この記事は、創刊60周年記念号 季刊『ステレオサウンド』第240号の巻頭企画「現代オーディオの到達点 いま聴きたい感動の音 60選+α」からの転載となります。7名のオーディオ評論家が選んだ、「自身が考える現代オーディオの到達点」を象徴する60機種の魅力をぜひ、ご覧ください。

DEVIALET  Astra

機能の先進性、洗練された操作性と意匠。
香りたつ色彩表現と独特の透明感で魅了する

小野寺弘滋
 本機は最先端に位置するアンプである。極めてスリムでスタイリッシュなフォルムの中に、現代の能率が低くインピーダンスも低いスピーカーシステムを存分に鳴らし切るだけのハイパワーを納め、フォノを含むアナログ、ストリーミングを含むデジタルといった豊富な入力、また、スピーカーの特性を適切に補正するプログラムを備える、一種の万能機と言える存在。操作性も実に洗練されており、機械式スイッチが好きな私も思わず唸る出来栄え。コンパクトなサイズは独自の高効率増幅回路のたまもので、同社はこの方式を長年にわたりブラシュアップしてきた。そして本機の最大の魅力は、香りたつ美しい色彩表現と有機的な質感描写。オーディオの未来像のひとつを示しているだろう。

黛 健司
 デビアレが似合うインテリアの部屋が欲しい……叶わぬ夢かもしれないが、そんなことを妄想させるオーディオ機器って、素敵じゃないか。わたしがデビアレについて初めて執筆したのは13年前の188号だったが、爾来、歴代デビアレの音とデザイン、仕上げと操作感などの魅力に惚れこんでいる。A級とD級を融合したADHテクノロジーにより、薄型デザインに似合わぬ圧倒的なスピーカー駆動力を誇りながら、他のアンプでは聴くことのできない独特の透明感、得も言われぬ声の艶やかさがデビアレならでは。リモコンの操作感の素晴らしさは、いまだにこれを凌駕するものがない。パリ国立オペラとのコラボレーション仕様は、美術工芸品と言いたい優雅な佇まいで、ますます虜になってしまった。

山本浩司
 「現代オーディオの到達点」という本特集のテーマを聞いたときに、まずアタマに浮かんだのはこのアンプだった。高さわずか47ミリのスタイリッシュな薄型筐体の中にハイファイオーディオの未来を予感させる様々な提案が盛り込まれており、その先進性と音の良さにぼくは脱帽した。これ1台でネットワークオーディオに対応し、使用されるカートリッジの特性にアジャストできるフォノ入力を持ち、つながれるスピーカーが音楽信号に合わせて正確に振る舞うように補正する機能を有し、A級動作とD級動作を掛け合せた強力な増幅回路を構成し、低能率でインピーダンスカーブがややこしい現代スピーカーも楽々と歌わせ、質感描写や音色表現にも違和感はない。賢人デビアレの痛快な逸品だ。

いま聴きたい感動の音60選+α <39>

INTEGRATED AMPLIFIER
デビアレ「Astra」
¥2,796,000(税込)
●出力:150W+150W(8Ω)、300W+300W(4Ω)
●デジタル入力:同軸2系統(RCA)、光2系統(TOS)、USB 1系統(タイプC)、イーサネット1系統×(RJ45)
●問合せ先:完実電気コールセンター 050(3388)6838

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