監督の作家性を重視し、後世に残る作品を作ることを目的に設立された新映画レーベル<Cinema Lab(シネマラボ)>。その第一弾作となるのは、『踊る大捜査線』シリーズなど数々のヒットを飛ばしている本広克行監督がメガホンを執った『ビューティフルドリーマー』。かねてよりの念願だった押井守監督とタッグを組み(押井監督は原案)、大学の映画研究会を舞台に、個性的なメンバーが繰り広げる初々しい青春群像劇に仕上がった。

画像1: 新映画レーベル<Cinema Lab>第一弾作『ビューティフルドリーマー』がいよいよ11月6日に公開。主演・小川紗良は「映研メンバーの楽しそうな雰囲気を味わってください」

 主演には、学生時代に映画サークルの経験もあり、来春には初の長編映画監督作の公開を控える小川紗良を迎え、映画作りにかける熱意を奔放に発揮。映研メンバーが撮影する劇中劇のヒロインカーチャ役には“日本一かわいい女子高生”こと福田愛依を起用し、往年の人気キャラを想起させる好演を引き出した。また、押井作品になくてはならない“アレ”を引き連れて登場するのは、元自衛官でコスプレイヤーとしても活躍しているかざり。ここでは、小川、福田、かざりの3人に作品の魅力を聞いた。

画像2: 新映画レーベル<Cinema Lab>第一弾作『ビューティフルドリーマー』がいよいよ11月6日に公開。主演・小川紗良は「映研メンバーの楽しそうな雰囲気を味わってください」

――いよいよ公開が迫ってきました。今の心境をお願いします。
小川紗良 撮影していたのは昨年の6月で、もちろんコロナはありませんでしたから、狭い部室に映研メンバー6名が集まってわちゃわちゃしていたのが思い出されますね。コロナ禍を経た今それを観ると、楽しそうだし、いいなぁという気持ちになれたので、劇場でご覧いただく皆さんにも、その気持ちを共有していただけたらうれしいです。

福田愛依 今、ツイッターで公開までのカウントダウンをしているんです。(公開まで)あと1週間(取材時)なんだなぁ~という実感と同時に、公開を迎えるドキドキとワクワクがあります。

かざり SNS上でも盛り上がっている時期だと思うので、この盛り上がりのまま上映が始まって、ご覧になった皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいです。

――皆さんが演じられた役の感想や役づくりの工夫・苦労などを教えてください。
小川 今回は台本という台本がなくて、物語の骨組みを元に、みんなで即興芝居(エチュード)をしていたのが、たいへんと言えばたいへんでしたね。最初に企画のお話をいただいた時は、先の見えないドキドキ感が大きかったです。

 そうした状況の中で、初めましてのキャストのみなさんと稽古を重ねていくので、テンポ感や間の取り方がなかなか掴めなくて、苦労しました。ただ、映研メンバーの6人はすぐに仲良くなっていったので、そこで醸成されたチームワークによって、産みの苦労を乗り越えられたのかなって思います。

――冒頭、斎藤工さんとのシーンは探り探りな雰囲気も強く感じられました。
小川 そのシーンはリハなしの、いきなり本番だったんです。しかも、クランクインしてはじめの方の撮影でしたから、映研メンバーのチームワークもまだそこまで完成していなかったですし、エチュードも試し試しの部分があったからなのかなと思います。しかし、逆にそれが初々しさにつながっているのかなと感じています。

――福田さんは本人役と劇中劇のカーチャ役の、ある意味一人二役ですね。
福田 そうなんです。本広監督には、「そのままの愛依ちゃんでいいよ」っていう言葉をいただいたので、私らしく元気いっぱいで、女子高校生らしさも感じてもらえるように演じさせていただきました。私が現場に合流した時には、映研メンバーのみなさんの世界観はもう出来上がっていたので、本当にオーディションを受けている感覚になりましたね。すごく温かい現場で、とにかく楽しかったのは覚えています。

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――劇中劇で演じたカーチャは「宇宙人」という設定ですが、宇宙人感はどのように表現したのでしょう?
福田 とくに宇宙人ということは意識しませんでした(笑)。ただ、監督でもあるサラ(小川)との稽古シーンで、九州出身だから九州弁を使ってみようかという演技指導を受けて、語尾に「だっちゃ」って付けるようにしました。

――かざりさんは、完全に本人役ですね。
かざり そのまんまの自分を表現させていただきました。映画に出演させていただくのも、お芝居も初めてでしたので、正直、自衛隊の訓練よりめちゃくちゃ緊張しましたね。でも、スタッフや共演の皆さんが本当に優しく接してくださったので、とても楽しい撮影になりました。

――初芝居への意気込みはどうでしたか?
かざり 本広監督は、「ナチュラルなかざりでいいから」「元自衛官のかざりでいいから」と仰っていたので、その通りにしようと思って、(それを)ちょっと強めに出すようにしました。というのも、戦車と一緒に登場しますから(笑)、声を張らないと何を言っているのかまったく聞こえなくなってしまうんです。とにかく声だけはしっかりと出そうと思って、取り組みました。

