本日11月14日、渋谷にあるユーロスペースにて映画『音響ハウス Melody-Go-Round』初日舞台挨拶が行なわれました。主題歌「Melody-Go-Round」ボーカル・HANAさん、作曲・編曲を担当した佐橋佳幸、レコーディングエンジニアであり本作はこの方なしにはできなかったであろう飯尾芳史、そして相原裕美監督と音響ハウスの代表・本作エグゼブティブプロデューサーの高根護康が登壇しました。
本作が製作された経緯について聞かれると高根さんは「最初はスタジオのアピールできるものがなにかできないかな、と思ったのがきっかけでした。映画を作ろうなんて大層なことは全く考えず、若い人たちに向けたリクルートビデオみたいなコンテンツを作ろうと。相原監督にも相談していたらあれよあれよと月日も重なり、このような映画が出来上がってしまいました。」と誰もが知っている名曲が生まれたスタジオが銀座にあったこと、また45年の歳月と愛されつづける音響ハウスだからこそ、音響ハウスも予想だにしなかった今作の誕生について述べました。
また、本作に出演するアーティスト、エンジニアをはじめ音響ハウススタッフなどキャスティングについて聞かれると相原監督は「もともと音響ハウスを使用していたアーティストの方々を紹介いただいたんですけど、これだけ素晴らしい人たちが実際に出演してくださって、やっぱりとてつもないスタジオだなと思いました」とお話し下さり、続けて映画にも登場するメンテナンスエンジニアとして45年間音響ハウスに勤める遠藤誠さんについて「最初は遠藤さんを取り上げようとしたんです。音楽業界って一見派手に見えるんですが、実は裏方としてたくさんの方々の技術を支えてできている仕事ということをわかって欲しくて彼を映画の一番最初に登場させたんです」とこの映画の誕生秘話をお話しくださいました。
また、映画内で作成された主題歌「Melody-Go-Round」について、作曲した佐橋さんは「今日ここにいる飯尾さん、そして高根さん、監督と打ち合わせをしていて、スタジオを主人公にした映画ということ自体がとても珍しいものだし面白いと思いました。海外にはそういった映画がいくつかありますが、現存している、今でも稼働している音楽スタジオドキュメンタリーってなかなかなくて。このスタジオの歴史とたくさんのアーティスト、先輩方のエピソードを映画の中で取り上げるというお話を聞いて、だったら現在進行形のものを何かやれたらいいね。ってなって主題歌をつくってそのレコーディング風景も撮ろうとなって、その話を4人でしている時にもう頭に曲が思いついちゃって、なので僕はさっさとその日、家へ帰ってデモテープを作ったんです。それで、その日のうちにみなさんに送って」と、まるで主題歌の作詞をした大貫妙子さんの詞にもあるキラキラと音符が降ってきたかのようなエピソードもお話しくださいました。
またレコーディングエンジニアとして今回参加していた飯尾さんは主題歌を作るにあたってアーティストのみなさんが飯尾さんに意見を求めてきたことに対し「高橋幸宏さんに関しては困ったら“飯尾くん”って聞いてきていました。関係性も長いので二人の間柄で困ったら僕に聞いてくるから僕も鍛えられて、なので敬幸宏さんのおかげなんです。今のエンジニアと言う仕事にプラスアルファーでできることになったと思います」というお話に続いて佐橋さんが「なかなかないですよ。二人の信頼関係と環境があってできていることだと思う」とずっと共にしてきているからこそ見えてくる意見を言い合ったり、ときには冗談を言ったりと仲の良さが伺えるエピソードで盛り上がりも見せた。
HANAさんは大先輩たちに囲まれ緊張しながらの今回主題歌を披露したことについて「最初は緊張したんですが、すごく素晴らしい人たちに囲まれながら今回歌を歌うことができたのでとてもいい勉強になりました」とお話も。それを受け佐橋さんは「飯尾さんからHANAさんを紹介してもらったんですが、彼女の声がなかったらこういう風にはならなかった。HANAさんの声があったからこそ大貫さんの歌詞も生まれた」と透き通った歌声に対し、絶賛の声をあげました。
また、舞台挨拶内では今日の初日のために収録下さった「Melody-Go-Round」アコースティック・ヴァージョンを上映する一場面も。場内は拍手で盛り上がり佐橋さんからは「ここでね、本当は演奏したかったんだけどね。本当にこの作品に関われたことを嬉しく思います。出来上がった作品を拝見して思ったのが四十数年、インディペンデントとして営業をして未だに愛されている音響ハウス。僕自身も一番通っているスタジオなんですけど、老舗料理店の厨房を覗いちゃったような映画だなって思うんです。そういうところが音楽ファンのみならず、みなさんに楽しんでいただけるところじゃないかなと思うので、ぜひ風潮拡散をよろしくお願いします」と、そして監督からは「映画っていうのはみなさんに観ていただいて初めて成立すると思っているので広げていただけたらと思います。」と、挨拶をし、場内はとても穏やかに温かい気持ちで舞台挨拶は終了いたしました。
映画『音響ハウス Melody-Go-Round』
11月14日(土)ユーロスペースほか全国順次公開
(C)2019 株式会社 音響ハウス
公式サイト https://onkiohaus-movie.jp/
公開記念トークイベント続々開催決定!
■銀座 蔦屋書店【日程:11月23 日(月・祝) 20:00~】
ゲスト:オカモトコウキ(OKAMOTO'S)、佐橋佳幸(ギタリスト)MC:萩原健太(音楽評論家)
東京都中央区銀座6丁目10-1, GINZA SIX6階(03-3575-7755)
詳細はこちら⇒https://manage.store.tsite.jp/ginza/event/art/16750-1541441028.html
■LOFT9【日程:11月27 日(金) 19:00~】
ゲスト:岩井俊二(作曲家)、相原裕美(本作監督)
東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS1F(03-5784-1239)
LOFT9ではコラボドリンクキャンペーンも↓
※イベント詳細はSNS,公式HPをご確認ください※
公式サイト:onkiohaus-movie.jp [2019年/日本/カラー/ビスタ/Digital/5.1ch/99分]
本作のために結成されたバンド「HANA with 銀音堂」による主題歌「Melody-Go-Round」
イレゾ及びサブスクキャリアにて本日、映画公開とともに配信スタート!
HANA with 銀音堂とは、ギタリストの佐橋佳幸とエンジニアの飯尾芳史が中心となり、銀座のレコーディングスタジオ「音響ハウス」をこよなく愛する音楽家たちのスペシャルユニット。映画『音響ハウス Melody-Go-Round』によって結成された。
(HANA with 銀音堂)
Vocal HANA
Drums 高橋幸宏
Guitar 佐橋佳幸
Keyboard 井上鑑
Other Instruments 飯尾芳史
(ゲスト ミュージシャン)
Violin 葉加瀬太郎
Trombone 村田陽一
Trumpet 西村浩二
Alto Sax 本田雅人
Tenor Sax 山本拓夫
Chorus 大貫妙子
Producers 飯尾芳史・佐橋