145インチスクリーン&7.1.4サラウンドを備えたホームシアターを楽しんでいる高瀬秀樹さん。前回はプロジェクターのリニューアルを考えているとのことで、BenQのDLPプロジェクター「HT4550i」を持ち込ませてもらった。するとその絵を気に入った高瀬さんは取材後にHT4550iを導入してしまったのだ。それを聞いた潮さんは、さらなる画質改善策としてHDMIケーブルのグレードアップを提案、間髪あけずに持ち込み取材を決行することになった。以下でその詳細をお届けしたい。(StereoSound ONLINE 泉 哲也)

プロジェクターユーザー必見。今回視聴した長尺HDMIケーブル

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LS3 ¥160,000(1.5m)、¥170,000(3m)、¥190,000(10m)、¥200,000(12m)、¥210,000(15m)、¥230,000(20m)、¥260,000(30m)※価格はすべて税別

●最大解像度:10K/120p、8K/60p、36bit(4:2:0)
●コネクター:24金コーティング(20.6×10.8×40.3mm)
●ケーブル外径:5.7Φ(全種類同一サイズ)
●ケーブル構造:石英ファイバー(FRL信号)+銅線ハイブリッド
●シールド:2重アルミシールド
●曲げ半径:20mm
●外部電力供給:送受信側HDMIコネクターに電源供給ジャック搭載

画像2: 【Sponsored】145インチ大画面再生に相応しいHDMIケーブルとは? 読者宅ホームシアターで、エイムの光変換HDMIケーブルによる絵と音の変化をチェック

LS-U ¥70,000(10m)、¥85,000(15m)、¥100,000(20m)※価格はすべて税別

●最大解像度:10K/120B、8K/60A、36bit(4:2:0)
●コネクター:24金コーティング(20.5×11×40mm)
●ケーブル外径:4.7Φ(全種類同一サイズ)
●ケーブル構造:石英ファイバー(FRL信号)+銅線ハイブリッド
●シールド:2重アルミシールド
●曲げ半径:25.4mm
●外部電力供給:不要

――高瀬邸ホームシアターでの実験リポート第2弾です。前回は高瀬さんが気になっていたBenQのDLPプロジェクター「HT4550i」を持ち込んで視聴してもらいました。その結果、高瀬さんもHT4550iの絵を気に入ってくれました。

高瀬 というか、取材の後すぐに発注しちゃいました(笑)。既に天吊り設置も終わり、145インチスクリーンいっぱいに投写していますが、絵は本当に綺麗だと思います。今までスクリーン横の液晶モニターじゃないと見えなかったものも見えるようになったし、細かい情報もしっかり再現してくれます。解像度もそうですが、ディテイルも明るさも、初めて納得できる映像になりました。

――先日の取材では設置距離などの条件をすべて満たしてくれる製品が少ないという話も出ていました。

 高瀬邸の一番の条件は投写距離ですからね、約4mで145インチに投写するのは、なかなか厳しいでしょうね。

高瀬 HT4550iは本体サイズがコンパクトなので、そこは問題なくクリアーできました。

――HT4550iは天吊設置されていますが、これも高瀬さんが自分で取り付けたんですね。

高瀬 本体も軽いので、ひとりでも簡単にできましたよ。スクリーンから後ろの壁までは約4mですが、プロジェクターを設置するために壁の一部をくり抜いてあるので、ここに本体を半分ほど収めています。結果的にプロジェクターも出っ張らないし、すっきり収まったと思います。

 もともとDIYの達人ですからね。天吊金具も自分で付けたのかな?