――ところで、かざりさんはこの役でオーディションを受けたのですか?
かざり 実は違うんです。元々はカーチャ役のオーディションを受けに来たんですけど、自分の順番が来たら、ウィッグ(カーチャ役のオーディションでは、劇中と同じ青髪のウィッグを着けて行なったそう)を着けなくていいよと言われて……。オーディションに送った宣材写真が、今着ている衣装でしたから、監督がそれを気に入ってくださったようで、「その衣装で来て」と仰ってくれました。(オーディションに)モデルガンを持って行ったのも効いているかもしれません(笑)。戦車と一緒に出てくる役なので、迷彩デザインの衣装も、分かりやすくていいかなって思いました。そうそう、この衣装、私物なんです(笑)。

――小川さんは来春には長編映画監督デビュー作が公開されますが、現場で本広監督から学んだことはありますか?
小川 本広監督は、お芝居を演出するというより、誰と誰を掛け合わせるかとか、場(シーン)をどうやって作っていくかという、演出のもっと手前の部分にかなり力を入れている方なんだなという印象を受けました。だから、本作のように多彩な方がキャスティングされているのだと思いましたし、お芝居は(自分が選んだ)演者にまかせて、(監督は)場をしっかり作る。そういう心構えもあるんだって感じました。

 それから、細かいところではお弁当がめちゃくちゃ豪華だったんです。現場の意識を高めることにも、すごいこだわりをお持ちなんだなって思いました。

――次の監督作では、お弁当を豪華にしますか?
小川 こちらがびっくりするぐらい豪華でしたから(笑)、たまにそういうのも織り交ぜつつ、普段は美味しくいただければいいかなと思います。

――ちなみに、劇中劇の世界観はすんなり理解できましたか?
小川 おそらく私と同世代や下の世代の方々には、懐かしさというよりも、斬新さのほうを感じるんじゃないでしょうか。世代による見方の違いも面白いなと思いますし、かなり実験的なストーリーなので、私もどうなっていくんだろうって、楽しんでいました。

――ところで、劇中劇はどこかで完成するのでしょうか?
小川 さぁどうでしょう(笑)。観たくなりますよね。本編を最後までじっくりと観ていただくと、もうちょっと楽しめると思います。

――本作は、新レーベル<シネマラボ>の第一弾作品です。小川さんは、今後同レーベルに監督として参加してみたいですか?
小川 機会があれば挑戦してみたいです。シネマラボが若い世代の監督とか女性監督にも届く企画になると良いなと思います。

画像8: 新映画レーベル<Cinema Lab>第一弾作『ビューティフルドリーマー』がいよいよ11月6日に公開。主演・小川紗良は「映研メンバーの楽しそうな雰囲気を味わってください」

――さて、かざりさんは気になったシーンや、出てみたいなと思ったところはありましたか?
かざり やはり、小川さんと福田さんのお二人と共演してみたかったですね。モリタ(森田甘路)さんと戦車としか絡んでいないので(笑)、もっとたくさんの方と共演して、エチュードにも挑戦してみたかったです。

――サラ、リコ、シエリの恋バナのシーンとか?
かざり かわいかったですよね。でも元自衛官なので、「告白は真っすぐにいった方がいいよ」ってストレートなアドバイスをしそうですけどね。うわぁーやってみたかったです。

――福田さんはいかがでしょう?
福田 私は、映研メンバーが映画を作り始めるところから一緒にいたかったなぁーって思いますよ。シンプルに(映研に)入りたいって思いましたもん。

――最初からウィッグを着けて(笑)。
福田 実は、オーディションの時からウィッグを着けると聞いていたので、とっても楽しみだったんです。おかげで、緊張することもなくオーディションを終えることができました! そうしたら合格もいただけて! そのお知らせを聞いた時は、嬉しくて嬉しくて飛び跳ねていました。

映画『ビューティフルドリーマー』

11月6日(金)、テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほかにて全国順次公開!

<キャスト>
小川紗良、藤谷理子、神尾楓珠、内田倭史、ヒロシエリ、森田甘路、斎藤工、秋元才加、伊織もえ、升毅、かざり、福田愛依 ほか

<スタッフ>
監督:本広克行 原案:押井守『夢みる人』 脚本:守口悠介
音楽:菅野祐悟 制作プロダクション:LSD 配給:エイベックス・ピクチャーズ
製作:映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会
(C)2020映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会

公式サイト:https://beautifuldreamer-movie.jp/movietop/
小川紗良 http://www.hirata-office.jp/talent_profile/woman/sara_ogawa.html
福田愛依 https://avex-management.jp/artists/actor/fukudamei
かざり https://kazariproject.com/

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