テレビ放送を録画するレコーダーの究極形と言える全録モデル。パナソニックの「全自動ディーガ」は、複数のチャンネルを24時間たっぷりと録画でき、しかも番組予約も不要で、いつでも見たい番組を楽しめる。これまでのレコーダーの使い方を超えた、新しいテレビ視聴スタイルを享受できる逸品。ここでは、全自動ディーガの最上位モデル「DMR-4X1002」を使って、新時代のテレビライフを存分に楽しんでみた。

ハイビジョン放送8ch分を最大28日間、自動で保存してくれる「全自動ディーガ」

 パナソニックの全自動ディーガ「DMR-4X1002」は、10TBの大容量HDDを内蔵し、地デジやBS/110度CSデジタル放送(2K)ならば最大8ch×28日間、それに加えて4K放送を最大1ch×13日間の全自動録画=チャンネル録画してくれるHDD/BDレコーダー。もちろん、これに加えて2K放送を2番組、または4K放送を1番組、通常録画することもできる。

 一般的なBDレコーダーや薄型テレビの録画機能が、2番組または3番組の同時録画だと考えると、これはまさにモンスター級のレコーダーと言っていい。“選択した複数の放送局の番組をほぼすべて録画できる”というのは、これまでの録画スタイルを一変させるものだ。

HDD/BDレコーダー
PANASONIC
「DMR-4X1002」
オープン価格

画像: ▲全自動ディーガのフラッグシップモデル「DMR-4X1002」

▲全自動ディーガのフラッグシップモデル「DMR-4X1002」

DMR-4X1002の主な仕様
HDD容量:10TB
内蔵チューナー:地上デジタル・BS/110度CSデジタル・BS4K/110度CS4K×2、地上デジタル・BS/110度CSデジタル×4、地上デジタル×5(チャンネル録画専用×8、チャンネル録画・通常録画切換×2、通常録画専用×1)
接続端子:HDMI出力2系統(映像+音声1、音声専用1)、USB端子3系統(USB2.0×1、USB3.0×2)、LAN端子1系統
無線LAN:〇(内蔵)
消費電力:約54W
寸法:W430×H66×D239mm(突起部含まず)
質量:4.3kg

 ぼく自身、全録レコーダーを使ってもう10年近いが、それまでは自分の好きなアニメ番組を視聴するために、年に4回ある番組改編期のたびに新番組をチェックし、録画予約をしていた。アニメ番組の多くが深夜の時間帯に集中するようになると、2番組同時録画では間に合わず、2チューナー機を複数使い分けて録画していたほどだ。2チューナー機で主な地上波放送を網羅するため、3台のレコーダーを同時に運用している猛者も珍しくはなかった。しかし、「DMR-4X1002」があれば、それらを1台でこなせることになる。しかも、全録だから録画予約はそもそも不要。第1話の予約を忘れて見逃してしまい、なんとなく第2話以降も見る気がしなくなってしまう……という失敗もない。これは凄いことだ。

 全録レコーダーは高価で手が出ないと言われがちだが、スタンダードなBDレコーダー3台分以上の機能が使えると考えれば、決して高価というわけではない。全自動ディーガ最上位の「DMR-4X1002」とまでは行かなくても、2K放送専用で最大6ch×最大24日間の録画ができる「DMR-2X302」(HDD 3TB)なども用意されており、予算に合わせて選びやすいラインナップが構築されているので、全録レコーダーに興味のある人は、ぜひ検討してみてほしい。

 一方で、放送を全部録っても見るヒマがない、という声もあるが、全自動ディーガの使い方はまるで違う。放送時間に縛られず、いつでも見たいときに番組が楽しめるだけでなく、さらに、放送後に話題になった番組を後追いで視聴することもできるのだ。より自由にテレビ放送を活用できるのが全録レコーダーの魅力であり、本来の使い方なのだ。