高瀬 プロジェクターの金具はいろいろなタイプに対応する汎用品が多く販売されていますので、その中から設置条件に合いそうなものを探しました。以前のプロジェクターも自分で天吊設置したので、このあたりは慣れています(笑)。

――HT4550iを導入して1ヵ月弱ですが、その間もほぼ毎日使っていたそうですね。

高瀬 現在稼働時間が23時間です。家内も“普通になったね”と言っています。これまでは液晶モニターが“普通”の絵で、プロジェクターの絵は大きいけどそれより暗い、つまりエクスキューズがあったわけです。でもHT4550iにしたらその違いがなくなって、“普通”に楽しめるようになったということです。

 高瀬邸ではモニターとスクリーンが並んでいるから、どうしてもクリアーに感じるモニターに目が行きがちだったんでしょう。でも今回プロジェクターを交換したら、輝度、色を含めて不満がほぼ解消された。

高瀬 最近は液晶モニターを消してプロジェクターだけ見ていても、不満はないですね。プロジェクターでこんな絵が出せるんだって驚いたくらいです。

取材で気に入ったBenQ「HT4550i」を自分の手で設置。念願の145インチ大画面を手に入れた!

画像: 何事も自分の手でやりたいという高瀬さん。HT4550iも汎用天吊金具をネットで購入し、所定の位置に設置したそうです

何事も自分の手でやりたいという高瀬さん。HT4550iも汎用天吊金具をネットで購入し、所定の位置に設置したそうです

画像: 高瀬シアターは地下室で、壁面はコンクリート打ちっぱなしの仕上げになっている。投写距離をかせぐためにプロジェクターを取り付ける壁面の一部をくり抜いてある

高瀬シアターは地下室で、壁面はコンクリート打ちっぱなしの仕上げになっている。投写距離をかせぐためにプロジェクターを取り付ける壁面の一部をくり抜いてある

画像: 145インチの壁張り込みスクリーンを使用。前回の取材時はHT4550iをテーブル設置していたので120インチほどに投写していたが、今回はスクリーンいっぱいに映像を再現できた

145インチの壁張り込みスクリーンを使用。前回の取材時はHT4550iをテーブル設置していたので120インチほどに投写していたが、今回はスクリーンいっぱいに映像を再現できた

――前回の取材ではHT4550iをテーブル置きで視聴したので、画面サイズは120インチくらいでしたが、今日は145インチスクリーンいっぱいに映像を写しています。

 やはり印象が違いますね。120インチでは見えなかったもの、感じられなかったものってあるんだなぁ。

高瀬 全然違うと思います。特に4K/60p収録のUHDブルーレイ『宮古島〜癒しのビーチ〜』などでカメラがゆっくりパンニングする時に動きがなめらかなんです。HT4550iを導入してからは、もう映画館に行かなくてもいいじゃんという感じです。2K収録のブルーレイもかなり綺麗に再現してくれます。

 2K→4Kのアップコンはどこでやっているんだっけ?

高瀬 パナソニックの4Kレコーダー「DMR-4X1000」でブルーレイを4K変換して、HT4550iに入力しています。パナソニックのアップコンのクォリティが高いという面もあると思いますが、ホントに不満のない画質です。

――さて、前回の取材時にひとつ宿題が残っていました。具体的には、4K/60p/HDR収録のUHDブルーレイを再生したところ、HT4550i側では4K/60p/SDR信号として認識されていたのです。HT4550iはHDR10の再生に対応しているし、HDMIケーブルは直結していたので、てっきりHDMIケーブルが4K/60p/HDR信号を伝送できないんじゃないかと考えたわけです。

 あの状況ではHDMIケーブルが一番怪しかったからね。でも、まさかあんな理由があったとは……。

――詳しくはコラムを参照いただきたいと思いますが、パナソニックのレコーダー開発者に確認したところ、重大な点を見落としていたことがわかりました。高瀬さんはDMR-4X1000の「カラースペース」を「YCbCr(4:4:4)」に設定していたのですが、実はHDMIの規格上、この設定では4K/60p/HDR信号は出力できなかったのです。つまりレコーダー側で4K/60p/SDRに変換していたわけで、HT4550iで4K/60p/SDRで投写していたのは当然だったと。

