MARCH 2026 NEW RELEASES- THE CRITERION COLLECTION

THE CRITERION COLLECTION has announced its MARCH 2026 slate of 4K UHD BLU-RAY(4)and BLU-RAY(2)releases ー Amongst them are: CLASSE TOUS RISQUES(1960) VIRIDIANA (1961)THE BLADE(1995)and KILLERS OF THE FLOWER MOON(2023)

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

聖女の受難、孤独の果てに ―

クライテリオンの2026年3月リリース・タイトルがアナウンス。今回、4K UHD BLU-RAYは4タイトル。2024年に4Kレストアされた(2025年限定公開)『男と女』は、なぜかUHD BLU-RAYリリースされず、BLU-RAYリリース(2016年カンヌ国際映画祭カンヌ・クラシック部門に出品された2Kレストアマスターを使用)に止まっている。まず3月10日に登場するUHD BLU-RAYタイトルは、巨匠ルイス・ブニュエル監督作『ビリディアナ』(1960)である。妻を亡くして孤独感に苛まれる老貴族ハイメ(フェルナンド・レイ)は、亡き妻に瓜ふたつに成長した姪のビリディアナ(シルヴィア・ピナル)に心を奪われ、一緒に暮らそうと申し出る。ある日、ビリディアナに睡眠薬を飲ませ犯そうとしたハイメは、ことが未遂に終わったにもかかわらず、彼女を引き留めるために「睡眠薬を飲ませて体を奪った」と嘘をつく。もはや処女ではない。修道院に戻れないぞ。ハイメの偽りの脅しと嘆願にもかかわらず、ビリディアナは荷物をまとめて逃げ出してしまう。ハイメは罪の意識にさいなまれ自死。ハイメの死を知ったビリディアナは修道女への道をあきらめ、贖罪の意識からハイメの屋敷で救済活動を始めるが・・・。1961年第14回カンヌ国際映画祭で、最高賞となるパルム・ドールを受賞。

Spain, Mexico • 1961 • 91 minutes • Black & White • 1.66:1 • Spanish ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

1960年、時のスペイン総統フランシスコ・フランコは、長らく亡命生活を送っていたブニュエルを故国スペインに招き、フランコ自身の好みに沿った映画製作を要請した。だがブニュエルが作った『ビリディアナ』は、独裁者フランコとカトリック教会を含む協力者たちに対する反抗の映画であった。瀆神的で反道徳的な描写が最高潮に達するのは、ハイメの屋敷にある蓄音機で、ヘンデルの「メサイア」を流し、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を再現したクライマックス。本作品が公開されると、バチカンとフランコ政権から大きな非難を浴びるスキャンダルとなり、スペインやイタリアでは上映禁止となった。ブニュエルが故国スペインを追放される原因ともなった問題作であるが、初公開から65年、本作品をブニュエル最高作と評する識者も非常に多い。ブニュエルの1958年監督作『ナサリン』(本作品と同じく写実主義作家ベニト=ペレス・ガルドスの小説の映画化)と同様のテーマを扱った本作品は、より簡潔明瞭なテーマ性を持つだけではなく、その顕著な古典主義は『小間使の日記』や『昼顔』といった作品のスタイルを彷彿とさせる。

善行を重ね、高潔であり続けようとする高潔なビリディアナの物語であるが、彼女の行いは周囲の世界によって常に妨げられる。『ナサリン』と同じくブニュエルの怒りは、善意そのものに対してではなく、むしろビリディアナの純真さや、善意を正当に評価しない(気づかない)世の在り方へと向かう。中盤以降の重要な登場人物となるホルヘ(フランシスコ・ラバル)は、ビリディアナの行いを尊重しながらも、彼女の努力は無駄であることを繰り返し諭す。パンなど欲しくない人びとと、なぜパンを分かち合う必要があるのか​​? 敬虔なカトリック信者として育ちながら、信仰を嘲笑するかのような作品を撮り続けたブニュエルは、ブルジョワジーの低劣さを強烈に描きつつ、貧者の善良さも鮮やかに否定してみせてきた。本作品も然りである。

私が無神論者であるのも、ひとえに神のおかげである ー ルイス・ブニュエル

4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

  • NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
  • SDR / BT.709 PRESENTATION OF THE FILM
  • Interviews with actor Silvia Pinal and film scholar Richard Porton
  • Excerpts from a 1964 episode of Cinéastes de notre temps on director Luis Buñuel's early career
  • Trailer
  • Plus: An essay by film scholar Michael Wood and an interview with Buñuel

