ステレオサウンドストアで販売中の真空管ヘッドフォンアンプ、ウエスギTAP-101HP。真空管OTL(出力トランスレス)方式ならではの瑞々しく伸びのある音をヘッドフォンで聴ける注目機だ。クラフトの楽しみもあるキット仕様と完成品仕様を展開するTAP-101HPの開発コンセプトを、上杉研究所の藤原伸夫氏が管球王国「マイ・ハンディクラフト」特別編として綴る。イントロダクションのPart1に続けて、藤原氏執筆のPart2開発記本編、Part3キット製作ガイドの、3部構成でお届けする。

配線の基板化、コネクター化で製作しやすさを追求

◎シャーシとコンストラクション

 ヘッドフォン出力端子は、標準フォーンプラグ対応の端子ならびにXLR4P端子を装備いたしました。入力端子は背面に2系統のピンジャック端子、フロントにステレオミニジャックを設け、ポータブル音楽プレーヤーやBluetooth(ブルートゥース)レシーバーの出力を手軽に接続できるよう配慮しました。

 シャーシは「マイ・ハンディクラフト」定番のオフホワイトの仕上げとしました。シャーシ部材は1.6mm厚鋼板で製造されて高い剛性を確保し、音質に有害な共振、振動を軽減しています。今回は、LEXの黒色ノブ仕様に加えてアルミノブ仕様も用意いたしましたので、お好みに応じてお選びください。

操作ノブはブラックのモールド樹脂製(写真上)か、シルバーのアルミ削り出し製(写真下)のいずれかを選択できる仕様だ。

 本機は8本の真空管をはじめマスターボリュウム、切替えスイッチ、入出力端子、CR部品の数が多くなりましたが、全面的に配線の基板化、コネクター化を行ない、製作しやすさを追求しました。基板は既に部品がアッセンブルされておりますので、配線作業はAC1次配線、真空管ソケットの配線、信号ならびに電源配線のみで完成いたします。

 第7、8図に実体配線図を示します。図中ワイヤーの数字はAWG番号で、番号が大きいほど細い線となります。mmは被覆の長さを示していますので、ワイヤーの事前加工をお願いします。コネクター付きワイヤーはアッセンブリーに特殊工具が必要ですので、加工済み品を添付いたします。

第7図 実体配線図1

第8図 実体配線図2

◎使用部品

 初段管には松下電器の傑作である低雑音管12AX7Aを使用します。次段管にはシーメンス製低rpの12AU7を使用、出力管は前述のフィリップス6DJ8で、いずれも真空管全盛時代に生産された貴重なオリジナル管です。他の電気部品は信頼性の高い国産メーカー品で、これらは当社で販売している商品に使用しているものと全く同じであり、実績のある高品質部品です。

初段管 松下電器12AX7A

ドライバー管 シーメンス12AU7/ECC82

出力管 フィリップスECG 6DJ8/6922   高周波特性増幅用に開発されたフレームグリッド管で、半導体ハイブリッド構成アンプなどでも広く活躍する高Gmの双3極MT管である。