スマートホンは、いまや世代、性別、地域の垣根を越えて広く浸透し、コミュニケーションツールとしてのみならず、日々の生活に欠かせないキーデバイスになっています。その傑出した能力は、当然ながら音楽再生の分野でも遺憾なく発揮されています。

ここでは、5月に小社から発行したムック「かんたん、わかりやすい スマホで始めるオーディオ&ネット動画再生読本」の中から、スマホを音楽の再生機として、ハイレゾ音源の醍醐味を体験するための知識、ノウハウ、システムづくりのあり方などを紹介した記事を、順次掲載していきます(全36回を予定)。

今回は、音楽ストリーミングサービスの「Amazon Music(アマゾンミュージック)」をご紹介します。

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Amazon Music
アマゾンミュージック

Amazon Musicのユーザーインターフェイスは全プラン共用。基本的なレイアウトは、他サービスと同じく先行のSpotifyを踏襲しているように見える。左の写真はiPhoneで「ホーム」画面から「ニューリリース」を選んだところ。アーティスト名の下に「ULTRA HD」のバッジがあるコンテンツはハイレゾ対応、「ATMOS」または「360」のバッジがあるコンテンツは空間オーディオ対応。再生中にバッジをタップすると、右の写真のように音源の詳細を知ることができる。この音源の場合は96kHz/24ビットの品質だがデバイス側の制約で48kHz/24ビットに変換して再生されていることが分かる

Prime Musicから追加料金でハイレゾ対応へ

 国内で展開している大手音楽サブスクのなかで、いち早くハイレゾによるストリーミングをスタートさせたのがAmazon Musicだ。2019年に「Amazon Music HD」として96kHz/24ビットや192kHz/24ビットのハイレゾ音源の配信を国内の他サービスに先行して開始している。

 その後、プランや料金の見直しが行なわれ、現在は機能制限付きの無料プラン「Amazon Music Free」、プライム会員(月額500円)なら誰でも使える「Prime Music」、月額980円の追加料金(プライム会員は880円)でロスレス(HD)やハイレゾ(ULTRA HD)、空間オーディオ(「ドルビーアトモス」と「360 Reality Audio」に準拠)を楽しめる「Amazon Music Unlimited」の3サービスをラインナップ。それらをまとめてAmazon Musicと呼んでいる。

 おすすめは機能制限の多いAmazon Music FreeやPrime Musicではなく、Amazon Music Unlimited。パソコンでも音楽サブスクを利用するという方には、音質向上が期待できる「排他モード」などパソコンアプリに搭載された機能も役立つはず。また、デノンとマランツが推進する高音質ネットワーク再生機能「HEOS」に対応しており、2022年5月現在ではネットワークオーディオプレーヤーを使ったハイレゾストリーミング再生に対応する国内唯一の音楽サブスクとなっている。

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【本記事の掲載号は スマホで始めるオーディオ&ネット動画再生読本】