アイドルの夏は、そしてアイドル・ファンの夏は永遠に続く。
 そんなエンドレス・サマーなイベントが9月8日、9日の二日間にわたって、埼玉県・東武動物公園にて行なわれた。タイトルは「ノタFES2018」、当コーナーですっかりおなじみの4人組グループ、notall(ノタル)主催のイベントである。グループ結成4周年を記念して自らが企画・主催、幅広い交友関係を示すように総勢50組ものグループが集結。各日8時間もの盛りだくさんな内容があっという間に過ぎる、すごく楽しいフェスとなった。

 初日はこちらにレポートが掲載されているので(https://online.stereosound.co.jp/idollove/17204309)、ここでは二日目の模様をレポートしたい。天気は快晴、吹き抜ける風が快い。notallは自分たちメインの出番以外にも、さまざまな企画に登場。なかでも聴きどころだったのが、荒牧陽子のステージに合流して歌った「WON'T BE LONG」だった。この曲をぼくは日本が生んだ最高のブラック・ミュージックのひとつと確信しているのだが(もちろんザ・モージョや小月リエや宮本典子もグルーヴ感満点だけど)、notallの4人はタメの利いたビートに見事に乗って、堂々と歌いこなしていた。こういうファンキーな感じやソウルフルなテイストを取り入れたnotallのオリジナル曲も作ってほしいと思った。

 「ジャンクション」というトーク・コーナーでは、notallともゆかりが深いアイドル・ファンにはすっかりおなじみであろう石橋哲也が司会進行を担当。どんなモチーフもキャッチしてすかさず笑いにつなげる巧みさ、それでいて自分が目立ちまくることなくしっかりアイドルを立てるあたり、とても快い。ノタフェスのスペシャル・アドバイザーである矢口真里も“現役アイドルたちのおねえさん格”として堂々たる貫禄。渡邊ちこは矢口のファンで、最初の写真集も持っているのだという。田崎礼奈と、てのひらえるの“一発ギャグ”も場内に笑いの波を起こした。

 こうしたさまざまな登場箇所も嬉しかったが、やはり本領発揮となったのはメインステージ「HOLA STAGE」のラストを飾った約90分のステージ。オープニングから「君にDA-DA-DAN」「We are notall!!!!」「マジ」と勢いのいい楽曲をたたみかけ、ステージの前後左右を動き回って観客を乗せていく。

佐藤遥 4周年記念として「ノタFES」をさせていただいたんですけど、本当にいろんな方に来ていただいてすごく嬉しいです。ご挨拶で代表としてしゃべらせてもらうときに、このグループのリーダーで良かったなって思ったし、みんながいてくれるから誇りを持ってメンバーとしてここに立てています。今日はみんなで楽しんでいきましょう!

渡邊ちこ 本当にたくさんの出演者さんが出てくれて、本当にたくさんのお客さんが来てくれて、夢なんじゃないかなと思ったんですが、いまSEが終わってステージに飛び出して来た瞬間に、本当のこととして実感できました。最後まで楽しんでいきましょう。

田崎礼奈 今日は特別に動物園ヴァージョンで自己紹介したいと思います。りん、りん、りん、きりんです!(ファンに唱和させる) よろしくお願いします。

片瀬成美 notallは今年1年天候に恵まれなくて、野外ライヴは雨ばっかりだったんですよ。でも「ノタFES」だけ7月に戻ったような暑さで、これこそ残暑です。残暑の中来てくれて本当にありがとうございます。平成最後の夏、いい締めにしましょう。

 続いては東武動物公園でのライヴということで、動物にちなんだ楽曲を4連発。「ペンギン人間」と「カピバラ時速50km」では新進グループ“the Firster”(午前の部に登場)のメンバーがペンギンダンサーズやカピバラダンサーズとして登場、視覚的な面白みを加えた。4人がカピバラからニンジンを受け取ると、始まったのは「ウサギツンデレラ」。気鋭のジャズ・サックス奏者としても知られる谷村庸平(先日、ワロップ放送局の番組「4U」で「セント・トーマス」や「ナウズ・ザ・タイム」を演奏したばかり)が書いた楽曲だ。動物コーナーのラストは、牛に寄せるさまざまな思いを綴った「お肉Deナイト☆センセーション」。動物の形をしたサイン入りボールが客席に投げ込まれ、ファンのコールも一層の熱気を増す。

 ここでnotallから新情報が3つ発表された。
1)石ノ森章太郎「サイボーグ009」とのコラボTシャツ発売
2)notall×ジャムフレンド、0円CDリリース決定。「JAM FRIEND~Make you happy~」と「その先へ」の2曲入りで9月15日に配布開始
3)notall×ヴィレッジヴァンガード、新曲入りコラボ商品全国発売決定。メンバープロデュースの商品開発が進行中、解禁日を待て!

 ライヴの後半はバンド系サウンド風の「その先へ」で始まり、「蝉時雨」、「Don’t Give Up!」、「my baby, my lover」、「JUST NOW★」、「#ハッシュタグはつけられない」。巨大風船が宙を舞い、紙テープが噴射され、4人の歌声とファンの歓声が荒々しくとけあう。

 そして、アンコールはまず「きらめけ☆tweet girl!!」を1コーラス分。その後、共演者を次々とステージにあげてトークをし、最後に「きらめけ~」の後半部を披露。渡邊ちこは“ノタFES2019も必ずやりたい”と、早くも意欲を燃やしていたが、その気持ちは他のメンバーもファンも同じに違いない。ノタFES、夏の3大アイドルフェス(アイドル横丁、TIF、@JAM EXPO)に続く新たな波となるか。

notall http://www.notall.jp/
佐藤遥 https://twitter.com/haruka26s
片瀬成美 https://twitter.com/knrmy2
田崎礼奈 https://twitter.com/tasaki0308?lang=ja
渡邊ちこ https://twitter.com/Chiko_1004

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