2021年12月29日~30日、『ラブライブ!サンシャイン!! 』のスクールアイドルグループAqoursが、神奈川県横浜市のぴあアリーナMMで、有観客ライブ「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours EXTRA LoveLive! ~DREAMY CONCERT 2021~」を開催した。ここでは、30日(Day.2)の模様をお届けする。

 まばゆいライトがステージを覆い、Aqoursのメンバーを紹介するムービーが流れる。Aqoursを演じるのは伊波杏樹(高海千歌役)、逢田梨香子(桜内梨子役)、諏訪ななか(松浦果南役)、小宮有紗(黒澤ダイヤ役)、斉藤朱夏(渡辺 曜役)、小林愛香(津島善子役)、高槻かなこ(国木田花丸役)、鈴木愛奈(小原鞠莉役)、降幡 愛(黒澤ルビィ役)の9人。2015年のプロジェクト始動から、これまで数多くのライブをこなしてきた。しかし、コロナ禍がAqoursの活動に影を落とす。度重なる緊急事態宣言を受け、2019年6月の5thライブを最後に予定されていた有観客での単独ライブは中止を余儀なくされた。

 そして、2021年12月29日と30日。約2年半振りに開催された単独ライブ今回だ。会場に集まった観客もキャストたちも、万感の思いでこの日を迎えたに違いない。そんなことを考えているとステージに9人が登場、オープニングナンバーは「smile smile ship Start!」だ。約2年半ぶりに目の当たりにするパフォーマンスは、ステージが狭く感じられるほど躍動感に溢れており、全身で喜びを表現しているかのよう。

 そのまま、2曲目の「Wake up, Challenger!!」、3曲目「Dance with Minotaurus」とアップテンポなナンバーが続く。これまでの鬱憤を晴らすような、セットリストに会場も熱気に包まれる。

 MCでも2年半ぶりの有観客ライブということもあってか、9人の興奮は覚めやらぬ様子。今回のライブ、観客は声を出さずに応援するルールとなっており、コール&レスポンスでのお決まりのやり取りはお預け。だが、拍手やペンライトで盛り上げられる内容となり、観客とキャストとの双方向性は損なわれていない。

 メンバー紹介で印象的だったのは、高槻かなこのシーン。休養から復帰した彼女を、会場のファンも他のメンバーも一緒になって暖かく迎えていた。ひとしきりトークを終え、新衣装のお披露目が済んだところで、再びライブパートへ。4曲目の「JIMO-AI Dash!」、5曲目「冒険Type A, B, C!!」と、ここでもテンションが上がる曲が続く。

 幕間映像を挟み、衣装をチェンジしたAqoursが登場し、彼女たちの活動を象徴するナンバー「青空Jumping Heart」を熱唱。この曲はTVアニメ1期のオープニングテーマなのだが、メインステージのスクリーンにはその映像が流れ、キャストのパフォーマンスとシンクロする。この一体感を楽しむという、ラブライブ!シリーズの醍醐味を久しぶりに味わえ、取材を忘れて胸がいっぱいになった。

 続く「ハミングフレンド」は青空Jumping Heartのカップリングで、メロディーが美しいミドルテンポのナンバー。前半はアニメ映像とシンクロし、後半はトロッコでアリーナを周るパフォーマンス。曲の最後では3台のトロッコがメインステージの反対側で一つにつながり、小さなステージを作った。

 8曲目「Pops heartで踊るんだもん!」はトロッコステージでスタート。曲の途中で再びトロッコが3台に分かれて会場を回る。観客との距離も近く、一体感がいっそう強くなる。終盤、9人はトロッコでメインステージに戻りこの曲を締めくくった。

 ミニMCを挟み、9曲目は切ない恋心を歌った「待ってて愛のうた」。ハイテンションなナンバーが続く今回のライブだが、ここでいったんクールダウン。メロウな曲調に会場がしっとりとした雰囲気に包まれた。

 10曲目の「恋になりたいAQUARIUM」もスクリーンにアニメ映像が映され、キャストとのシンクロを楽しんだ。ここで再び幕間映像へ。

 映像が終わると濃い青色のライトが神秘的にステージを包み、11曲目の「Fantastic Departure!」が始まる。EDM調の楽曲で、ズンズンと体に響く4つ打ちの低音がクセになる。

 曲が終わると今度は赤いライトがステージを覆う。続く曲はAqoursのナンバーの中では珍しいハードロック調の「Deep Resonance」だ。ダンスも歌も激しく、熱のこもったパフォーマンスを繰り広げ、それをリアルな炎の演出がいっそう盛り上げる。

 曲が終わると暗転し、3度目のMCへ。冒頭、Deep Resonanceでセンターを務めた小林愛香が、ヨハネ(島津善子)の口調で小宮有紗(黒澤ダイヤ)と掛け合いつつ、楽曲を紹介。会話しながらライブグッズのタオルを手にした9人が揃ったところで、次の曲「Jump up HIGH!!」へ。サビでは踊りながらタオルを広げたり、振り回したりして交錯する。最後は全員でタオルを広げてポージングし曲を締めた。

 ラストの14曲目は「心の羽よ君へ飛んでけ!」。歌詞の中に度々出てくる「心の羽根は希望」「心の羽根は自由」というフレーズが、コロナ禍であっても前を向いて飛び続けるAqoursの姿と重なる。そんな想いを抱きつつ、聴き入ってしまった。

 終演後も拍手は止まない。数分したところで、幕間映像が流れ白とブルーのグラデーションが目を引く衣装でAqoursが登場。「DREAMY COLOR」からアンコールがスタートした。

 曲が終わったところで、MCに移ったのだが、ここでは初音ミクとのアーティストコラボが決定したことなどが告知された。また、2か所のドームで開催する「Aqours 6thライブ」のキービジュアルも公開。ファンにとって2022年も、Aqoursの活動から目が離せない1年となりそうだ。

 MC後半では、2年半の想いが語られた。その中には、ファンへの感謝やライブが出来たことに対する気持ち、6thライブへの意気込みなど、様々な言葉が挙がっていた。

 ラストは、「勇気はどこに?君の胸に!」と「Future flight」を熱演。歌い終え、「本当にありがとうございました!」と感謝の気持ちをファンに伝えながら一礼したところでライブは終幕した。今回のライブは、ユニット曲がない、9人で歌う曲だけで構成されていた。これこそ、2年半のブランクを乗り越えた、9人の姿を目に焼き付けてほしいという、ファンへのメッセージに思えてならない。

【セットリスト】
 01. smile smile ship Start!
 02. Wake up, Challenger!!
 03. Dance with Minotaurus
 04. JIMO-AI Dash!
 05. 冒険Type A, B, C!!
 06. 青空Jumping Heart
 07. ハミングフレンド
 08. Pops heartで踊るんだもん!
 09. 待ってて愛のうた
 10. 恋になりたいAQUARIUM
 11. Fantastic Departure!
 12. Deep Resonance
 13. Jump up HIGH!!
 14. 心の羽よ君へ飛んでけ!
 
 -ENCORE-
 EN1. DREAMY COLOR
 EN2. 勇気はどこに?君の胸に!
 EN3. Future flight

テキスト:草野晃輔

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