高瀬 普通はソースに近いところで「4:4:4」に変換した方が絵がいいと思いますよね。でもHDMIとしてはその信号は伝送できないというのは、凄く勉強になりました。4K放送は4K/60pだから、それも「YCbCr(4:4:4)」に設定していたらHLGがSDRになっていた可能性もありますね。

――パナソニックのレコーダーでは「カラースペース」を「YCbCr(オート)」にしておけば、4K/24p/HDR収録ディスクは「4:4:4」で伝送してくれます。さらに4K/60p/HDRディスクは自動判別して「4:2:2」で送るとのことですから、常に一番いい状態で再生できているわけです。

高瀬 その話を聞いて、昨日DMR-4X1000の「カラースペース」を「YCbCr(オート)」に変えてみたら、前回と同じHDMIケーブルで『宮古島〜』が4K/60p/HDRで再生されました。

 わが家では仕事の関係もあってケーブルテスターも準備しています。このケーブルも18Gbpsの伝送ができることは確認していたので、なぜSDRに変換されているのか不思議だったんですが、これで納得しました。

 そうだね、疑って申し訳なかった(笑)。とはいえ、僕の経験上、長尺になるとHDMIケーブルで画質が変わることはよくあります。高瀬邸も再生機からプロジェクターまでは10mのケーブルが必要とのことなので、絶対違いがあるはずです。絵が映ることと、綺麗に映ることは別物ですから。

4K/60p/HDR収録ソフトをきちんと伝送するには、パナソニックレコーダーの設定にも注意を

 前回、高瀬邸でビコムの4K/60p/HDR収録のUHDブルーレイを再生したところ、プロジェクター側で4K/60p/SDRで投写されるという現象が発生した。当初はHDMIケーブルが18Gbpsを伝送できないために再生機のパナソニックDMR-4X1000で変換されてしまったのではないかと考えたが、そうではないことが判明した。

 というのも、高瀬さんは少しでもいい映像を楽しみたいという思いから、レコーダーのDMR-4X1000の「カラースペース」を「YCbCr(4:4:4)」に設定していたが、これが原因だったのだ。

画像: パナソニックの4Kレコーダーでは、「HDMI詳細設定」から「カラースペース」の選択が可能。高瀬さんはこの方が高画質になると考えて「YCbCr(4:4:4)」を選んでいたが、HDMI2.0の規格上、この状態では4K/60p/HDR信号は伝送できなかった。右は「YCbCr(4:4:4)」にセットした場合にHT4550iに入力された信号の詳細

パナソニックの4Kレコーダーでは、「HDMI詳細設定」から「カラースペース」の選択が可能。高瀬さんはこの方が高画質になると考えて「YCbCr(4:4:4)」を選んでいたが、HDMI2.0の規格上、この状態では4K/60p/HDR信号は伝送できなかった。右は「YCbCr(4:4:4)」にセットした場合にHT4550iに入力された信号の詳細

 そもそも4K/60pの伝送が可能なHDMI2.0の規格では、最大転送レートが18Gbpsに設定されている。4Kレコーダー等のHDMI出力は2.0に準拠しているので、出力される最大ビットレートは18Gbpsということになる。

 しかしレコーダーでカラースペースを「YCbCr(4:4:4)」に固定すると、4K/60p/HDR映像ではビットレートが18Gbpsを超えてしまうので、レコーダー側では色深度を8ビットに落とすことになる。HDR信号を伝送するには少なくとも10ビットが必要なので、ここで自動的にSDRに変換されていたわけだ。

 4K/24p/4:4:4であれば色深度12ビットでも18Gbpsで伝送できるので問題ないが、4K/60pを再生する場合は4:2:2/12ビットの方が結果としてソースに忠実な映像が伝送できることになる。