Released: MARCH 10, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)

タイトルビリディアナ
1960
監督ルイス・ブニュエル
製作グスタボ・アラトリステ
製作総指揮リカルド・ムニョス・スアイ ペレ・ポルタベラ
原作ベニート・ペレス・ガルドス
脚本ルイス・ブニュエル フリオ・アレハンドロ
撮影ホセ・F・アグアヨ
音楽グスタボ・ピッタルーガ
出演シルヴィア・ピナル フェルナンド・レイ フランシスコ・ラバル マルガリータ・ロサーノ ホセ・カルヴォ

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

俺を待つのは死刑台、てめえは堅気の道を行け!

実在したギャングを主人公にしたジョゼ・ジョヴァンニの犯罪小説(1958)を、『顔のない眼』『ボルサリーノ』の脚本や『すぎ去りし日の…』『愛を弾く女(ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞)』の演出などで知られるクロード・ソーテが映画化した『墓場なき野郎ども』(1960)の登場である。主演は『現金(げんなま)に手を出すな』『筋金(ヤキ)を入れろ』以降、フランス映画界で着実に人気を集めてきたリノ・ヴァンチュラ。共演は新進気鋭のジャン=ポール・ベルモンド(『勝手にしやがれ』の公開前夜に出演)『魂のジュリエッタ』のサンドラ・ミーロ、そしてジョヴァンニの妹シモーヌ・フランス(aka. シモーヌ・デメゾン)。

フランスで死刑判決を受けて10年近く逃亡中の男アベス(ヴァンチュラ)。彼は妻のテレーズ(シモーヌ・フランス)と子供を連れて、ヨーロッパ中を転々とし、法の目を逃れようとしてきた。逃亡生活にうんざりした彼は、パリに戻り、隠遁生活を送る計画を立てる。その計画に十分な資金を得るため、アベスは相棒のレイモンド(スタン・クロール)とともにミラノで現金を強奪。テレーズ、そしてそれぞれの子供と合流したふたりは、船で国境を越え、深夜にマントンの入江にたどり着く。だが警備隊に発見された一行は銃撃戦となり、テレーズとレイモンが射殺されてしまう。ふたりの子とともにニースに足止めされたアベスは、かつての仲間たちに救いを求め、彼らは自分たちの代わりに地元のチンピラ、エリック(ジャン=ポール・ベルモンド)を送り込む・・・。

France, Italy • 1960 • 108 minutes • Black & White • 1.66:1 • French ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

  • NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
  • HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
  • Excerpts from Claude Sautet, ou La magie invisible, a 2003 documentary on the director by N. T. Binh and Dominique Rabourdin
  • Interview with Classe tous risques novelist and coscreenwriter José Giovanni
  • Archival interview footage featuring actor Lino Ventura discussing his career<
  • Trailers
  • PLUS: Essays by filmmaker Bertrand Tavernier and Binh, a reprinted interview with Sautet, and a 1962 tribute by Jean-Pierre Melville

Released: MARCH 17, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)

ヌーヴェル・ヴァーグの映画作家たちと同時期に映画界にデビューしたソーテだが、脚本家としても監督としても、その才能をくすぶらせていた。1950年代の娯楽映画、特にアメリカ映画の西部劇に影響を受けた彼は、深刻な失速状態にあったギャング映画を根本から刷新し、かつては向かうところ敵なしだった犯罪者が、救いのないどん底へと堕ちていく姿を力強く描き出した。長大なオープニング、緊迫感あふれる駅でのショット、ミラノの路上での強盗シーンに絶対的なリアリティを吹き込み、名匠ロベール・ブレッソンの称賛を得たと言われている。いまではジャン=ピエール・メルヴィルの映画に通じる精神性を持つ作品として評価される本作品だが、公開当時は過小評価され、興行的にも失敗に終わっている。失敗作としての烙印はソーテにとって大きな失望に変わり、彼は映画監督としてのキャリアを断念することを発表した。

