去る12月21日(火)に、新宿バルト9で、劇団かもめんたる第9回公演「君とならどんな夕暮れも怖くない」(第65回岸田國士戯曲賞ノミネート作品)舞台挨拶付き上映会が行なわれ、出演者の岩崎う大、槙尾ユウスケ、小椋大輔、もりももこ、土屋翔、宮下雄也が登壇した。

 本作は、ウィルスが蔓延する世界では人との関わりが廃れていき、取って代わるようにアンドロイドが普及した近未来の話。コロナの時代だからこそ出来上がった、この時期だからこそ面白く感動的なエンターテインメントの王道を目指した傑作である。

 劇団かもめんたる最新作「S.ストーリーズ」の上演を記念する形で開催した本イベントは、劇団かもめんたるにとって初の上映イベントとなった。

 「君とならどんな夕暮れも怖くない」を上演した当時(2020年7月)について岩崎は「創作した時期はちょうどコロナ禍、劇場が閉鎖し、アメリカからブラック・ライブズ・マターという人種差別に対する抗議運動が世界へと広がった時期であり、上演したのは、駅前劇場(下北沢)再開直後のタイミングだった。自分自身に制限をかけず、表現と正面から向き合うと同時に、自分自身が救われるような感覚を抱いた。未来の人間について想像力を駆使しながら創作した、すごく好きな作品」と振り返った。

画像: 岩崎う大

岩崎う大

 出演きっかけについて聞かれた宮下は「う大さんの漫画作品(マイデリケートゾーン)が大好きで、う大さんのTwitterをフォローしたら、う大さんがフォローし返してくださり、DMを送ったところから話が進んでいった」と語った。

 未来のロボット“ケン”を演じた槙尾は役作りについて「人間にすごく近づいたロボットという役どころだったのでロボットより、むしろ人間を意識し、さらにサンミュージックの先輩芸人“ケンキ”さんのキャラクターをイメージして役作りした」と述べた。

 夫婦役を演じた小椋ともりの奇抜なメイクに関して、岩崎が「オジャ(小椋)のメイクは最初スペインの教会で修復ミスしたキリストの肖像画みたいだった」と振り返ると、小椋は「毎日試行錯誤した挙句、メイクの資格を持っている槙尾さんからアドバイスしてもらった」と明かした。もりは、槙尾からのアドバイスについて「直に色を塗るのではなくて、化粧下地として白をベースに、その上に色をのせるよう助言してもらったことで解決した」と述べた。

 舞台挨拶後半、話は最新作「S.ストーリーズ」へ。今まで、第1回~11回公演は、比較的長い尺の演劇公演だったが、今回は初のショートストーリーオムニバス作品となる。岩崎は「元々、かもめんたるの単独ライブは8話程度のコントで構成していた。劇団かもめんたるではコントから演劇へ向かう中で、あえてオムニバス作品を手掛けていなかったけれども、大好きな、納得できる演劇作品となった前作第11回公演『ソルティーなんとかメモリー』、ここから一度逆戻りして、演劇からオムニバス作品へ進み、中間地点で会いましょうという気持ちです。普段より笑いが多い、でも今までのコントとも違うお話が出来上がった」と創作経緯について語った。

 絶賛稽古中の今、もりは、今までの演劇とは違うコントの難しさについて「笑いを確実に起こすポイントを把握しながら人物を伝えることになかなか慣れない」と悩みを伝えた。それに対して、岩崎は「いい悩み、人物をただ伝えるだけではなくて、お笑いの作法にもグイっと乗っからないといけない瞬間がある」と応えた。

 今回一年半ぶりの出演となり、12月21日に稽古初日を迎えた宮下は「う大さんの、直接的な変態ではなく、じわっとくる変態なリズムを感じる稽古がたまらなく楽しいし、周りの役者さんも皆さん素晴らしく、すごい現場だと思います」と語った。

 また、槙尾は「演劇はなだらかに展開するが、今回はキュッとなる分ダイナミックに展開する、そこが面白い。しかしオムニバスなので一人が複数のキャラクターを演じることになり、感情の起伏やリズムが演劇とは違い、コントに近いと感じる」と述べた。

 第1回公演から連続出演している小椋は「コントの中で色々なキャラクターを演じる、かもめんたるのお二人が昔から好きで、かもめんたるファンでもある僕としては待ってました!と言わんばかりの心の状態」と嬉しい気持ちをストレートに伝えた。

 土屋(MC)より、「劇団かもめんたる第11回公演「ソルティーなんとかメモリー」DVDがなんと舞台挨拶中の今、発売となりました!」とサプライズ告知があり、会場内は大きな拍手に包まれた。「ソルティーなんとかメモリー」について岩崎は「力作を書こうと思って、それ以上のものができた、手ごたえのあった作品」と胸を張った。さらに、宮下は「今年観劇した舞台作品の中でダントツ一番面白かった」と太鼓判を押した。

 締めの挨拶で岩崎は「映画館での上映に足を運んでくださりありがとうございました。今日映像で見ても面白かったと感じていただけたなら、もし見てない作品があれば、過去作全てDVD化しているのでぜひチェックしていただけたらと思いつつ、やっぱり生で観てもらうのが一番本望でして、「S.ストーリーズ」でお待ちしております。どうぞお越しください。ありがとうございました」と感謝の気持ちを述べて、舞台挨拶を締めくくった。

劇団かもめんたるS.ストーリーズ公演vol.1「S.ストーリーズ」
劇団かもめんたる初のショートストーリーオムニバス作品
日時:2022年1月19日(水)~23日(日)
会場:座・高円寺1
公式サイト https://gekikamogekikamo.wixsite.com/gekikamo/featured-project
出演:岩崎う大(かもめんたる)、槙尾ユウスケ(かもめんたる)/小椋大輔、もりももこ、土屋翔/宮下雄也、高畑裕太(ハイワイヤ)、四柳智惟、荒威ばる、野口詩央、佐藤真弓(猫のホテル)
チケット:各種プレイガイド(パスマーケット、ぴあ、イープラス)にて好評発売中

「君とならどんな夕暮れも怖くない」DVD概要
劇団かもめんたる第9回公演「君とならどんな夕暮れも怖くない」DVD
価格:¥3,000(税込)絶賛発売中!
DVD注文受付サイト:https://gekikamo.thebase.in/items/38937777
【第65回岸田國士戯曲賞ノミネート作品】
このコロナの時代だからこそ出来上がった、この時期だからこそ面白く感動的なエンターテインメントの王道を目指した傑作
出演:岩崎う大(かもめんたる)、槙尾ユウスケ(かもめんたる)/ 小椋大輔、もりももこ、船越真美子、土屋翔、長田奈麻/ 佐藤真弓、梅舟惟永、宮下雄也
日時・会場:2020年7月21日(火)~26日(日)東京都下北沢駅前劇場
作・演出:岩崎う大
(C)劇団かもめんたる×サンミュージックプロダクション

This article is a sponsored article by
''.