 DMR-4X1000を含めたパナソニック製4Kレコーダーの場合、カラースペースを「YCbCr(オート)」にしておくと、4K/24pなら4:4:4の12ビット(HDR)で伝送され、4K/60pでは4:2:2の12ビット(HDR)が自動的に選ばれるので、ぜひこの状態でお使いいただきたい。(編集部・泉)

――ということで、せっかくプロジェクターも新しくなったのだから、HT4550iにぴったりのHDMIケーブルも探してみようというのが、今回のテーマです。

 前回の取材時もHT4550iの絵は予想以上に綺麗だったのですが、ちょっとほんわかした部分もあるなぁという気もしていたので、そのあたりが改善されると思います。

高瀬 とはいえ、今使っているHDMIケーブルも光変換方式ですからね。デジタル伝送でそんなに違いがあるとは思えないんだけどなぁ。

 いやいや、絶対違いがありますって。今日はエイムの「LS-U」と「LS3」という2種類の光変換HDMIケーブルを準備したので、見比べてみましょう。

高瀬 それぞれどんなケーブルなんですか?

 LS3は2020年に発売されたエイムのトップモデルで、LS-Uは昨年発売された長尺ケーブルです(10/15/20mをラインナップ)。

 LS3は通信業界で使われている光トランシーバー(電気信号を光信号に変換するチップ)を採用している点が特長です。光トランシーバーやその他のデバイスは通信業界の最高レベルのパーツを選んでおり、それらをエイム独自の設計でHDMIケーブルに仕上げた製品だそうです。

 LS-Uは光変換部分にエイムが選別したHDMI用のチップを採用し、回路に組み込んでいます。光トランシーバーについてはLS3の方が性能は高いですね。ファイバー線はLS3、LS-Uとも米国コーニング社製の石英ファイバーを使っているそうですが、グレードには違いがあるようです。コネクターも含めてLS-3のパーツはすべて上位のものを使っているということでした。

――HDMIケーブルを、これまで高瀬さんが使っていたもの、LS-U、LS3の順番でつなぎかえて、『宮古島〜』を4K/60p/HDRで再生しましたが、いかがでしたか?

 まずLS-Uに変えると、これまでのHDMI ケーブルに比べて、光の解像感とか分解能が変化しました。コントラストレンジの向上も顕著だけど、僕が最初に目が行ったのはディテイル表現でした。特に引きのシーンの草木の細やかさなどは、こんなにきらきらしていたんだと、改めて感心したのです。

高瀬 もともとのHDMIケーブルとは、輝度も、ディテイル感も差がありました。中でも一番違ったのは、動きのあるシーンでのエッジの表現です。早い動きだとわからないんだけど、ゆっくりパンニングしていく時などのエッジの黒の立ち上がり、チラチラ感がLS-Uでは目立たなくなった。

 エッジの輪郭強調感がLS-Uでは抑えられて映像がすっきりしますね。

高瀬 草木が揺れているシーンが、これまでのケーブルではちらちらしてノイズっぽく見えることがあったんだけど、LS-Uではちゃんと細かい葉が動いていることがわかる。こんな差もあるんですね。

画像: スクリーンに近づいて映像の変化を検証するふたり。100インチクラスのスクリーンでは見逃していた微妙な変化もこのサイズならわかったとのこと

スクリーンに近づいて映像の変化を検証するふたり。100インチクラスのスクリーンでは見逃していた微妙な変化もこのサイズならわかったとのこと

画像: HT4550iのピクチャーモードは「HDR10」の初期値で行っている。写真右はSDR信号が入力された状態

HT4550iのピクチャーモードは「HDR10」の初期値で行っている。写真右はSDR信号が入力された状態

 これだけ画面が大きいと、逆にそういった細かな違いが画面全体の印象に影響するんです。HDMIの映像は再生機でデコードして送り出しているわけで、どのケーブルを使っても信号としては同じです。でもプロジェクターに届くまでにロスがあるのは間違いない。デジタルとはいえビット欠落のような症状が出てくる可能性はあります。

