この記事は、創刊60周年記念号 季刊『ステレオサウンド』第240号の巻頭企画「現代オーディオの到達点 いま聴きたい感動の音 60選+α」からの転載となります。7名のオーディオ評論家が選んだ、「自身が考える現代オーディオの到達点」を象徴する60機種の魅力をぜひ、ご覧ください。

JBL Summit Makalu

緻密きわまりない最先端のサウンドが
JBLの新たな頂点への到達を実感させる

黛 健司

 JBLは、トランスデューサーの基礎研究機関を社内にもち、ユニットを自社開発、自社生産できることを大きなアドヴァンテージとしている。いま話題のD2デュアルドライバーも、開発者のアレックス・ヴォイシュヴィロ博士が2011年にAESで発表。翌年、VTXラインアレイ、翌々年にはM2スタジオモニターに搭載され、一部マニアの間で話題になった。2015年、4367に採用され、その実力がオーディオファイルに広く知られるようになり、JBL80周年記念モデルのサミット・シリーズでは、5機種すべてに採用されるに至った。

 サミット・マカルに搭載されたのはD2830K。76ミリ・リング型ダイアフラム2枚を向かい合せに配置し、両者の音響出力を合成する画期的構造により、高域レンジを拡張すると同時に、振動板の分割共振を回避して超低歪みを実現、音響出力の向上や許容入力の拡大など、あらゆる要求に対応する能力を備える。従来型ホーンの常識を超えたHDⅠ定指向性ホーンに装着すると、圧倒的な高音質・高性能が享受できる、4インチ・コンプレッションドライバー時代の終焉を告げる存在といえるだろう。

 サミット・シリーズの開発責任者であるクリス・ヘイゲンは、1988年にハーマン・インターナショナルに入社。前任者のグレッグ・ティンバースが、4367の開発中に退職したため、その任務を引き継ぎ、実力を認められ、現在は、JBLハイエンドスピーカーの開発責任者として活躍している。

 ヘイゲン最初の作品から10年目の昨年、最新作のサミット・アマ/プモリ/マカルを発表。これらを聴いて、ヘイゲンがシステムエンジニアとして円熟の境地に達したことを理解した。奔流のごときエネルギーを見事に制御して、圧倒的な低歪み、高S/Nを実現。緻密きわまりない最先端サウンドから、JBLが新たなスピーカーの頂点=サミットに到達したことを実感した。

いま聴きたい感動の音60選+α <09>

LOUDSPEAKER
JBL「Summit Makalu」
¥6,000,000(ペア・税抜)
●型式:3ウェイ3スピーカー・バスレフ型
●問合せ先:ハーマンインターナショナル 0570(550)465

https://jp.jbl.com/summit-series-makalu.html

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