アイ・オー・データ機器が発売する小型のネットワークオーディオサーバー「Soundgenic」(サウンドジェニック)が、Spotifyのストリーミング再生に対応した。

 サウンドジェニックは、エントリーユーザーに向けて価格を大幅に抑えたネットワークオーディオサーバーで、メディアサーバーとして利用できるほか、USB DAC(D/Aコンバーター)と組み合わせてネットワークプレーヤーとしても使える。

 ラインナップはECサイト向けを含めて合計6種類(詳しくはコラムを参照)。今回はハイグレードモデルで、3Tバイトカスタム仕様ハードディスクを搭載した「HDL-RA3HG」を使って試聴を行っている。なお現在は各モデルとも実勢価格がこなれてきており、お買い得感は高い。

●ミュージックサーバー
アイ・オー・データ Soundgenic HDL-RA3HG アイ・オープラザ直販¥60,280(税込)

画像1: Spotify再生に対応した、アイ・オー・データ「Soundgenic」を3つのシステムで聴く。曲との出会いからハイレゾまで、“最新の音楽ライフ”を満喫できるアイテムだ

●HDD容量:3Tバイト(WD社製WD AV-GPのカスタム仕様)
●メディアサーバー対応ファイル形式(拡張子):
 wav、mp3、wma、m4a、m4b、ogg、flac、aac、mp2、ac3、mpa、aif、aiff、dff、dsf
●USB-DAC出力形式(サンプリングレート):
 PCM=44.1/48/88.2/96/176.4/192/352.8/384/705.6※/768※kHz(※はwav、aiffのみ)、
 DSD(DoP)=2.8/5.6/11.2MHz、DSD(DirectDSD)=2.8/5.6/11.2/22.5MHz
●USB DAC出力形式(量子化ビット数):
 PCM=16/24/32ビット、DSD(DoP、DirectDSD)=1ビット
●接続端子:
 LAN(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)、USB 3.1 Gen 1(USB 3.0)、USB2.0
●消費電力:8.9W(平均)、28W(最大)
●寸法/質量:W168×H43×D134mm(突起部除く)/約1.3kg

画像: リアパネルにはLAN端子と、2系統のUSB端子を備える。USB端子はどちらも音質に違いはないとのこと

リアパネルにはLAN端子と、2系統のUSB端子を備える。USB端子はどちらも音質に違いはないとのこと

※製品ラインナップ
●店頭モデル
 HDL-RA2HF アイ・オープラザ直販¥38,500(税込、2TバイトHDD搭載)
●オーディオ専門店モデル
 RAHF-S1 アイ・オープラザ直販¥91,300(税込、1TバイトSSD搭載)
 RAHF-S2HG アイ・オープラザ直販¥162,800(税込、2TバイトSSD搭載)
●ECサイトモデル
 HDL-RA2HF/E オープン価格(2TバイトHDD搭載)
 HDL-RA3HG/E オープン価格(3TバイトHDD搭載)

 そしてSpotifyは、Apple Musicと並ぶもっともメジャーなストリーミングサービスで、加入者数は世界No.1。日本で正式スタートしているので契約が容易で、邦楽アーティストやアルバム、プレイリストが多く聴けるのも特長。

 現在Spotifyは様々なオーディオ製品が対応しているが、その理由のひとつとして、Spotify Connectを使える事が挙げられる。Spotify Connectは、Spotifyが公式に提供する、Spotifyをオーディオデバイスで再生するための仕組み。スマートフォンやタブレットにインストールするSpotifyアプリで選曲を行いつつ、ストリーミングデータはLAN経由でオーディオ機器に直接送られ、再生されている。

 当然、サウンドジェニックもSpotify Connectを利用できるので、USBスピーカーやUSB DACを持っている方であれば、すぐに快適なSpotify試聴環境を手に入れられるのだ。

 ここで重要なのが、サウンドジェニックという “USB接続に対応したソース機器がSpotify Connectに対応した” ということだ。つまりサウンドジェニックがあれば、小型スピーカーやヘッドフォン、本格アンプなどのUSB接続できる幅広い機器でSpotifyを再生できるようになるわけで、これは大きなメリットだ。

 そこで今回は、実際にサウンドジェニックを使って色々なシステムでSpotifyを楽しんでみた。(1)USB接続ができるアクティブスピーカーと組合わせたシンプルプラン、(2)ヘッドホンファンにお勧めしたいデスクトッププラン、(3)Spotifyの手軽さを楽しみつつ、ハイレゾ再生も両立させる3つのプランだ。