高瀬 なるほど。そんなわずかな信号の差をHT4550iがちゃんと再現したということで、これも驚きです。

 LS3は白ピークがさらに伸びて、UHDブルーレイ『西部戦線異状なし』の冒頭の爆破シーンなどで、細かい面積の輝きがはっきり識別できるようになりました。輝度、色、ディテイルのすべてで細かい部分までしっかり信号が伝送できていることがわかりますね。ただそのぶん、カラーブレイキングノイズもちょっと目につきました。

高瀬 確かにそれはありましたが、僕個人は許容範囲でしたよ。

 映像の印象としては、『西部戦線〜』の暗闇の中での白目の輝きとか、切り傷の血の色の再現が、もともとのケーブルとLS-Uでは、色の綺麗さ、本物らしさがまったく違いました。特に白目の再現の差に驚いた!LS3ではディテイルがさらに細かくなり、白目の中の毛細血管まで見えてきたんです。ただその分、ぎょろっとした感じがなくなったので、このシーンについてはLS-Uの方が怖さを感じました。

 LS-Uは面で見せるのに対し、LS3はディテイルを積み重ねて絵を作っているといった違いがあるかな。瓦礫の中から兵士を救助するシーンの木材の再現などは、LS3では本当に細かい所まで見えて、凄みを感じました。

高瀬 確かに、木材や石などのリアルさ、引きのシーンの迫力は、LS3はとんでもない説得力を持っています。

――続いて『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』で、前回と同じくチャプター5を再生しました。

高瀬 デイライトのシーンでの、雲や空の再現はLS3が飛び抜けていました。車のボディの光沢感などはLS3とLS-Uはどっちも綺麗で、そこまで大きな差は感じませんでした。

 LS3では、車の塗装の厚みまで感じられました。メタルボディで反射した光の再現、ぎらっと輝く感じなどもLS-UよりLS3の方が力強い。

高瀬 スピード感のあるアクションシーンだと、これまでのケーブルはともかく、LS3とLS-Uではあまり差が気にならなかったですね。ガラスが割れるCGは、LS3、LS-Uとも映像がクリアーになっている分、粗さが余計目についたけど(笑)。

 LS3はS/Nが凄くいいね。画面全体に落ち着きがあるし、動きになめらかさも感じます。

画像: ビコムの4K/60p/HDR収録『宮古島〜』はチェックディスクとしても定評のある一枚。今回もHDMIケーブルによる変化がひじょうによくわかった

ビコムの4K/60p/HDR収録『宮古島〜』はチェックディスクとしても定評のある一枚。今回もHDMIケーブルによる変化がひじょうによくわかった

――続いて高瀬さんの愛視聴盤『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の冒頭も見比べていただきました。

高瀬 見慣れたディスクだと、ケーブルによる違いがいっそうよくわかりますね。LS-Uに交換したら、エンタープライズ号の艦橋の壁面の小さなライトや照明が明るくなって、細部まで識別できるようになった。

 前回プロジェクターをHT4550iに変えた時にも、壁面のディテイルが見えてきたという話をしましたが、今回はさらに、1個1個の表示の明かりや、照明のピンライトが色々なところに当たっている様子もはっきりしてきたんです。ここはHDRの効果を感じた部分です。

 LS-U、LS3とも小面積の白ピークの伸びが分かりやすかったし、映像全体の印象もとてもクリアーになりました。やっぱりいいHDMIケーブルは“大画面の友”ですね。

高瀬 うまい言い方ですね(笑)。確かに、LS3、LS-Uとも大きな画面サイズでも安心して使えるのはいいですね。

 僕も仕事柄HDMIについてかなり勉強しましたが、正直かなり難しい規格ですよね。だから伝送時に色々なところで不具合が起きるのも理解できます。そんな中で、これなら大丈夫というHDMIケーブルが1本あると安心できます。ソース機器が悪いのか、表示側なのかなどの問題点を整理できるのが、HDMIの不具合を解消する際にとても重要です。

