　新旧ガール・ポップの名曲の数々を、現役アイドルの歌唱で楽しめる。しかも温泉で。
　そんな希少＆贅沢なシチュエーションに浸れるのが大阪・箕面観光ホテル　箕面温泉スパーガーデン２Fの箕面劇場で行なわれる「天空iDOLステージ in みのお温泉　Tha'sアイドル歌謡ショウ」だ。

　3月24日スタート以来、月1回のペースで継続。6月23日の公演では初回から参加しているYes Happy!、ミライスカート、カラフルスクリームの3ユニットに加え、KissBeeWESTが新たに参加。計16人のアイドルが魅力を競った。入場は自由なので、親子連れもいるし、おじいちゃんおばあちゃんもいる。音が聴こえるからなんとなく来てしまったというひとだってゼロではないだろう。そうしたひとたちが、だんだんアイドルの音楽に導かれ、身を乗り出すようにしてパフォーマンスを見ている姿も、ぼくには強く印象に残った。

　プログラムは各ユニット3曲ずつで構成され、最初の2曲は往年の名曲、最後の1曲はオリジナル・ソングだ。楽屋では、自分が生まれる前に流行したナンバーを、開演時間ギリギリまで練習しているアイドルたちの姿が。ヒット曲はこうやってスタンダード・ナンバーになっていく、ということだろう。

　全員総出のオープニングMCの後は、昨年1月にデビューした5人組のカラフルスクリームが登場。グループ名そのものの色とりどりの歌声で、ハーモニーもばっちり決めながら、見事トップバッターを飾った。新オリジナル曲「無邪気ガリレオ」を含む、流れるようなステージ構成、あどけなさ＋実力のブレンドに爽快な気分を味わった。

　続いてはイベントの総合MCとしても存在感を放つYes Happy!のステージ。二人組という編成、柔らかなハーモニーを生かしたナンバーが並ぶ。もちろんMCでは抜群の明るさ・賑やかさを発揮したが、歌唱に関しては「ミディアム・テンポやバラードの巧さ」を100％、箕面温泉のオーディエンスに伝えた形だ。元気なイエハピももちろんいいけれど、こうした抒情的なイエハピもまた、実にいい。「相逢傘」が沁みた。

　続いてはiDOLステージ初登場のKissBeeWEST。2014年に結成され、現在は8人で活動している。カヴァー曲ではメンバーを年下組と年上組に分け（年下組が「年下の男の子」を歌うアイデアも面白い）、ラスト・ナンバー「HERO」では全員総出で歌い、踊りまくる。かわいらしさとかっこよさのバランスが絶妙だ。

　そしてトリをとるのは児島真理奈のソロ・ユニットミライスカートだ。「青い珊瑚礁」では松田聖子の、フレーズの語尾をキュッと上げるような歌い方を見事に取り入れながら熱唱。老若男女の観客から、両手で抱えきれないほどの花束がプレゼントされた。去る4月に行なわれた「NARA MINARA IDOL FES」で出会ったおばあちゃんといい、彼女にはアイドル・ファン以外のひとの心も揺り動かす何かがあるのだろう。

　最後は全員がステージに登場し、イエハピの代表曲「ダーリン」をにぎやかに歌唱。終始一貫して暖かな雰囲気に包まれた、心から笑顔になれる一夜だった。珍しいシチュエーションでアイドルの歌に浸ったあとは、特典会で感想を伝えるのもよし、温泉に入るのもよし、食事に舌鼓を打つのもよし、美しい夜景を堪能するのもよし。関西以外の方にも大推薦したい、スーパーウルトラハッピーなイベントだ。

　次回は7月21日開催だが、箕面観光ホテルでは「天空iDOLステージ」以外にもアイドル関連のショウが行なわれており、7月7日（土）には“スリジエWEST”、7月28日（土）には“つぼみ”が登場する。