この記事は、創刊60周年記念号 季刊『ステレオサウンド』第240号の巻頭企画「現代オーディオの到達点 いま聴きたい感動の音 60選+α」からの転載となります。7名のオーディオ評論家が選んだ、「自身が考える現代オーディオの到達点」を象徴する60機種の魅力をぜひ、ご覧ください。

dCS Varèse Music System

モノーラル構成で音を極めた、超弩級のデジタル・システム。
部屋の空気が変る生々しい音楽に唖然

傅 信幸

 近年はオーディオファイルのための家庭用デジタルオーディオ機器を生産することに専念しているdCSだが、かつて録音スタジオなどプロフェッショナルな音創りの現場で揉みに揉まれて育った、ということになる。大切な役割を果たすミクシングエンジニア、そしてプロの音楽家たちとの関係は今も続いており、リスニングセッションでは貴重な試聴結果を得ている。オーディオ機器は音こそが「命」であるからだ。
 コロナ禍にあってたっぷりと時間と手間をかけて、とことん音質の高さを追求した成果が「ヴァレーズ(Varèse)」である。

 基本構成だけで4シャーシ構成。4台重ねると、もう、威容である。DACはモノーラル2筐体構成となっている。通常のdCS製品の2倍の回路を独立した1シャーシに内蔵しており、モノーラルDAC1台の内部で差動動作(バランス動作)させている。基板は大型の一枚基板(12層)構成。背丈のある機器はVarèse Coreで、ヴァレーズシステムの動作を司りDACの心臓部であるRing DACが扱う信号へのオーバーサンプリングの仕事を引き受けている。モノーラルDACは仕事が楽になったぶん高音質が得られることになる。モノーラルDACはもちろんのこと、オプションで用意されたディスクトランスポートとマスタークロックとCoreとはケーブル1本で簡単に接続できる。高品質な送受信とスムーズな操作性を実現させるため、ACTUSと名付けた総合的に機能するプロトコルを独自に新開発している。

 べらぼうな価格が付けられたVarèse Music Systemだが、音質もまたべらぼうに素晴らしい。Varèse Music Systemが鳴り出した途端に、部屋の空気が変るのだ。あまりにも生々しい音楽に唖然、次いでいい音で聴けることが嬉しくなって微笑みがこぼれてくる。

いま聴きたい感動の音60選+α <20>

DIGITAL PLAYBACK SYSTEM
dCS「Varèse Music System」
¥52,230,000(セット・税抜)
●備考:Varèse Music Systemは4台で1セット。価格と写真は、オプションのSACD/CDトランスポートとマスタークロックを加えて、Varèse Core(I/O付き)、Varèse Mono DAC、Varèse Transport、Varèse Master Clock、Varèse Interfaceの計6台構成となっている
●問合せ先:太陽インターナショナル 03(6225)2777

https://www.taiyoinc.jp/products/dcs/varese/varese_music_system/index.html

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