4月6日、東京・新宿MARZでミライスカートバンド初の東京ワンマン公演「ミライスカートバンドワンマンライブ in マーズ Supported by 田中食品株式会社」が開催された。メンバーはコーラスのアサヨ(Ribet towns)、ベースの氏家拓人(OUTATBERO)、ギターのびんご(OUTATBERO)、ドラムスのSEI NAGAHATA(NUITO)、そしてリード・ヴォーカルの児島真理奈(ミライスカート)。“ミライスカートとそのバックバンドではなく、5人でミライスカートバンドというひとつのチーム”という児島の言葉通りの、メンバーが一体となった快いステージで魅了した。
オープニングからバンド・リーダーを務めるびんごのリッケンバッカー・ギターがうなり、SEIが爆裂するようなドラム・ソロを聴かせる。やがて登場した児島真理奈は、公演スポンサーである田中食品の人気ふりかけ「旅行の友」にも通じる紺・黄・緑・赤をちりばめたドレスで魅せる(彼女は田中食品の「ふりかけ大使」なのだ)。
1曲目は、なんと「ギ・ミ・ユ・ラ」。ちょっと渋めの選曲に、ファンが大いに沸く。氏家が「グリーン・オニオンズ」(Booker T & The MG's)ばりのリフをベース・ラインに盛り込み、児島のノリもオケ(事前に用意された音源)で歌っている時よりファンキー度倍増だ。ミラスカが4人の頃は難なくできていたが、ひとりになってからは不可能と言ってよかった“追っかけ”の歌唱も、アサヨを迎えたことで再び難なく、しかもハイレベルな形でできるようになった。この曲に限らず、アサヨの貢献には目と耳を見張るばかり。児島との息の合った、美しいハモリには何度も鳥肌が立った。今度はRibet townsのライヴも見なければ、と強く心に刻んだ。
「千年少女~Tin Ton de Schon~」がさらに、大迫力だった。児島はつねづね「ファンのみんなも含めてミライスカートなんだ」と語っているが、この日のファンの声援、拍手、コール、落ちサビでのケチャはまさしくそれを裏付けるもの。また「コ・イ・ハ・カ・プ・チ・ー・ノ」では再びSEIのドラムが炸裂。この輝かしい叩きっぷりを、ぜひリチャード・スぺイヴンやルイス・コールに聴いてほしいと思ったのは僕だけではないはずだ。
とにかく皆、大変な熱演だ。とくにSEIは相当、体力を使いおなかが減ったのではないだろうか。そこでMCコーナーの間、お米を食べることにした。しかし、おかずがない。そうしたらあら不思議、児島のそばにあるモニタースピーカーのところに「旅行の友」があるではないか! やさしい児島はさっそくSEIのごはんに「旅行の友」をかける。おいしそうに食べるSEIを見ていた他のバンド・メンバーもおなかが空いてきたらしく、ここでメンバーは食事タイムのため楽屋に戻り、児島ひとりがオケでパフォーマンスするコーナーへ。歌うのはもちろん、最新ナンバー「旅行の友」だ。ふりかけをパラパラかけることにちなんだのか、ダンスにはパラパラの要素も取り入れられている。ファンは思い思いに「旅行の友」を掲げ、マラカスのように振ってリズムを合わせた。
バンド・メンバーが戻ってきてからは、しっとりした楽曲「Melody」、「ハナビ」をバンドで初披露。「Mirror Ball」ではタイトル通り、ミラーボールがクルクルと回って効果をあげた。「ミーゴ!ゴミーゴ!」と「COSMOsSPLASH」(ここでもアサヨのサイド・ヴォーカルが輝いていた)で本編を終えた後、アンコールではオケ伴奏の「Beautiful Days」、さらに5人で「ナモナイオト」を披露。最後はロック・コンサートでよくあるように全員がステージ前方に登場し、手をつないで腕をそのまま上にあげてファンの声援にこたえた。
またこの日、新たな情報も発表された。5月18日と19日にミライスカートとYes Happy!の合同慰安旅行を開催(児島エンターテインメント&mikeneko records、場所は後日発表)。さらに6月29日には京都MUSEでミラスカ主催イベントが開催される。昼の部は未来フェス、夜の部はYes Happy!とミライスカートバンドの2マンライヴになるという。アイドル、テクノ、ポスト・ロック、インディー・ロックの壁を破りながら、ミライスカートバンドは前進を続けていくことだろう。
ミライスカート http://www.miraiskirt.com/
児島真理奈 https://twitter.com/miraiskirt_mk