 確かに、信頼できるケーブルを1本持っている、特に長尺ケーブルを持っていると色々便利ですよ。

高瀬 となるとうちも信頼できるHDMIケーブルが必要だなぁ。

 LS3と細かな違いはあるけれど、じっくり見比べなければLS-Uでも充分満足できますね。高瀬さんの好みからするとLS-Uでもいいかもね。コストパフォーマンスも高いし、お薦めですよ。

高瀬 それを見比べようと言ったのは潮さんじゃないですか!

 まあまあ(笑)、せっかく再生機からは高品質な信号が出ているんだから、それをどこまで活かすかを考えるのが大切なんですよ。HDMIケーブルがボトルネックになってはいけない、その重要性を高瀬さんにも体験してもらいたかったんです。特に145インチで見るのだから、ケーブルにも配慮が必要です。

高瀬 確かにその点は実感しています。

音声専用にも、近い距離での絵&音の接続にも最適の光ファイバーHDMIケーブル

画像3: 【Sponsored】145インチ大画面再生に相応しいHDMIケーブルとは? 読者宅ホームシアターで、エイムの光変換HDMIケーブルによる絵と音の変化をチェック

LS-A
¥50,000(1m)、¥53,000(1.5m)、¥56,000(2m)、¥62,000(3m)※価格はすべて税別

●最大解像度:10K/120B、8K/60A、36bit(4:2:0)
●コネクター:24金コーティング(20.5×11×40mm)
●ケーブル外径:4.7Φ(全種類同一サイズ)
●ケーブル構造:石英ファイバー(FRL信号)+銅線ハイブリッド
●シールド:2重アルミシールド
●曲げ半径:25.4mm
●外部電力供給:不要

画像: LS-Aの比較試聴は、プレーヤーのDMR-4X1000とAVアンプのヤマハCX-A5200の間のHDMIケーブルを差し替えて行った。ラック裏のケーブル類は複雑にからみあっていて、高瀬さん以外には理解不能(?)

LS-Aの比較試聴は、プレーヤーのDMR-4X1000とAVアンプのヤマハCX-A5200の間のHDMIケーブルを差し替えて行った。ラック裏のケーブル類は複雑にからみあっていて、高瀬さん以外には理解不能(?)

――続いて、エイムから今年6月に「LS-A」という長さ1〜3mの光変換HDMIケーブルが発売されました。今日はこれを使って、HDMIケーブルが音にも影響するかを検証したいと思います。ちなみに型番の「A」はオーディオの意味だそうです。

 LS-Aはケーブルとしてはパーツも構造もLS-Uとまったく同じで、短い距離で光変化ケーブルを使いたいというユーザーからの要望に応えて開発されたそうです。仕様は同じですが、分類を明確にするため型番がLS-Aになったと聞いています。

 音声信号の伝送については、僕個人としてはメタル線の方が好みなんだけど、メタルの高級HDMIケーブル、例えばエイムの銀導体を使った「R」シリーズ(生産終了)などはケーブルが硬く、機器側との接続が不安定になることがありました。その点光変換ケーブルは軽量で取り回しもしやすいし、機器のコネクターへの負担も少ないので、そういった利便性も今後重要になると思います。

高瀬 レコーダーとテレビは2mもあれば足りるから、そういった使い方にもぴったりでしょう。

――今日はDMR-4X1000のHDMIセパレート出力(音声用)とAVアンプのヤマハ「CX-A5200」の間を2mのLS-Aでつないでいます。UAレコードの『情家みえ/エトレーヌ』のSACD(CD層を再生)とブルーレイ『echo in the canyon』のDTS-HD MA5.1ch音声を聴き比べました。