 試聴の前に、サウンドジェニックを自宅のネットワーク回線に有線LANで接続してファームウェアを最新版にアップデートしている。今回はその作業に専用アプリの「fidata Music App」を利用したが、本体右側にあるLEDランプが新ファームの存在を告げるオレンジ色に点灯していれば、本体の電源を再起動するだけでも可能となる。

試聴システム(1) シンプルでお手軽なアクティブスピーカーとの組合せ

画像2: Spotify再生に対応した、アイ・オー・データ「Soundgenic」を3つのシステムで聴く。曲との出会いからハイレゾまで、“最新の音楽ライフ”を満喫できるアイテムだ

●ミュージックサーバー:アイ・オー・データ Soundgenic
●アクティブスピーカー:クリプトンKS-11
 SoundgenicとアクティブスピーカーをUSBケーブルでつなぐだけでストリーミングからハイレゾファイルまで楽しめる、シンプルながらひじょうに便利なシステム。

画像: サウンドジェニックとKS-11をUSBケーブルでつなぐだけでSpotifyの再生も可能になる。KS-11に限らずUSB接続対応スピーカーをお使いの方にはお薦め間違いなし

サウンドジェニックとKS-11をUSBケーブルでつなぐだけでSpotifyの再生も可能になる。KS-11に限らずUSB接続対応スピーカーをお使いの方にはお薦め間違いなし

<この組み合わせでキーになったアイテム>
クリプトン KS-11 ¥54,780(ペア、税込)
●使用ユニット:6.35cmメタルコーン フルレンジ
●パワーアンプ出力:35W×2(フルデジタルアンプ)
●周波数特性:70Hz〜20kHz
●DAC対応ファイル形式:最大192kHz/24ビット、LPCM、WAV、ALAC、AIFF、FLAC
●接続端子:USB2.0、アナログ(ステレオ3.5mmミニジャック)、光デジタル
●Bluetoothコーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD
●Bluetoothペアリング台数:9台
●寸法/質量:W89.5×H176.5×D105mm/約800g

画像: これだけシンプルな組み合わせでサブスクリプションからハイレゾまで楽しめることに土方さんも感心

これだけシンプルな組み合わせでサブスクリプションからハイレゾまで楽しめることに土方さんも感心

 まずは(1)、日本のオーディオメーカー、クリプトンが発売するアクティブスピーカー「KS-11」と組み合わせた。KS-11は35W×2のフルデジタルアンプを内蔵し、最大192kHz/24ビットのデジタル入力に対応するUSB端子を備えている。

 本プランのアドバンテージは、最低限かつ小型の機材で、場所をとらずお手軽にスピーカーによる高音質再生を実現できること。また、接続も至極簡単で、サウンドジェニックを有線LANに接続して、あとはスピーカーとサウンドジェニックをUSBケーブルでつなぐだけ。

 スマートフォン及びタブレットにインストールした、Spotifyの純正アプリを開き、画面上にあるスピーカーマークをタップすると、再生先のデバイスが表示されるので、サウンドジェニック(USB DACの名前と組み合わされ表示されている)を指定する。

 今年のグラミー最優秀楽曲賞を受賞した、H.E.R.の「I Can't Breathe」を再生する。密閉型のエンクロージャーを生かしたレスポンスのいい低域と躍動感を持つ音調により、R&Bのグルーブを秀逸に表現する6.35cm径のメタルコーン・フルレンジ振動板を採用し、周波数特性は70Hz〜20kHzとワイドレンジ。

 小型スピーカーということを感じさせない本格派の音が嬉しい。余談だが、本楽曲も含めSpotifyではグラミー賞受賞作品およびノミネート作品のほぼすべてを視聴できる。

試聴システム(2) ヘッドホンファンに最適な、デスクトップ向け組合せ

画像3: Spotify再生に対応した、アイ・オー・データ「Soundgenic」を3つのシステムで聴く。曲との出会いからハイレゾまで、“最新の音楽ライフ”を満喫できるアイテムだ

●ミュージックサーバー:アイ・オー・データ Soundgenic
●D/Aコンバーター:iFi audio ZEN DAC + iPower II
●ヘッドホン:グラドThe Hemp Headphone
 Soundgenicと小型D/Aコンバーターを組み合わせることで、ストリーミングからDSD 11.2MHzのハイレゾまでシームレスに再生。

