宏洋がおよそ4年の歳月をかけて完成させたアクション・エンターテイメント作『グレーゾーン』が、いよいよ6月4日(金)より上映される。いがみ合う二組の極道家を軸に、予測不能な展開と激しいアクションで進んでいく注目作だ。ここでは、黒崎家の次女・美鈴を演じたマルチタレント青山ひかるにインタビューした。
――出演おめでとうございます。まずは決まった時のことを教えてください。
ありがとうございます。宏洋さんから直接オファーをいただいて、出演が決まりました。嬉しかったですね。黒崎美鈴は結構、目立つ役なので、ずっと配役で悩んでいらっしゃったみたいなんです。服装も髪型も独特なので、それに負けないというか、それらを引き立たせつつ、演技歴のある役者さんを、ということで選んでいただいたみたいで、それを聞かされた時は、ちょっと天狗になりかけました(笑)。それに、美鈴のファッション=ロリータ服も着てみたかったので、それも嬉しかったです。
――常に、推しの人形も持っていました(笑)。
宏洋さんからは、思い入れのあるキャラを選んでほしいと言われたので、本当に好きなキャラに似せて作ってもらいました(笑)。小道具なので返却しちゃいましたけど、自宅に持って帰りたかったですね。
――さて、演じられた美鈴の印象は?
台本を読んだ最初の印象は、めちゃくちゃ喜怒哀楽が激しいなというものでした。加えて口も悪いなーと。でも、それは性格が悪いのではなく、強がりからくるものなんだということに気付いたので、裏表のない素直な女の子をイメージしながら演じるようにしました。そうした部分には共感も持てたので、ちょっと昔の自分を思い出しながら、自分の中にある少し強めな部分を出すようにもしました。
――やっていて楽しかった?
感情の振り幅がすごくあったので、めちゃくちゃ楽しかったです。さらに、自分と重なる部分もあったので、ちょっぴり青山ひかるが増強される感じもあって(笑)、とても演じやすかったです。宏洋さんからは“自由にやっていいよ”と言われていたので、もう思い通りというか、自由に動き回っていました。
――登場シーンから度肝を抜かれました(笑)。
ねっ! 衣装だけではなくて、なぜソコで? という世界観も独特で、ちょっと不思議な感覚になりますよね。
――美鈴自身も、西原愛夏さん演じる一葉と同じく、アクションをしていました。
あの衣装でアクション? ですから、やっていて面白かったですね。ただ、走るキャラではないなと思ったので、ゆっくりと優雅に歩いていたら監督から、「もうちょっと速く歩いて」って言われてしまいました。序盤の撮影だったので、記憶に強く残っていますよ
――今回は、同じグラビアアイドルの西原愛夏さんと共演しています。
西原さんって、結構穏やかな雰囲気なので、役とは正反対だなーと思いながら見ていましたけど、しっかりとキリっとした演技をされていたのが印象的でした。もう、心の中で“頑張れ”とエールを送っていました(笑)。
――配役が逆でも面白そうですね。
愛夏さんの“じゃかましい”も聞いてみたかったですね。まあ、愛夏さんの演じた一葉はクールなキャラクターで、見ていて、かっこいいなー、やってみたいなーと思ったので、今後機会があれば、そうした役柄にもチャレンジしてみたいです。
――さて、黒崎家の3姉弟は宏洋さん演じる灰原龍と急速に親密になっていきます。
使用人として、クソムシとか言いながらヒドイ扱いをしていたのに、面白いですよね。でも、美鈴自身は口が悪くて姉や兄ともいがみ合っていますけど、きちんとお姉、お兄って呼んでいるところを見ると、そこはちゃんとしているし、家族や人とのつながりを大事にしたいと思っているのがすごく分かったので、灰原と親密になっていくのも、理解できるなと思いました。
――美鈴は事業として、アイドルやキャバクラを運営していて、かなりしっかりとしたライブシーンもありました。
ライブシーンは、ELECTRIC JELLYFISH(エレクトリック・ジェリーフィッシュ)さんにお願いしていて、何度も角度を変えて撮影をする必要があって、その間――1時間ぐらい――ずっと全力で踊っているんですよ。そんな中に、最後の最後で私(美鈴)が“行くぞー”って言いながら登場するんですけど、いいところを全部持って行ってしまっているようで、ちょっと申し訳なかったです。
――一方で、キャバクラでは灰原に、普段見せない弱みも出してしまいました。
灰原って、美鈴がずっと葛藤してきたことをさらっと“そのままでいいですよ”なーんて言ってくれるし、きちんと理解もしてくれるので、そういう相手と初めて巡り逢って、心を鷲掴みにされたんだろうなって思います。“あなたなら分かってくれるのかな”とか、結構、コロッとほだされていますから(笑)。
そうそう、そこは肩や太ももを大きく出した衣装で、グラドル青山ひかるの見せ場でもあるので、お見逃しなく!