 たとえば、いつも見ているわけではない番組に、自分の好きなタレントや俳優がゲスト出演していた。今ならSNSなどでそういった情報はすぐに広まる。全自動ディーガがあれば、そんな番組も自動で録画済みだから、放送後でも番組の見逃しが発生しない。見たい番組だけでなく、見るかもしれない番組、見れば良かったと後で後悔するような番組まで、いつでも録画済み。これらを自由に楽しめるのが、全自動ディーガの新しいテレビ視聴スタイルなのだ。

画像: ハイビジョン放送8ch分を最大28日間、自動で保存してくれる「全自動ディーガ」

 つい先日、秋クールの人気アニメ『SPY×FAMILY』の第2期の第2話が、スポーツ中継の延長による時間変更で録画失敗が多発したことが話題になったが、全録ユーザーならば、そもそもそんな心配はない。ぼくはそのような録画時間の変更があったことにすら気づかず、楽しみにしていた第2話を、1日の締めくくりのリラックスタイムに普通に見ていた。番組改編期にはよくある新番組放送前の特番だって録画済みだから、第1話が面白かったら、さかのぼってその特番を見ることもある。まさに自由自在なのだ。

おすすめの録画モードは「5倍録」。約7日間の保存ができて、充分に実用的!

 全自動ディーガは、その名の通り難しいことはすべてレコーダー任せにできる点がメリットだ。だから初期設定もかなりシンプルになっていて、誰でも簡単に使えるようにデザインされている。チャンネル録画(=全録)の設定も、基本的には録画したいチャンネルを選ぶだけ。おすすめの設定が複数用意されているので、それを選べば全録のテレビ生活がすぐに始められる。

 まずは、「DMR-4X1002」で最大の、ハイビジョン放送8ch/24時間録画、を選択するのをおススメしたい。その際の録画モードは「5倍録」がいい。これで約7日間の蓄積が可能となる。これまでの経験から、物語が急展開した時などに、前の回を見たくなることがあるので、7~8日間は保存しておきたい。そういう意味では、約1週間ぶんを貯めておくこの設定はちょうどいいので、初めて全自動ディーガを使う人にはこの設定がおススメだ。

 その後、使っているうちに、もっと長い期間保存しておきたい、あるいは、1クール(3ヵ月間)ぶんを録り貯めて、映像配信サービスのように後から一気見したい、という要望が出てくるかもしれない。その場合、もっとも便利なのが「ドラマ・アニメお録りおき」だ。

画像: ▲全自動録画(チャンネル録画)した番組の中から、ユーザーの好みのジャンル(ドラマ・アニメ)の設定した時間帯の番組を、自動削除せず、保存しておける「お録りおき」機能。最大90日間、保存可能

▲全自動録画(チャンネル録画)した番組の中から、ユーザーの好みのジャンル(ドラマ・アニメ)の設定した時間帯の番組を、自動削除せず、保存しておける「お録りおき」機能。最大90日間、保存可能

 これは、チャンネル録画した中から、ドラマまたはアニメの番組を、約3ヵ月(録画モードなどの設定で期間は変動する)保存してくれる機能。時間帯を2つまで指定できるので、たとえば、深夜23時からの時間帯でアニメ、ゴールデンタイム(19時~)でドラマをお録りおきするような設定ができるし、深夜帯のアニメと朝6時からのアニメというマニアックな要求にも応えてくれる。

画像: ▲「お録りおき」の設定画面。ドラマとアニメの2つのジャンルが対象で、それぞれ4つの項目の中から残しておきたい時間帯を選べる

▲「お録りおき」の設定画面。ドラマとアニメの2つのジャンルが対象で、それぞれ4つの項目の中から残しておきたい時間帯を選べる

 この「ドラマ・アニメお録りおき」の仕組みは、チャンネル録画領域の中にあらかじめお録りおき領域を確保し、通常ならば古くなって消去される番組から、指定した時間帯のドラマやアニメだけをその領域に移動(ムーブ)して保存するというもの。だから、録画モードはチャンネル録画の設定と同じ。

