九州女子翼／東京定期で新曲披露。前回を大幅にアップデートする、圧倒的な進化を果たしたパフォーマンスで会場のオーディエンスを熱狂させた

2019-04-30

　九州を拠点に活動している5人組のガールズグループ・九州女子翼が4月28日、秋葉原のAKIBAカルチャーズ劇場で、定期公演「第十六片 in TOKYO」を開催した。

　今回の定期は平成最後であり、前回の定期（残念ながら取材できず）で決まった延長の第一回公演となるものだ。

　構成は、いつも通りの三幕式だが、一幕のカバーコーナーからもう、歌唱力が大幅にアップしていることに強く驚かされた。記者にとっては、3月の定期が未見なため、実質2月以来の定期となるのだが、メンバー個々のパフォーマンスの向上が如実に感じ取れるだけでなく、斉唱した際の厚みまでもが、各段の向上を果たしているのだ。

　一幕カバーコーナーでは、今回は瑠菜がトップバッターを務めたが、今回はいつもからは一転、かわいらしいというか等身大の曲の選択によって、より一層彼女の持つ魅力が引き出されたかっこうだ。

　続く、実玖と香苗は、同じ曲のバージョン（雰囲気）違いという演出だが、実玖は20歳を迎えてあふれ出してくるセクシーさを前面に出した歌唱を。香苗は、ハイトーンボイスに磨きをかけたキュートさをより強く感じられるものになっていた。実玖は歌い方も変えているようで、少し低域に留意した、太い声をだしているように聞こえた。香苗は脳天直撃ボイスを、最近流行りの耳がピコピコ動くかぶりものも使って、披露していた。

　そしてさらに驚いたのは、次の詩絵里。明らかに歌い方が変わり、どちらかと言えば低域に重心のある声質を、意図的に高域よりにシフトしており、そこにスィーティな雰囲気もブレンドされるなど、筆者が未見だったわずか2カ月の間に、抜群の進化を果たしていた。加えて、髪型も大人っぽくなり、その存在はもう峰不二子（笑）。女子翼のママから、皇女とも形容できる厳粛で、高貴で、神々しい雰囲気を身にまとっていた。

　トリは、中学五年生に無事進級した愛理。愛理にも驚かされた。今回はパフォーマンスを封印し、持てる力をすべて歌唱に投入した結果だろうか、歌のパフォーマンスが格段に上達しており、昨年TIFのステージで涙を飲んだ、歌詞の情感の再現は、圧倒的な領域に踏み込んできた印象だ。時折泣いているの？　と感じるのほどに魂が振動しているのが感じ取れた。

　そして、最後はみんな揃っての「ぎゅっと手を繋いで」なのだが、個々のパフォーマンスアップが、揃っての斉唱にも大きな効果を発揮しており、厚みの増した見事な歌声が堪能できたステージだった。