　8月12日、東京・品川の東京アイドル劇場にミライスカート（昨年7月から児島真理奈のソロ・ユニットとして活動）が初登場した。しかも今回は対バンのいない実質ワンマンだ。ミラスカが出演したのは午後1時半の部と5時半の部（入替制）。ステージはそれぞれ30分ほど、誠実なパフォーマンスで一瞬一秒も見逃せないほどの充足感を与えてくれた。ここでは5時半の部をレポートしたい。

　この日は太陽こそギラギラ照らなかったものの、それでもザ・日本の夏的な高温多湿ぶりは変わらず。夕方になっても、外をちょっと歩くだけで衣服も心もベタッとしてくる。だが主役の児島真理奈は実に爽やか。それをさらに際立たせていたのが、浴衣をイメージした衣装だ。明るくかわいらしいコスチュームと軽やかな歌声が涼を運ぶ。

　本当に久しぶりの東京ワンマン、ひょっとしたら昨年9月のAKIBAカルチャーズ劇場ぶりではないのか。出囃子「overture」の第一音が放たれた途端、関東みらっちょ（ミラスカのファン）は「待ってました！」という声をあげたくなったはずだ。ここに集まったのはミラスカのために来て、ミラスカのために入場料を払い、ミラスカを満喫しようと予定をあけてきたひとなのだ。

　オープニングは「千年少女～tin ton de schon～」、よりよい世界に向けてのメッセージ・ソング「ミーゴ！ゴミーゴ！」へと続く。フランス・パリで開催されたJAPAN EXPOでも歌ったそうだが、“ミーゴ！”と言っても客席からはぜんぜん反応がなかったとのこと。しかしエコロジー（フランス語ではecologie：eの頭にアクサン付）は世界共通の課題であり、フランスのファンもミライスカートからの提言に気づく日が近いと思われる。「未来ノート」のあとは、ミラスカには珍しいスロー気味のテンポの「ハナビ」。ひとりになってから初めてリリースされたシングル「逆境ガール」収録のナンバーだ。

　しっとりした空気が充満した中、児島真理奈が「ここで、みんなにサプライズ発表があります」と呼びかけた。耳をすますファンたち。「この東京アイドル劇場でのライブ、年内毎月定期的にやらせていただくことが決まりました！東京に定期的に帰ってこれる場所ができたことが本当に嬉しいです。9月16日には京都でも主催イベントがあるので、ぜひ京都にも来てほしいですし、また東京にも来るのでこれからも皆さんと一緒に美しい思い出の日々を過ごしていけますように、「Beautiful days」を歌います」。

　「Beautiful days」、「ナモナイオト」と最後のセクションでは定番を続けた。「Beautiful days」は途中、急に激しく踊るパートがある。JAPAN EXPOでも大きく盛り上がった箇所らしいが、この日も東京アイドル劇場のオーディエンスの心を討った。「京都の“はんなり”にフランスの“エスプリ”が加味され、ミライスカートはさらなる高みに達したな」と思ったのはぼくだけではないと思う。

　東京アイドル劇場での次回公演は9月30日に開催（以降、12月まで月1回登場）。開演時間等はぜひミラスカや劇場のSNS等をこまめにチェックしてほしい。

　また9月16日の京都METRO公演は2部制で、午前11時からは「ミライスカート×ミライスカートバンド 2マンライブ」と題し、トラック伴奏のほかに、バンド編成によるパフォーマンスも行なわれる。そして午後3時からの「児島エンターテインメント1周年記念式典」では、ミライスカート、児島真理奈、部長(ミラスカ動画部の人)に加え、YesHappy!、元ミラスカで女優の林奈緒美が来賓として参加する。エレガンスとガッツを併せ持つ児島真理奈の今後に要注目だ。

ミライスカート　http://www.miraiskirt.com/
児島真理奈　https://twitter.com/miraiskirt_mk