 アニメ好きなら、気に入った番組はBDに保存する人も多いと思うが、チャンネル録画のままだと、設定した期間が過ぎれば自動で消去されてしまう(これも、全自動ディーガの便利な機能の一つ!)。そのため、保存しておきたい番組については、通常録画領域に「保存」し、その番組を「次回から録画予約」する必要がある。こうすると、以降は通常領域での予約録画が行なわれるわけだが、文字にすると案外面倒だと感じる人は少なくないだろう。普通のレコーダーの操作に近いものだが、全録レコーダーを使い慣れると、それすら面倒に感じてしまう。

 しかし、「ドラマ・アニメお録りおき」なら、一回設定するだけでほぼ1クール分を自動で保存してくれるので、後でBDに焼くつもりだったのに消えてしまった……という失敗を避けられる。また、BD保存を第1話でジャッジせず、3話~5話くらい見てから検討する人や、最終話まで見てからという慎重派の人でも安心だ。なにより、完結した後で1話からまとめて見たいという人も、便利に使えるはずだ。

 さて、番組をBD保存しておきたいという熱心なファンであれば、画質にもこだわるはず。ぼくもそうだ。そこで、まずはアニメやドラマなどで主要な録画モードでの画質を確認してみた。比較したのは放送そのままの「DR」(約1日)、「1.5倍録」(1日)、「3倍録」(5日間)、「5倍録」(7日間)の4種類(※カッコ内の数字は、チャンネル録画設定で、ハイビジョン放送8ch/24時間録画とした場合の録画可能日数)。

 放送そのままのDRは当然理論上の最高画質だ。しかし、地デジ放送のアニメは、動きの素早いシーンなどで画質の荒れが案外目立つのはご存じの通り。面白い結果として、放送のMPEG2のまま録画するよりも、圧縮効率に優れたMPEG4 AVCの1.5倍録の方が圧縮ノイズやモスキートノイズがほどよく抑えられていたことが分かった。圧縮効率の高いMPEG4 AVCの優位性はもちろんだが、パナソニックがこれまでのレコーダー作りで培ってきたエンコーダー性能の高さの証明でもある。だから、高画質優先だからといって、放送そのままのDR録画にこだわる必要はない。

 テストの結果、「3倍録」でも、DR録画の放送と比べて画質劣化はほとんど確認できなかった。BD保存まで考えても文句のないレベルの画質だと感じた。とはいえ、5倍録もなかなかのもの。作画や動画の優秀さで今期注目の『チェンソーマン』のオープニング映像を、自宅のプロジェクター(Victor DLA-V90R)で120インチスクリーンに投写して詳細に比較してみたところ、放送そのままのDR録画でも映像の乱れが散見されたが、5倍録でも素早い動きの多いシーンでやや画質の荒れが増える程度。ただし、オープニングの特定シーンを何度もDR録画と5倍録画とを見比べて気付く程度なので、50インチクラスの薄型テレビであれば、ほとんど気にならないと思われる。だから、ぼくのような“放送そのまま画質”にこだわる神経質な人でもない限り、5倍録で実用上は問題ないし、BDに保存して後から視聴しても、画質劣化にがっかりすることはない。

画像: おすすめの録画モードは「5倍録」。約7日間の保存ができて、充分に実用的!

 が、わずかな画質劣化も許せない人は、「3倍録」をおすすめしたい。ここで問題になるのが、蓄積期間が5日間となること。つまり、1週間前の放送が残っていないわけだ。録画モードと画質のトレードオフの関係に悩まされるのだが、実はチャンネルの録画の詳細設定である程度は解決できる。