画像: サウンドジェニックとZEN DACもUSBケーブルでつなぐだけでOK。ZEN DACはRCA出力も備えているので、ヘッドホンでもアンプとの組み合わせでも試聴可能

サウンドジェニックとZEN DACもUSBケーブルでつなぐだけでOK。ZEN DACはRCA出力も備えているので、ヘッドホンでもアンプとの組み合わせでも試聴可能

<この組み合わせでキーになったアイテム>
iFi Audio ZEN DAC ¥22,000(税込)
●接続端子:USB3.0 Bメス(USB2.0互換)、アナログ出力(RCA)、4.4mmバランス出力、6.3mmヘッドフォン出力
●対応フォーマット:PCM=44.1/48/88.2/96/176.4/192kHz、DXD=352.8/384kHz、DSD=2.8/3.1/5.6/6.2/11.2/12.4MHz、MQA(フルデコード対応)
●消費電力:2.5W(最大)
●寸法/質量:W100×H35×D158mm/491g
●組み合わせた電源アダプター:iPower II 5V ¥11,000(税込)

画像: 土方さんのお気に入りヘッドホンとの組み合わせでSpotifyからハイレゾまで試聴していただいた

土方さんのお気に入りヘッドホンとの組み合わせでSpotifyからハイレゾまで試聴していただいた

 次に(2)のヘッドホン環境を活かす再生。利用したのはiFi audioのUSB DAC内蔵ヘッドホンアンプの「ZEN DAC」である。今回は同社の低ノイズアダプター「iPowerⅡ」で電源を供給して、さらに音質を上げてみた。組み合わせたのは、美しいウッドハウジングを持つ、グラドのオープン型ヘッドホン「The Hemp Headphone」である。

 試聴曲には人気ヴァイオリニストのアンネ・ゾフィー・ムターのアルバム『Across The Stars』を用いた。アプリの検索フォームに「ムター」と入れれば彼女の楽曲やプレイリストが表示されるので、楽曲を見つけるのも容易だ。

 気になる音質だが、まず感じ入ったのが音色の美しさ。輪郭が明瞭で頭内に定位するムターの音像がリアル。また、バックミュージックを構成するオーケストラとの対比も正確だ。

 本プランのアドバンテージは、デスクトップ環境でパソコンを使用せずとも、Spotifyを高音質に楽しめることにありそうだ。さらにZEN DACはUSB DACとしても使用できるので、お気に入りのパッシブスピーカーとアンプを組み合わせれば、コンパクトかつ高品位なデスクトップスピーカーのシステムを構築できるなど、この組み合わせは、音質、対応ソース、再生システムの3点においてコストパフォーマンスが高い。

 デスクトップでこれだけ楽しめるのだから、フロアースピーカーを使ったらどうなるのか? そんな興味もわいてきたので、次はサウンドジェニックをわが家のシステムに組み込んだプランを試してみることにした。

試聴システム(3) ストリーミングの魅力をフルに引き出す、夢のシステム

画像4: Spotify再生に対応した、アイ・オー・データ「Soundgenic」を3つのシステムで聴く。曲との出会いからハイレゾまで、“最新の音楽ライフ”を満喫できるアイテムだ

●ミュージックサーバー:アイ・オー・データ Soundgenic
●D/Aコンバーター:コルグ Nu I
●アンプ:リンKLIMAX KONTROL SE/d + KLIMAX SOLO×2
●スピーカー:エラックVELA FS408
 土方さんの愛用アンプと、最近気になっていたというスピーカーを組み合わせた、ストリーミングからハイレゾ再生まで快適に楽しめるシステムプラン

画像5: Spotify再生に対応した、アイ・オー・データ「Soundgenic」を3つのシステムで聴く。曲との出会いからハイレゾまで、“最新の音楽ライフ”を満喫できるアイテムだ

<この組み合わせでキーになったアイテム>
ELAC VELA FS408 ¥935,000(ペア、税込)
●型式:2.5ウェイ3スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:JET Vトゥイーター×1、180mm AS-XRコーン型ウーファー×2
●能率:88.5dB/2.83V/m
●インピーダンス:4Ω
●再生周波数帯域:28Hz~50kHz
●クロスオーバー周波数:450Hz/2,550Hz
●寸法/質量:W276×H1,142×D332mm/27.1kg
●仕上げ:ハイグロス・ブラック/ハイグロス・ホワイト