しかし、わずか2年後、翌年に映画監督デビューするベルトラン・タヴェルニエを含む若い映画ファンのグループによって支持され、アートハウス系で再公開されると素晴らしい反響を呼び、またたく間にカルト的な人気を博したのである。一方、その頃のソーテは別の職業に就いていた。ルイ・マル、ジャン=ポール・ラプノー、アラン・カヴァリエ、ロベール・アンリコなどの監督作品を含む数多くのプロジェクトで、ノンクレジットでアドバイザーやスクリプトドクターを務めていたのだ。2000年に生涯を終えるまで、監督業や脚本業と並行して続けたこの活動こそが、フランソワ・トリュフォーに「フランス映画の修復師」と言わしめた理由である。

撮影は、のちに『鬼火』『ロシュフォールの恋人たち』『少女ムシェット 』の撮影監督を務め、『テス』でオスカーに輝くことになるギスラン・クロケ。主人公アベスの深い悲しみにふさわしいように、クルーケは派手な撮影スタイルを一切排除した。確かにミラノまでのシークエンスは、典型的な犯罪スリラー映画のように軽快なテンポで展開し、イタリアの街の通りを一人称視点で駆け抜けるショットや、ソーテがベルモンドに鑑賞を薦めたという西部劇『七人の無頼漢』を思わせるショットも点在する。一方で、パリはまったく異なる風景が広がっている。アベルがかつての故郷に降り立つと、カメラワークもほとんど抑制され、その画調は陰鬱なトーンに染まっていく。主人公に自身の人生や悪行を振り返る機会を与える一人称の語り口が一般的であるフィルム・ノワールの慣例を覆し、冷たく突き放すような三人称の視点を用いることで、観客と画面上の出来事の間に一定の距離感を作り出している。観客を単なる傍観者にするかのような、視線誘導の巧みに注目されたい。

タイトル墓場なき野郎ども
1960
監督クロード・ソーテ
製作ジャン・ダルヴェイ
製作総指揮ロベール・アモン
原作ジョゼ・ジョヴァンニ
脚本クロード・ソーテ ジョゼ・ジョヴァンニ パスカル・ジャルダン
撮影ギスラン・クロケ
音楽ジョルジュ・ドルリュー
出演リノ・ヴァンチュラ ジャン=ポール・ベルモンド サンドラ・ミーロ マルセル・ダリオ ミシェル・アルダ クロード・セルヴァル ジャック・ダクミーヌ シャルル・ブラヴェット

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

真実の愛、残酷な裏切りが交錯する

米ジャーナリスト、デイヴィッド・グランの全米ベストセラー犯罪ノンフィクション『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生(Killers of the Flower Moon: The Osage Murders and the Birth of the FBI)』(2017)を、巨匠マーティン・スコセッシが映画化した大作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023)の登場である。

United States • 2023 • 206 minutes • Color • 2.39:1 • English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

1920年代、禁酒法時代のアメリカ南部オクラホマ州。花殺し月の頃(キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン)と呼ばれる5月に、立て続けに殺人事件が起きる。その犠牲者は、居住地で発掘された石油の鉱業権を持つ先住民オセージ族。それはオセージ族と関係者二十数人が相次いで不審死を遂げる、連続怪死事件の幕開けに過ぎなかった。私立探偵や地元当局が決定的な容疑者を絞れず手をこまねくなか、のちのFBI長官J・エドガー・フーヴァーは、特別捜査官トム・ホワイトに命じて大掛かりな捜査を始めるが、事件の解明は困難を極めた・・・。主演はレオナルド・ディカプリオ、共演にロバート・デ・ニーロ、ジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーン

When viewing this clip, please set resolution to 1080p / HD

DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

  • NEW 4K MASTER, approved by director Martin Scorsese
  • HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
  • DOLBY ATMOS AUDIO TRACK
  • New documentary featuring Scorsese, actors Leonardo DiCaprio and Lily Gladstone, author David Grann, Osage Nation Principal Chief Geoffrey Standing Bear, Osage cultural consultant John Williams, editor Thelma Schoonmaker, and other members of the cast and crew
  • "WahZhaZhe": A Song for the Osage, a new documentary illuminating the film's final shot, featuring Scorsese, Chief Standing Bear, and six members of the Osage Nation
  • Excerpted archival interview with director of photography Rodrigo Prieto
  • Excerpts from the 2023 Cannes Film Festival press conference featuring Scorsese, DiCaprio, Gladstone, Chief Standing Bear, and actor Robert De Niro
  • Short program on Noah Kemohah's cover art
  • Trailer
  • English subtitles for the deaf and hard of hearing and English descriptive audio
  • PLUS: Essays by critic Vinson Cunningham and film programmer Adam Piron