画像: ▲「チャンネル録画」の設定は、後からでも細かく変更することができる。写真は録画モードの変更画面。BD保存を考えた場合の鳥居さんおススメは「3倍録」モード

▲「チャンネル録画」の設定は、後からでも細かく変更することができる。写真は録画モードの変更画面。BD保存を考えた場合の鳥居さんおススメは「3倍録」モード

 チャンネル録画の詳細設定では、まず録画する時間帯を細かく設定できる。アニメ録画に徹する場合、再放送などを無視すれば、午後から夕方の時間帯は録画しない設定にするのは有効だ。ここで、夜~深夜帯だけの録画にしてしまうと、日曜日午後5時の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』が録れなくなるという指摘があるのは承知している。録画時間の設定では一括して録画時間帯を設定するだけでなく、曜日ごとに個別に設定することも可能。土日の朝アニメや日5アニメなどは、個別に設定すれば解決するのだ。

 さらに、チャンネル録画の詳細設定では、ジャンル別、チャンネル別に録画モードを決めることもできる! ぼくの場合、アニメは3倍録、それ以外は5倍録という設定を使っている。ジャンルによって録画モードが選べるのはかなり有効なので、読者の皆さんは、それぞれがお好きなジャンルの番組の録画モードを、高画質(おススメは3倍録)にするといいと思う。

画像: ▲「チャンネル録画」の設定変更画面

▲「チャンネル録画」の設定変更画面

 このように、チャンネル録画はかなり細かい設定が可能で、設定次第では高画質と蓄積期間の長さの両立を図ることもできる。まずはディーガのおすすめ設定でしばらく使ってみて、気になる点が出てきたら設定を変更するといい。そのときは、「おすすめ診断設定」が役に立つ。これは、番組をよく見る時間帯やジャンルなどを分析して、より効率の良いおすすめの設定に変更できる機能。これを元にお好みで細かく設定できるので、高画質でたっぷり録りたいという欲張りな要求にも応えてくれるのだ。ここではアニメ放送の録画を主体にしているが、ドラマに置きかえてもらっても同様だし、俳優などがゲスト出演する番組まで網羅したい“推し活”をしている人ならば、24時間録画の設定は維持しつつ、画質モードの変更などで対処するといいだろう。ここまで使いこなせば、“全自動ディーガ・マスター”を名乗れるはずだ。

見たい番組を探すのもスムーズ。おすすめ機能でノーマークの番組との出会いも作ってくれる

 これまでの設定で、過去1週間分の好みの番組はほぼ全録できている環境が整った。「チャンネル録画一覧」を呼び出すと、番組表形式で表示されるが、そこに好みの番組が一通り網羅されているのを見るのはとても気分がいい。すべて録画済みなので、そこから見たい番組を選べばすぐに再生できるというのは実に贅沢。リアルタイム視聴にこだわらなければ、放送日や放送時間に縛られている感覚はまったくない。

画像: ▲「チャンネル録画一覧」画面。録画済みの番組が、EPG形式で表示される。今までは、これから見たい番組を探すために使っていたが、全自動ディーガなら、今見られる番組を簡単に探すことができる

▲「チャンネル録画一覧」画面。録画済みの番組が、EPG形式で表示される。今までは、これから見たい番組を探すために使っていたが、全自動ディーガなら、今見られる番組を簡単に探すことができる

 番組表形式だと、特定の番組を探すのが面倒という人には「おすすめ録画一覧」がある。これは、ドラマやアニメなど、主要なジャンルのおすすめ番組をリストアップしてくれる機能。アニメ好きならば「よくみるアニメ/特撮」を選べば、ずらりとアニメ番組がリストに現れる。これは、番組表のEPGデータと視聴履歴などからおすすめの番組を選択しているようだ。音楽番組に出演するアーティストをEPG(電子番組表)の情報からピックアップし、お気に入りのアーティストの出演番組だけを探せる「アーティスト関連番組」のような項目もある。当然ながら、使えば使うほどデータが蓄積されるので、おすすめ番組の精度も高まっていく。