 高瀬さんはこれまで長さ1mのメタル線HDMIケーブルでつないでいたんですよね。優しさのある音なんだけど、ダイナミックレンジが狭く、寂しい印象がありました。

 でもLS-Aに交換したら、目が覚めるような音に変わってびっくりしました。ヴォーカルも表情が豊かになるし、音の分解能、細やかさがでてきた。低域の表現は我が家で使っているRシリーズの方がいい気もしますが、その差はわずかで、LS-Aの音もたいしたものだと思いました。

高瀬 音の解像度、奥行きの再現がまるで違いました。『エトレーヌ』はこの環境では聴いたことがなかったのですが、メタル線のHDMIケーブルで鳴らした時に、“こんな音だったっけ?” と物足りなく思ったんです。でもLS-Aに交換したら、“そうそうこういう感じだ” と。それくらい音の鳴り方に変化がありました。

 『echo in the canyon』では、LS-Aの方がギターやスネアドラムの細かい音がしっかり聴こえました。以前のケーブルではそこがぼんやりしていたので、これも驚きでした。

 ノラ・ジョーンズとジェイコブ・ディランのデュエット曲「Never MyLove」(チャプター9)も聞きましたが、5.1chのスピーカーのつながりが全然違いました。LS-Aは音の移動がスムーズで、ヴォーカルはセンターにしっかり定位する。収録時ふたりはヴォーカルブースで歌っていて、バッキングのミュージシャンは広いスペースで演奏しているんだけど、その距離感が出ていました。何と言っても、歌のニュアンスがちゃんと再現されるのがいい。

高瀬 DTS-HD MAはビットストリームで伝送しているはずなのに、それでも音が変化するのはなんとも不思議です。CDのリニアPCMでも経験したことではあるけれど、なんでこうなるんだろう?

 ビットストリームであっても、ジッターやリップルによる伝送ロスの影響は皆無ではないということですね。

画像: <高瀬邸の主なシアターシステム> ●DLPプロジェクター:BenQ HT4550i ●スクリーン:スチュワート HD130(145インチ/16:9、張り込み式) ●BD/HDDレコーダー:パナソニック DMR−4X1000、他 ●AVプリアンプ:ヤマハ CX-A5200 ●パワーアンプ:マークレビンソン No533H、マッキントッシュ MC7106、アキュフェーズ PX-600 ●スピーカーシステム:エクスクルーシブ 2402(フロントL/R)、JBL 4428(センター)、他

<高瀬邸の主なシアターシステム>
●DLPプロジェクター:BenQ HT4550i
●スクリーン:スチュワート HD130(145インチ/16:9、張り込み式)
●BD/HDDレコーダー:パナソニック DMR−4X1000、他
●AVプリアンプ:ヤマハ CX-A5200
●パワーアンプ:マークレビンソン No533Hマッキントッシュ MC7106アキュフェーズ PX-600
●スピーカーシステム:エクスクルーシブ 2402(フロントL/R)、JBL 4428(センター)、他

――さて、今回高瀬邸の145インチシアターでHDMIケーブルによる違いを確認してみましたが、いかがでしたか?

高瀬 さっきお話した通り、我が家のHDMIケーブルはすべて18Gbpsを伝送できることを確認して使っていました。だからスペックという意味ではエイムのケーブルでもそんなに違いはないはずなんだけど、LS-U、LS3とも絵も音も変化したから、本当に不思議です。

 エイムのケーブルなら安心して使えますねというのが一番の感想でしょうか。映像では輝度が変わるし、音も音圧感が変化したので、それだけ信号が通りやすいということなんでしょう。あぁ、また出費がかさんでしまうなぁ。

 ケーブルは大事だと、改めて実感しました。僕は以前から本体価格の20%まではアクセサリーに投資してもいいと提唱してきました。HT4550iは50万円だから10万円くらいまでならHDMIケーブルに投資してもいいでしょう。となるとLS3はちょっと予算オーバーで、LS-Uがぴったりかな。