――ラストの大乱闘シーンも楽しめました。
そこは、美鈴の武器もすごいことになっていて、完成した映像を観てその迫力にびっくりしましたもん。注目してほしいです。背景のセットなんかも、美術さんが頑張ってリアルなものを作ってくれているので、併せてチェックしてほしいですね。
――いろいろな伏線を残しつつ(笑)、続編ができそうなラストでした。
期待していますよ。龍と一葉がどうなるのかも気になりますし、そこに美鈴が割って入るのかなとか思ったりして。ただ、タイトルにもなっているグレーゾーンをクリアして、白黒はっきりとして、まっとうに生きていくぞという気持ちになりましたので、いい感じで終われてよかったなと思います。
――では、最後に読者へのメッセージをお願いします。
上映できることが何よりうれしいですし、コロナ禍の中、見に来てくださるお客さんには本当に感謝しかありません。ストーリーはシンプルで、見てもらえればすぐに理解できますし、大笑いできますので、観終わって、楽しく生きようって、前向きになれると思います。よろしくお願いします。
映画『グレーゾーン』
6月4日(金)よりシネマハウス大塚ほかにてロードショー
<キャスト>
宏洋 西原愛夏 青山ひかる 黒条奏斗 和田奈々 浪花ゆうじ 絹張慶 仁科克基(特別出演) 中村ゆうじ
<スタッフ>
監督・脚本:宏洋
主題歌:「灰色の空」(作詞:宏洋 作曲・歌唱:ウタエル)
配給協力:アイエス・フィールド
製作・配給:宏洋企画室
2020年/日本/カラー/100分/ビスタサイズ/5.1ch
(C)2020 宏洋企画室
公式サイト:http://www.is-field.com/g-zone/
公式ツイッター:https://twitter.com/grey_zone_movie
■あらすじ
関東に君臨する極道、黒崎家と白川家。彼らは長い間、敵対しており、今なお激しい抗争が絶えなかった。そんな中、黒崎家の当主・黒崎弦信が暗殺された。刑事が密かに容疑者とみなしたのは、黒崎家の後継者争いをしていた弦信の三人の子どもたち。黒崎家に拾われて使用人として働く灰原龍は、刑事の依頼で三人の情報収集をし始める。だが、その事件の裏には、世代を超えて家族が抱える深い闇と秘密が潜んでいた・・・。
青山ひかる(Hikaru Aoyama)プロフィール
1993年6月13日生まれ。長崎県出身。
2016年、日本テレビ「有吉反省会」に“お尻が汚いグラビアアイドル”として出演し、大きな反響を得る。2019年、『映画版 ふたりエッチ ~ラブ・アゲイン~』及び『映画版 ふたりエッチ ~ダブル・ラブ~』で主演。“Iカップの野生児猫娘”として、TV、雑誌のほか、ユニット「sherbet」のメンバーとしても活躍。
https://twitter.com/hikaru06kon
ヘアメイク:伊藤里香