 そして、注目したいのが、新機能の「AIおすすめ」。これはインターネット接続と「ディモーラ」への登録が必要な有料サービスだが、視聴履歴だけでなく、ディモーラでの録画/視聴ランキングなどのデータも含めて、「ドラマ」「アニメ」「映画」のジャンルでAIがおすすめの番組を選択してくれる。ジャンルやサブジャンルもEPGよりもさらに細分化されているようで、より高精度なおすすめ番組機能と言えるだろう。

画像: ▲新機能の「AIおすすめ」。AIが、ユーザーの再生履歴や話題を集めている番組などの情報を分析して、チャンネル録画した番組の中の未視聴コンテンツを、おススメしてくれる

▲新機能の「AIおすすめ」。AIが、ユーザーの再生履歴や話題を集めている番組などの情報を分析して、チャンネル録画した番組の中の未視聴コンテンツを、おススメしてくれる

 これらがあれば、毎回見る番組をすぐに探し出せるだけでなく、今までは見ていなかった関連度の高い番組なども見つかるので、テレビ放送をフルに活用できるようになるだろう。要望としては、アニメに出演する声優別に、アニメ以外のバラエティー番組や特番、音楽番組などで出演した番組までリストアップしてくれるとうれしい。監督別や作画監督別まで要求するのはマニアック過ぎるかもしれないが、需要はありそう。「AIおすすめ」と同じく「ディモーラ」の登録が必要な有料サービスでもいいので、ぜひ検討してほしい。

シーン飛ばしやチャプタースキップだけではない! 見たいシーンに素早く移動できる機能も進化!

 番組の再生では、チャンネル録画もオートチャプターに対応していて、本編だけを時短で視聴することができるのはもはや当然。新機能として、見たいシーンに素早く移動できる「プレビューサーチ」が搭載された。これは番組のサムネイルを1分ごとにフィルム状に並べて表示するもので、特定のシーンに素早く移動できる。従来の早送り/早戻しよりも簡単で確実だ。

画像: ▲新機能「プレビューサーチ」。番組再生中に、下部に1分毎のサムネイルを表示してくれるので、見たいシーンへ簡単にスキップできる

▲新機能「プレビューサーチ」。番組再生中に、下部に1分毎のサムネイルを表示してくれるので、見たいシーンへ簡単にスキップできる

 そして、新機能であり、録り貯めたアニメを週末に一気見したい人に便利なのが、「次エピソード自動再生」。毎週(毎日)放送されるシリーズ番組を再生すると、自動で次回放送話を探して連続再生できる機能だ。映像配信サービスなどと同じ感覚で、連続ドラマをまさしく一気見することができる。これは、上で紹介した「ドラマ・アニメお録りおき」機能で保存した番組などをまとめて見るのに便利だし、通常録画領域で予約録画したドラマやアニメ、2回以上の蓄積があれば、チャンネル録画でも同じように次のエピソードを連続再生できる。こうしたドラマの視聴で、いちいち「録画一覧」に戻って次のエピソードを探す手間がないのも、快適だ。

画像: ▲こちらも新機能の「次エピソード自動再生」。続きものの番組の場合、レコーダーが自動的に次回の番組を探して再生してくれるので、録画一覧画面に戻る手間を省いて、一気見が楽しめる

▲こちらも新機能の「次エピソード自動再生」。続きものの番組の場合、レコーダーが自動的に次回の番組を探して再生してくれるので、録画一覧画面に戻る手間を省いて、一気見が楽しめる

 このように、全自動ディーガは、チャンネル録画だけでなく、再生面についても利便性の高い機能が盛り込まれており、たくさんの番組をたっぷりと効率良く楽しむことができるように考え尽くされている。まさにテレビ好きにはたまらないレコーダーなのだ。

肝心の画質・音質もかなりの出来映え。ハイエンドモデル「DMR-ZR1」譲りの技術も採用

 Stereo Sound ONLINE読者なら、画質や音質にもこだわりたいところ。「DMR-4X1002」は、この点についても万全だ。ディーガはもともと、独自の4K対応の画像処理エンジン「4Kリアルクロマプロセッサ」を採用し、自然な質感の再現を可能にしている。4Kテレビとの接続でも、「4Kダイレクトクロマアップコンバート」により、地デジ放送も鮮明な映像で楽しめる。こうした基本機能に加え、ハイエンドモデル「DMR-ZR1」の技術まで継承しているのが、「DMR-4X1002」なのだ。