Released: MARCH 24, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 3-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 2-DISC)

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クライテリオンでは、2020年からNetflixと提携して同社作品の配信、およびフィジカルメディア・リリースを行っている(厳選した作品ごとに契約/包括的パートナーシップではない)。その後、本格的にApple TV(Apple Original Films)とコラボレーション契約を結んだが、それはフィジカルメディア・リリースは含まれず、クライテリオン・チャンネル(配信)に限られたものであった。『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』に関しては、ほぼ1年前、フィジカルメディアでのリリースの無期限延期を発表したことで、その実現はほぼ不可能とされていた。それでもクライテリオンはAppleとコンタクトを取り続け、本作品のフィジカルメディア・リリースを働きかけていたという。

Appleは長年、フィジカルメディア・リリースに消極的であり、当初はクライテリオンからの申し出を頑なに拒否していた。ところが今夏、Appleがこれまでの姿勢を転換することになった。その詳しい経緯は明らかにされていないが、スコセッシ監督作品は2作品連続でフィジカルメディア・リリースの危機から救われたことになる。そのひとつはNetflixオリジナル作品の『アイリッシュマン』であり、配信開始から約1年後にフィジカルメディア・リリースされている。スコセッシ監督最新作『What Happens at Night』もApple Original Films作品だが、早計ではあるが同様にクライテリオンからのフィジカルメディア・リリースを期待したい(おそらく実現するであろう)。

本作品は、2024年、イタリアのイーグル・ピクチャーズからUHD BLU-RAYとBLU-RAYがリリースされている。これはAppleが国際市場向け(イーグルなどの現地パートナー)に配給権を販売しているためである。だがその結果として、厳しい契約下に置かれ、珍しいことであるがUHD BLU-RAYもリージョンBロックされ、さらにオリジナル英語音声を選択するとイタリア語字幕OFF不可となる。その後、いくつかの規制が緩和されて再リリースされたが、映像・サウンドの品質は期待を下回るものであり、オリジナル・ドルビーアトモス・サウンドトラックも未収録のままだ。

When viewing this clip, please set resolution to 1080p / HD

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撮影は『バベル』『バービー』のロドリゴ・プリエト。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』以降のスコセッシ監督作の撮影監督を務め、本作品が4度目の顔合わせとなる。ARRIアリカム・シリーズを主軸とした35mm撮影作品。一部ショットはSONYシネアルタ・ヴェニス撮影/AXS-R7 RAW 4K収録。LUT(ルックアップテーブル)制作とそれに伴うカラーグレードはカンパニー3が務めている。LUTに関してはいくつかのパターンがあり、まずオートクローム(リュミエール兄弟が静止画用に開発した初期のカラー技術)を模倣した色調(青は紫寄り、赤はオレンジがかる)、そしてオートクロームにフォトクローム(リソグラフ印刷版を利用して白黒ネガからカラー画像を生成する技法)のルックを加えた色調(ディカプリオとデ・ニーロの再会場面から次第に変化)。また事件が過激度を増していくと、テクニカラーENR(残銀処理/ブリーチバイパス)トーンを模倣したLUTに変わる(すべての色の彩度が低下し、コントラストが高くなる)。この色調への変化は、登場人物たちが経験する絶望感を強調することを意図したものだ。一方で、オセージ族の登場人物だけが登場するシーンでは、衣装や風景の色を正確に再現するために、ノーマル(コダック Vision3/5219 500T)なLUTを使用している。その他にも疑似夜景用の LUT(夜間の殺害シーン)往年の3ストリップ・テクニカラーを模倣した LUT (オセージ族の葬儀シーンほか)も適用されており、本作品にみる色彩設計の妙味は4K/HDRの観どころのひとつとなろう。乞うご期待。

タイトルキラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
2023
監督マーティン・スコセッシ
製作ダン・フリードキン ダニエル・ルピ マーティン・スコセッシ ブラッドリー・トーマス
製作総指揮リック・ヨーン アダム・ソムナー レオナルド・ディカプリオ ニールス・ジュール シェー・カマー マリアン・バウワー ジョン・アトウッド リサ・フレシェット
原作デイヴィッド・グラン
脚本エリック・ロス マーティン・スコセッシ
撮影ロドリゴ・プリエト
音楽ロビー・ロバートソン
出演レオナルド・ディカプリオ ロバート・デ・ニーロ リリー・グラッドストーン ジェシー・プレモンス タントゥー・カーディナル カーラ・ジェイド・マイヤーズ ジャネイ・コリンズ ジリアン・ディオン ウィリアム・ベルー ルイス・キャンセルミ タタンカ・ミーンズ マイケル・アボット・Jr パット・ヒーリー スコット・シェパード ジェイソン・イズベル スタージル・シンプソン ジョン・リスゴー ブレンダン・フレイザー

