が、永瀬莉子&藤原大祐によるW主演でテレビドラマ化され、現在絶賛放送中だ。目が見えない中 明るく前向きに生きている冬月小春(永瀬莉子)と、過去のトラウマによって人との深く関わることを避けている空野かける(藤原大祐)が偶然の出会いを果たし、やがて恋が芽生えるまでを、美しい映像と繊細な芝居で表現した注目作だ。ここでは、W主演の二人にインタビューを実施。役作りから作品に対する思いなど、話を聞いた。
――よろしくお願いします。まずは作品の第一印象をお聞かせください。
永瀬莉子(以下、永瀬) 私は、脚本を読んですごく感動しました。そして、この作品に参加できる喜びと、緊張と、不安と……。いろいろな感情が入り混じったような、そんな感覚がありました。
藤原大祐(以下、藤原) 僕も台本が素敵すぎて、何度も泣きながら読み通しました。普段は、台本を読みながら泣くっていうことはあまりないので――仕事モードというか、どう演じようかっていうことを考えながら読むことが多いので――本当に自然と涙が止まらない作品だったので、これを演じるのか! っていうプレッシャーを感じながらも、撮影が楽しみでした。
――お二人が演じられた役柄の印象についてお願いします。また、小春については目が不自由ということもあるので、その心情をどのように表現したのかについても教えてください。
永瀬 小春は目が見えない分、触れるものや、耳(音)、香りに対して感覚をすごく研ぎ澄ませているんです。それもあって、人よりも相手の心情――どういう風に喋っているかとか、何を思いながらこの言葉を発しているのかっていうこと――をすごくキャッチしやすいので、私自身もまずは日常から繊細でありたいと思いました。普段はイヤホンで音楽を聴くのが好きなのですが、作品に入る頃から控えて、外を歩く時は、周囲の音や雰囲気を感じるようにしていました。
また、撮影前には、目線をどうすべきか悩んだのですが、撮影序盤に不安を拭うことができました。というのも、現場に入って演じているうちに、見えているけど、本当に見えていないような気持ちになってくるんです。それは、自分でも一つの発見というか、気付きでした。いろいろなものに感覚を研ぎ澄ませながらの撮影でした。

――相手の顔も、見ているけど見えていない。
永瀬 はい、本編中は一度も、藤原さんの顔――今、どういう表情をしているのか――をキャッチできないくらい見ていないというか、見えてなかったです。視線を散らしているというか、目を見て話していないんですけど、でも、それを意図的にそうしているというよりかは、自然な流れで、そうなっている感覚です。
――ニコニコしているんですか。
永瀬 そうですね。小春はすごく前向きで明るく、優しい笑顔が印象的だろうと思ったので、そこは大切にしました。
――藤原さんはいかがですか。
藤原 僕は、演じる上で小春が目が見えないということはあまり意識していなかったです。最初は、ハンディギャップを持った人に触れたことがなく、どう接したらいいか分からない、というところから、徐々に距離感が近くなっていく物語ではありますけど、演じる上では特別に意識はしていなかったです。そこがかけるの良さだと思います。小春視点で見た時のかけるの良さって、(自分のことを)特別扱いしないところだと思うので、僕自身もそんなに意識していなかったです。

――先ほどのコメントで、作品を演ずる上でプレッシャーがあったと仰っていましたが、それをどう乗り越えたのでしょう。
藤原 自分が何かをしたというより、勝手に乗り越えさせてくれたっていうのが本当のところです。チームのみなさんの熱量が本当に高くて、本当に絵力が強いんです。撮影部、照明部、録音部、スタンバイ部のみなさん全員に本当に熱量があって、ワンカットワンカット本気なんです。だから、このチームのみなさんとだったら絶対いい作品になるっていう安心感があったし、目の前にいる小春がいつも引っ張ってくれているという感覚もあって、僕はプレッシャーを感じる必要がなくて、ただそこにいるっていう感覚でした。
――本作は恋愛ものですから、接点のなかった二人が出会い、お互いの内面を深く知っていくことで惹かれあっていくという物語になっています。お互いが意識し合う――好きになる心の変化、感情の高まりなど――ところを演じるのはいかがでしたか?
永瀬 かけるに対する気持ちが生まれるきっかけは、やはり(自分を)特別扱いしないところで、可哀想だよねとか、大変だよね、頑張ってきたね、という(彼女が求めていない)言葉を掛けられるんだろうと思っていたら、普通に会話を進めてくれるところが、きっかけになったと思います。狙っていないというか、かける本来の人柄に惹かれたんだろう、と。そこはすごく共感しましたし、“そうだよね、ここで好きになるのが、分かる、分かる”っていう感じでした。
――見た目は、そっけない反応に感じましたけど。
永瀬 小春の歩んできた人生からすると、それがすごく特別というか、貴重だったのだと思います。
――藤原さんはいかがですか。
藤原 居酒屋で会った時から、やっぱりドキドキしていたと思います。違和感みたいなものがずっと心に残る感覚があって、きっと、あの日出会ってから、次に会うまでの間、ずっと心の中にいたんだろうなっていう印象です。自分でも、演じながら気になっていました。