 HDR再生では、視聴環境などに合わせて映像の明るさを調整できる「ダイナミックレンジ調整」に加え、組み合わせるディスプレイに合わせて最適なトーンマップ処理を行なう「HDRトーンマップ」技術を採用。液晶テレビや有機ELテレビ、プロジェクターなどに合わせたモードが用意されている。これに加え、HDR映像のコントラスト感を好みで調整できる「システムガンマ調整」もある。そして、対応するHDR方式も、HDR10/HLGさらにHDR10+にも対応している。4K放送はもちろんのこと、UHDブルーレイソフトでも優れた高画質を再現できるのだ。

 では、いよいよ録画した番組やUHDブルーレイソフトなどを見てみよう。チェックは、自宅視聴室(プロジェクター+120インチスクリーン)とパナソニックの視聴室(4K有機ELビエラ「TH-65LZ2000」)の2ヵ所で行なっている。

画像: 肝心の画質・音質もかなりの出来映え。ハイエンドモデル「DMR-ZR1」譲りの技術も採用

 NHK Gのドラマ『鎌倉殿の13人』は、チャンネル録画の5倍録で見てもDR録画と大きな落差はない。オープニングなどでのテロップ文字へのノイズや文字の崩れもほとんどない。NHK BS 4Kの4K DR録画を見ると、当然ながらより鮮明で解像感の高い映像を楽しめる。これはDR録画だからというより、2K放送と4K放送の差だ。映画的な撮影で陰影の豊かな映像だが、室内の暗さの中でも登場人物の表情がきちんと見えるし、暗部の階調もスムーズだ。音質もクリアで聴き取りやすいだけでなく、台詞や音楽の力強さもしっかりと出る。

 アニメはすでに触れているが『チェンソーマン』や『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を見た。5倍録では素早い動きの場面でごくわずかに描線の乱れやノイズが増えるが、3倍録ならばほぼ気にならない。色の再現は鮮やかで階調性もよく、薄暗いシーンでのカラーバンディングなども目立ちにくいし、暗い色が沈んでしまうこともない。最近のアニメは、デジタルでのエフェクトを多用することもあり、色数も多くグラデーション処理や光学的なエフェクトも多用していて、ノイズが目立ちやすくなっているが、解像度を劣化させずノイズの目立たない再現をしている。DR録画での再生が優秀なのは当たり前だが、5倍録や3倍録でも画質劣化が気にならず、ほぼ放送そのままの映像で楽しめるのは「DMR-4X1002」ならではだ。

▲付属の専用リモコン。専用ボタンも充実しており、配置も使いやすいデザインにまとめられている

 続いては、UHDブルーレイソフト。VICOM制作の『四季 高野山』を見た。HDR10+収録で、もちろんHDR10+モードで視聴した。高野山の自然や寺社のたたずまい、数々の行事を四季を通じて撮影したものだ。冬の高野山の景色では、凍えるような冷たさを感じるような空気の澄んだ雰囲気がよく出ていて、雪をまとった針葉樹が連なる様子の立体感が素晴らしい。護摩供と呼ばれる行事では、赤々と燃える炎が鮮やかでパチパチと爆ぜる薪が真っ赤に燃える様子は熱ささえも伝わってくるようだ。照明を使わずにほぼ自然光だけで撮影したため、炎の明るさと薄暗い本堂の中の気配まで階調豊かに描かれている。

 5.1chの音響は本堂の中で経を唱える僧侶の声が静かに響き、炎が燃える様子も雰囲気豊かに伝える。そして仏具を鳴らしたときの余韻の長い響きが空間に響く。別のシーンでの大きな鐘を鳴らすときの音も、力強い鳴りと豊かな余韻が周囲の山中に響き渡っていく様子までよく再現される。