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

宿命の地で、男は復讐に燃え、女は運命を信じた。

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』と同日にUHD BLU-RAYリリースされるのが、香港を代表するヒットメイカー監督ツイ・ハークが、1967年にジミー・ウォング主演で大ヒットした武侠映画『片腕必殺剣』のリメイクに挑んだ『ブレード/刀』(1995)である。本作品が製作された90年代の初頭、ハークは製作・監督・脚本を務めた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明』で大成功を収め、これを受けて90年代には数多くのシリーズ続編や番外編が製作されている。その流れの中で、シリーズ第5作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナV/天地撃攘』を監督したハークは、原点に回帰するかのように大きく舵を切り、初期監督作『カニバル・カンフー/燃えよ!食人拳』『ミッドナイト・エンジェル/暴力の掟』のタッチを思わせる(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズの対極にある)本作品を送り出した。

When viewing this trailer, please set resolution to 2160p / 4K

焼き直しされた脚本は、実にシンプルで簡潔だ。刀鍛冶の見習いとして働く青年テンゴン(ウィン・ツァオ/aka. チウ・マンチェク)は、乳呑児のときに全身入れ墨の剣士ルン(ション・シンシン)に父を殺されたことを知り、復讐を誓う。父の形見の折れた刀を武器に旅立つが、後を追ってきた刀匠の娘リン(ソニー・スー)を救おうと盗賊と戦い、右腕を失ってしまう。絶望で心が折れかかったテンゴンだが、刀鍛冶仲間のチュタオ(チャン・ホー/aka. モーゼス・チャン)やリンに助けられながら、片腕と折れた刀で剣術修行に明け暮れ、ついに必殺剣を編み出す・・・。ウィン・ツァオとチャン・ホーは、まさに完璧なキャスティング。彼らはステレオタイプの善良なヒーローではなく、絶望的な男たちであり、生き残るために戦い、目的を達成するためにアンチヒロイックな行為さえも行うのだ。絶対的ヴィランを演じたション・シンシン、悲しきヒロインのソニー・スー、さらに村の娼婦を演じたヴァレリー・チョウの演技も忘れ難い。

劇場公開ではわずか330万香港ドルと大惨敗を喫し、スタア不在も興行成績の低迷に繋がった。だが観客に映画監督としての新たな一面を示そうとしたハークの挑戦は、意図的に方向感覚を失わせる様式化(目まぐるしいカメラワークと極端なクローズアップなど)によってもっとも過激なハーク流ビジョンのひとつとして再評価され、いまではアクション表現主義の傑作と高い評価を得ている。同時に実験精神に満ち、破天荒とも思える演出に、初見の方は戸惑いを覚えるかも知れない。だが、かつて銀幕を賑わせた武侠映画というジャンルを解体していく手法は、観応えたっぷり。クライマックスに設けられた、ハイパーキネティックなテンゴンとルンの決戦にアドレナリン噴出間違いナシ!

4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES

  • NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
  • HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
  • New audio commentary featuring Hong Kong cinema expert and producer Frank Djeng
  • Action et vérité (2006), a documentary featuring director Tsui Hark, coscreenwriter Koan Hui, and actor Xiong Xin-xin
  • New video essay by filmmakers Taylor Ramos and Tony Zhou (Every Frame a Painting)
  • New York Asian Film Festival Q&A with Tsui from 2011
  • Alternate English-dubbed track
  • English-version opening and end credits
  • Trailer
  • New English subtitle translation
  • PLUS: An essay by author Lisa Morton

Released: MARCH 24, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)


タイトルブレード/刀
1995
監督ツイ・ハーク
製作ツイ・ハーク
製作総指揮レイモンド・チョウ
脚本ツイ・ハーク コアン・ホイ
撮影ビーナス・キョン ガム・シン
音楽レイモンド・ウォン ウィリアム・フー
出演ウィン・ツァオ ホン・ヤンヤン ソニー・スー ション・シンシン チャン・ホー オースティン・ワイ

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