7人組ボーカル・グループ“まちだガールズ・クワイア”が4月13日、東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにてワンマンライブ「町ガ 銀河進出への道 Ep.3~オリオン座流星群観測~」を開催した。
2015年に結成され、町田のライブレストラン「まほろ座 MACHIDA」をホームとして活動。ソプラノ・メゾソプラノ・アルトの三部構成による流麗なハーモニー(すべてリアルタイムで歌いあげる)、音楽プロデューサー・石田ショーキチの確かな視点が光る洗練された音楽性、フォーメーションの美しいダンス、誠実なステージングによってじっくりと人気を上昇させてきた。今回のステージは、1月に発表された4年ぶりのオリジナル・アルバム『オリオン座流星群』の全曲を収録順に披露するというもの。途方もなくストーリー性に富む作品だけに、それを実演で楽しめるのは大きな喜びだ。
オープニング「星めぐりの歌」から「セブンスターズ」までは静、衣装替えを経ての「Moon base」から「オリオンのベルト」までは動といった感じか。曲によっては激しく踊るパートもあるのだが、それでも、ごく自然に、優しいハーモニーが乱れなく形成されていく。音をとるだけでも大変に違いない転調が続出する「銀河ステーション」は、メンバーの音楽的素養の高さをこれでもかと伝える楽曲。ヒップホップを通過したエッジの立ったビートに、漂うような声の重なりが乗る「星ノ栞」の精緻なアレンジにも耳が引き付けられた(ここでも後半、効果的な転調が登場する)。「Voice In Space」や「星空のシンセサイザー」に顕著な、優雅なメロディ・ラインと声の融合には、10年前に活動をやめたTomato n' Pineの音作りに通じる香り高さがある。
「このアルバムは本来ならば、まちだガールズ・クワイアの5周年記念の最後の企画として発表する予定でしたが、周りの状況を見た時に、私たちは今、応援していただいたり、お祝いしていただく立場ではなく、私たちが音楽で誰かを応援したいと強く思い、当初の予定より半年ほど遅れてリリースしました」(えりか)
「アルバムのタイトルになっているオリオン座は、夏の星から構成されています。まちだガールズ・クワイアもメンバー7人それぞれが強く輝きたいと思っています。そして何よりもファンの皆様の思いが流星群のようにきらめきを連れてやってくる。そんな時間を皆様と共有したい。いつまでも普遍的にこの一枚に残しておきたい。その思いを『オリオン座流星群』というタイトルに込めました」(あいね)
「このアルバムは一枚を通して聴いた時に、皆様が充実した気持ちになるんじゃないかと思って作りました。(ライブを)心に焼き付けていただけましたでしょうか? 今日、皆さんと過ごした同じ時間が、流星群を観測した時と同じように、心に残っていくことを願っています」(もえか)
アルバム以外からのレパートリーは、なし。それもまた、この名盤の実演会にふさわしい。ライブに浸った後、外に出てから見上げる夜空が、いわばアンコール替わりなのだ。
当公演は5月15日(日)まで配信中(¥2,000)。詳しくは下記サイトを参照してほしい。
また、5月6日(金)には、「まほろ座 MACHIDA」で定期公演「まちだガールズ・クワイアの水曜日はWednesday!!」を開催。7月から都心(渋谷スターラウンジ)で主催3マンライブシリーズ「オリオンのベルト」が始まることも決定した。