画像: 土方邸では、EDISCREATIONのFIBER BOX 2からのLANケーブルをサウンドジェニックに入力するなど、ネットワーク環境にも配慮している

土方邸では、EDISCREATIONのFIBER BOX 2からのLANケーブルをサウンドジェニックに入力するなど、ネットワーク環境にも配慮している

 最後は、スピーカーにエラックの新型モデル「VELA FS408」、プリアンプにリン「KLIMAX KONTROL SE/d」、パワーアンプに「KLIMAX SOLO」を用いた本格的な再生環境を構築して、そこにサウンドジェニックを投入した。サウンドジェニックと組み合わせるDACは、こちらもクセのない音で最近筆者が気に入っている、コルグ「Nu I」を用いる。

 試聴した楽曲はジョン・ウィリアムズ『ライヴ・イン・ウィーン』である。圧縮音源だから本システムのような本格的な構成では限界も感じるものの、フラットなトーンバランスを基軸とした安定感のある音質だといえる。

 さてここまでSpotifyで色々な配信音源を聴いてきたが、そこには新たな音楽との出会いもあると感じた。楽曲を聴くとSpotifyのレコメンド機能が働き、類似の楽曲が画面上に表示され、アルバムアートを見て気になった楽曲を次々に再生した。「こんな楽曲もあるのか」とワクワクしながら選曲を楽しめる。これこそストリーミングサービスの優位点を生かした再生だ。時間が全然足りない。

 またSpotifyの場合は、米国の権威あるチャートビルボードのポップス/ロック週刊シングルランキング「Billboard Hot 100」が聴取できるほか、世界中のチャートや有名DJによるプレイリストが凝っている。

 こうして出会った楽曲の中には、当然気に入って繰り返し聴きたくなるものもあるだろう。その場合はダウンロードサービスなどからハイレゾ音源を購入してサウンドジェニックに保存すれば、いつでもいい音で楽しめることになる。ストリーミングとローカルファイルを縦横無尽に聴けるシステムが簡単に構築できるのも、サウンドジェニックの大きな魅力といえる。

 Spotify対応により、サウンドジェニックは、所有するハイレゾ楽曲ファイルをネットワークを介して再生する“オーディオサーバー”という枠を超え、クラウド上にある音源を再生するストリーミングサービスもシームレスかつ本当に手軽に楽しめるようになった。これはとても大きな一歩だ。

画像: アイ・オー・データのサイトより。サウンドジェニックをインターネットにつなぐことで、新たにSpotifyの再生も可能になっている。その操作はPCやスマホ、タブレットから可能なので、使い勝手はとてもいい

アイ・オー・データのサイトより。サウンドジェニックをインターネットにつなぐことで、新たにSpotifyの再生も可能になっている。その操作はPCやスマホ、タブレットから可能なので、使い勝手はとてもいい

 今回はサウンジェニックによるSpotify再生をフィーチャーしているが、もちろんネットワーク再生のNASとしての利用や、USB DACと組み合わせてハイレゾ楽曲再生も利用できる(先述の通り、ネットワークトランスポートとして使用した場合は、fidata Music Appも利用できる)。

 さらに、外付けのUSB BD/DVDドライブを利用したCDリッピングやe-onkyoの楽曲自動ダウンロード機能、USBメモリーやHDDからの楽曲インポート機能も備えるなど、パソコンレスで音源の入手から再生までが可能となっている。

 現在サウンドジェニックを所有しているユーザーへは新たな再生手法が加わったわけだし、既にUSB DACやUSB入力を備えたアクティブスピーカーを所有している人は、サウンドジェニックを導入すればSpotifyが楽しめる。さらに、Spotifyを導入するためにオーディオ製品を探しているオーディオファイルにとってもたいへんリーズナブルな選択肢が加わったのだ。ストリーミングサービス過渡期を経験した筆者は、本当にいい時代になったものだと感慨深い気持ちになった。

 Spotifyの配信レゾリューションは現在のところ、ロッシー品質の320kbpsだが、今年後半にロスレス品質となる「Spotify HiFi」も予定されており、日本対応も待たれている状況だ。その際には、サウンドジェニックでSpotify HiFiが楽しめるようになることを期待したい。

This article is a sponsored article by
''.