――ちょっと変化球的な質問をしますが、ドラマ中では、したいことリストというのも重要な役割を持っています。お二人がいま思いつくものはなんでしょう。
永瀬 今の気分は、最近なかなか会えてない祖父母に会いに行きたいです。コロナ禍もあってしばらく会えていないので、すぐにでも叶えたいです。
藤原 僕は、やったことはないんですけど、机を作ってみたいですね。今、思いつきました。
――さきほどの質問に関係しますが、第2話では、二人の距離がグッと近づいた印象がありました。
永瀬 そうですね。特に(小春がかけるの)袖をつかむシーンは、全盲の人にとって、相手の肩とか腕をつかむということ自体は普通にあることなんですけど、小春の中ではちょっとドキッとする瞬間でした。その時点ではまだ、恋愛どうこうというのはまだ進んでいないけれども、少しその片鱗が見える。見ている方も“おや”って思うようなシーンになっているので、私も気に入っています。
藤原 小春には(周囲が)見えていないので、風景や情景を説明するシーンがあるんですけど、そこは、めちゃくちゃ好きですね。二人の関係性が見えるし、心の変化も感じられると思います。
――実際演じてみていかがでしたか。
藤原 ドキドキしましたよ。ギリギリ体温を感じるぐらいに距離が近かったので。
――その後、あることを通して、さらに距離が縮まっていきます。
永瀬 その後に繋がっていく大事なシーンになっていますが、小春的には“思わずしてしまった”という感じだと思います。あとから「これは恋?」って、自分の中でじんわりと確信するようになりますけど、そう考えると小春って、本当ピュアだなって思いますね。

――その後、ネタバレにならないようにお聞きしますが、せっかく距離の縮まった二人に、すれ違いも起きてしまいます。
藤原 演じていても、寂しかったですね。
永瀬 小春はこれがベストだと考えて取る行動ですけど、表情的には隠しきれていない。(表情には)辛さがにじみ出ていると思います。
――冒頭のアバンに、花火をするシーンがありました。物語の終盤には重要な意味を持つものになります。撮影はいかがでしたか。
藤原 花火のシーンはいくつか撮っているんですけど、その中のとあるシチュエーションは大変でしたね。でも、その分、実際に花火を見ている感覚を味わえました。本に書いてあるの通りの状況でできたこともあって、自分でも感動しました。
永瀬 そうですね、花火のシーンはいくつか撮っていますけど、いまお話に出ているところは、物語のテーマとなっている部分でもあって。とてもリアルでよりグッと来ましたし、本当に起きていることなんだって思えるくらい、すごく楽しい撮影でした。
――そして、ラストを迎えます。
藤原 かけるは決意して、行動して、そして得ることができたのかなって。ずっとその想いを抱きしめていくんだろうって思います。ちょうど(取材日の)昨日撮ったシーンだったので、すごく大切なものを知れた感覚になりました。

永瀬 そのシーンでの(小春の)モノローグの撮影が、とても記憶に残っています。実際、目の前に鏡を置いてもらっての撮影(収録)になっていて、つまりは自分(永瀬)の姿が見える状態で録っているんです。音声さんは、最後ぐらい、目の見えない彼女が自分の顔を見ながらモノローグを話すのは、すごく素敵じゃない、って言ってくださって。それでより気持ちが入ってできたので、すごくいいシーンになっていると思います。
――今回、「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」に出演して感じたもの、得たものはありますか。
永瀬 今回は役から学ぶことがすごく多かったです。目の見えない人の生活を実際に経験させてもらったことで、次は自分がサポートしていきたいなって思えるようになりましたし、そういう人を見かけた時に、自然と声をかけられる、そんな世の中になればいいなって本当に思います。それをこの作品を見て下さったみなさんが感じ取ってくれたらうれしいです。
藤原 人って、目から得る情報で生きてしまいがちなんですけど、この作品では視覚でのやり取りができなかったので、それ以外のところの豊かさみたいなことを、すごく知れたし、そのきっかけになったので、これからもそういうものを抱きしめて、自分も生きていきたいと、かけるを演じたことで気づけました。そういう温かいものが、見てくださる方に届いたらいいなと思います。
――最後に、年末でもあるので、今後の抱負をお願いします。
永瀬 この作品も含めて、どの作品も現場のみなさんが力を合わせてとても丁寧に制作されているので、私も、目の前にあるお仕事を丁寧に、一つ一つを積み重ねていきたいと思います。

藤原 僕は何だろう、筋トレ、筋トレを続けます。
――今日は、ありがとうございました。
ドラマ特区「透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。」
MBSにて毎週木曜 24:59~放送
テレビ神奈川、チバテレ、テレ玉、とちテレ、群馬テレビでも放送中
※関東では上記U局、またはTVer・FODで視聴可能
原作:志馬なにがし『透明な夜に駆ける君と、目に見えないない恋をした。』(GA文庫/SBクリエイティブ刊)
出演:永瀬莉子 藤原大祐
曽野舜太 河村花 染谷俊之 映美くらら
脚本:後藤賢人 富安美尋
監督:こささりょうま 松浦健志
音楽:渡邉峻冶
制作プロダクション:storyboard /制作協力:東北新社
製作:ドラマ「かけ恋」製作委員会・MBS
オープニング主題歌:れん「懸想歌」(TOY'S FACTORY)
エンディング主題歌:さらさ「YOU」
●永瀬莉子 オフィシャルサイト
https://www.sma.co.jp/s/sma/artist/486#/news/0
●藤原大祐 オフィシャルサイト
https://www.amuse.co.jp/artist/A8933/index.html
https://www.sonymusic.co.jp/artist/taiyufujiwara/
<永瀬莉子>
●スタイリスト:kyon
●ヘアメイク:市岡 愛
●衣装協力:PAW RING / masae | RING/ soie
RHODES 03-6416-1995
<藤原大祐>
●スタイリスト:勝見宜人(Koa Hole inc.)
●ヘアメイク:ヒラタナルタカ
●衣装協力:カットソー(¥2,970)、カーディガン(¥6,930)、パンツ(¥6,930)
Casper John/Sian PR TEL03-6662-5525