 そして、『トップガン:マーベリック』も見てみた。戦闘機での訓練シーンでは機体でのディテイルが鮮明だし、まぶしい太陽の日差しも力強い再現。晴れ渡った青空と雲の階調性も実にスムーズ。攻撃目標へ近づくときの森や渓谷を飛ぶシーンも、素早く動く木々や岩肌のディテイルが鮮明で、スピード感も満点だ。

 音の点でも、実験機がマッハ10に到達するためにエンジンをふかしていく時の轟音もなかなかの再現。充分にパワフルな音が出て、機体を震わせる大気の摩擦から生じる低音までしっかりと感じられた。そんな機体の中で加速度の苦しみにうめくパイロットの声も実体感に溢れている。この作品はまぎれもない轟音映画でもあるが、爆発の迫力ではなく、超音速で空気を切り裂いて飛んでいく戦闘機の生々しい音がしっかりと収録されていることが大きな魅力で、そのあたりの緻密なサウンドを存分に楽しむことができた。

画像: ▲「DMR-4X1002」のリア。HDMI出力端子は、ハイエンドモデルと同じく、映像、音声を分離して出力できるよう2系統を装備。さらに、外付けUSB-HDDの増設にも対応していて、「チャンネル録画用」「通常録画用」それぞれの端子を備えている

▲「DMR-4X1002」のリア。HDMI出力端子は、ハイエンドモデルと同じく、映像、音声を分離して出力できるよう2系統を装備。さらに、外付けUSB-HDDの増設にも対応していて、「チャンネル録画用」「通常録画用」それぞれの端子を備えている

 全自動ディーガは、これまでのモデルでも音質の良さに感心していたが、これはやはり電源部がしっかりと出来ているためだと思う。たくさんのチューナーと大容量HDDを内蔵するため、電源部の規模も大きいし、多チューナーのためノイズ対策も厳重であると思われる。そして「DMR-ZR1」の開発で得たノウハウも投入されているように感じる。物量という点ではZR1に譲るかもしれないが、電源部の設計や細かな作り込みなどには、ZR1で得た成果が生きていると感じるのだ。

 そして、ZR1譲りという点では、再生中の設定メニューや情報表示のデザインがZR1と同じというのも好ましい。半透過の黒い背景に輝度を抑えた白文字の表示は、HDR調整もしやすいし、映像の邪魔になりにくいように配慮されていて、実に使いやすい。今回のように比較的長い期間使っていると、こうした画面表示のデザインの工夫がよく分かる。

BDプレーヤーとしても優れた実力を持ち、テレビ視聴を楽しむだけでなく、映画鑑賞でも満足度は高い

 「DMR-ZR1」は筐体や電源までこだわった別格の存在でもあるが、その技術を継承した「DMR-4X1002」も、解像感の高い映像や陰影の豊かな再現から、かなりの実力だと分かる。音質もなかなかのものだ。画質や音質を最優先するならば「DMR-ZR1」だが、チャンネル録画の快適なテレビ録画・再生の使い勝手を考えると、楽しみの幅はこちらの方が大きいし、画質・音質の差も大きくはない。「DMR-ZR1」一択としてしまうのはもったいないところだ。

画像: BDプレーヤーとしても優れた実力を持ち、テレビ視聴を楽しむだけでなく、映画鑑賞でも満足度は高い

 「DMR-4X1002」は、チャンネル録画による快適なテレビ録画だけでなく、UHDブルーレイソフトで高品位な映画や音楽も楽しめる活躍の幅の広いモデル。誰でも簡単に使える親しみやすさと、マニアックな要求にもしっかりと応える懐の深さもある。ぜひとも存分に使いこなして、充実したテレビ録画・再生、優れた画質・音質での映像ソフト鑑賞を満喫してほしい。

提供:パナソニック

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