高瀬 LS3とLS-Uについては、我が家の環境で見比べた限りでは、差はかなり小さいと思いました。絵の好みも、どちらかと言うとディテイルよりも映像の迫力志向なので、その意味ではLS-Uが気になっています。

 LS-U、LS3とも、きちんと信号を伝送できるということと、高品質な絵や音を再現してくれるという両方で高い信頼性を持っています。最終的にどちらのケーブルを選ぶかは高瀬さん次第ですが、LS-UとLS3のどちらであっても、ホームシアターで安心して使える、ここが大きなポイントになるでしょう。せっかくこれだけの環境を整えているんだから、もうひと押し頑張りましょう!

HDMI伝送にあっても、ケーブルが重要であることを改めて実感した。大画面になるほど、映像への影響力は増してくる! ……潮 晴男

 HDMI伝送にあっても、ケーブルの重要性を改めて実感させてくれる取材だった。実験前までは高瀬さんも、「そんなに違わないでしょう」と、やや冷めた話しぶりだったが、蓋を開けてみたら意外や意外、前回の120インチの視聴ではわからないことまで浮き彫りになった。

 そもそも145インチの大画面自体そう体験できるものではないが、画面サイズが大きくなればなるほど細部の表現に違いが出る。しかもその違いがケーブルによって如実に変化するとあらば、蔑ろにするわけにはいかないだろう。“安くていいものは無い”とは僕が常々言い続けてきたことだが、ケーブルにもそれが当てはまる。

 そしてもうひとつ、プレーヤーやレコーダーに装備されているセパレートHDMI出力の音声端子を活用する場合、短尺の高性能なHDMIケーブルを用意することも忘れないようにしたい。詳しくは本文を参考にしていただきたいが、安易なチョイスは音声クォリティを損なってしまうので、ぜひともこの部分にも気を配ってほしい。

画像4: 【Sponsored】145インチ大画面再生に相応しいHDMIケーブルとは? 読者宅ホームシアターで、エイムの光変換HDMIケーブルによる絵と音の変化をチェック

信頼できるHDMIケーブルを1本は持っておきたい。エイムの製品は、そんな思いに答えてくれる信頼性を備えています …… 高瀬秀樹

 プロジェクターを使うには、長尺のHDMIケーブルが不可欠です。本文にある通り我が家の4K系統で使用しているケーブルは、ケーブルテスターを使って18Gbpsが通ることを確認しているので、正直、画質や音にさほど変化が出るとは思っていませんでした。なので、今回もちょっと疑念を抱きつつ視聴させていただきました。

 以前は2K環境でエイムのメタル線HDMIケーブルを使用していましたが、4K環境となるとエイムのファイバーケーブルは高価(!)なので、10mで1万円以下の価格で手に入るノンブランドのファイバーケーブルを使用しており、それでも特に不満はありませんでした。

 まずLS-Uに変更すると、明るさと色の表現が一段階進み、驚きました。また、明暗の差が大きい部分で目につくノイズが減少している印象を受けました。こうして比べてみると、ノンブランドのHDMIケーブルではビット落ちが伝送時に生じている可能性があるかもしれないですね。

 LS-3は、両端から電源を供給して視聴しましたが、一見した時は、同じく48Gbpsに対応しているLS-Uとは明るさ、色味はさほど違いがないような印象でした。しかしスクリーン近づくと、LS-3ではより細かな表現が増しており、解像度が向上しているように感じました。

 今回視聴した2モデルについては、さすがにLS-3は予算的に厳しいですが、画質の違いもさることながら、HDMI関係のトラブルで問題の切り分けをしやすくする目的でも、8K対応ケーブルを1本持っておきたいと思い、お小遣いをためてLS-Uを購入したいと思います。

 なおLS-Aについては、現在我が家ではAVアンプ経由でレコーダーの出力をプロジェクターに接続しているので、この部分のメタル製ケーブルと交換し、映像・音声両方で活用したいと考えています。

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