JANUARY 2026 NEW RELEASES- THE CRITERION COLLECTION
THE CRITERION COLLECTION has announced its JANUARY 2026 slate of 4K UHD BLU-RAY(6)and BLU-RAY(2)releases. Amongst them are: CAPTAIN BLOOD(1935)KISS OF THE SPIDER WOMAN(1985)THE DEAD(1987)DEAD MAN(1995)and YI YI(2000)
《UPDATE》
追加アナウンス:11月登場予定だった『ハウス・パーティ』が1月リリースに変更。
THE CRITERION COLLECTION changed the release date for HOUSE PARTY(1990/4K UHD BLU-RAY) from November to January 27th, 2026
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
構想7年、ジャームッシュ念願の企画がデップを迎えてついに実現!
クライテリオンの2026年1月リリース・タイトルがアナウンス。今回、4K UHD BLU-RAYが6タイトルと多めで、国内版BLU-RAYが登場していないタイトルも並んでいる。まず年明け1月6日に登場するのが、ジム・ジャームッシュ監督作『デッドマン』(1995)である。19世紀後半、ジョニー・デップ演じるオハイオ州クリーブランド出身の温厚な会計士ウィリアム・ブレイクが辺境の町を訪れ、ひとりの女性をめぐるいざこざから殺人を犯し、自らも胸を撃たれてしまう。瀕死の彼はネイティブ・アメリカンの男に救われ、男と共に不思議な旅を繰り広げることになる・・・。
United States \ 1995 \ 121 minutes \ Black & White \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ダウン・バイ・ロー』などの傑作ロード・ムービーを放ってきたジャームッシュが、前作『ナイト・オン・ザ・プラネット』以来3年ぶりに演出を手掛けたウエスタン・ロード・ムービー。本作品で描かれる西部は、ロマンとヒロイックな西部と対局を成している。クリーブランドから製鉄ブームで誕生したマシーンという名の小さな町に流れてきたブレイクは、運命の悪戯で銃弾を受け、未開の森に追われる。盲目的に彷徨い続けるブレイクの姿を追う本作品は、ホロメス的な触感に満ちている。いくらでも派手にできる内容を秘めながら、画面はモノクロ、難解な作家主義やテーマ主義とも無縁で、生を求めるブレイクを儚く、さり気なく描き出していく。そのイメージの周りをブレイク同様に彷徨うのは、主張せず、構造を持つことを否定するかのようなニール・ヤングの音楽である。ディストーションを伴った、ブレイクを突き放すかのようなリバーブに揺らめくギターの旋律は、本作品が西部劇を装ったファンタジーであると告げるかのように響く。ジャームッシュ監修・最終承認を経た、35mmオリジナルネガからの4Kデジタルレストア。SDR/BT.709グレード。リマスター2.0サラウンドサウンド(プロロジック)収録。
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- 4K DIGITAL RESTORATION, supervised and approved by director Jim Jarmusch, with 2.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- SDR / BT.709 PRESENTATION OF THE FILM
- Q&A in which Jarmusch responds to questions sent in by fans
- Footage of Neil Young composing and performing the film's score
- Interview with actor Gary Farmer
- Readings of William Blake poems by members of the cast, including Mili Avital, Alfred Molina, and Iggy Pop, accompanied by Jarmusch's location-scouting photos
- Selected-scene audio commentary by production designer Bob Ziembicki and sound mixer Drew Kunin
- Deleted scenes
- Trailer
- Color photos from the film's production
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: Essays by film critic Amy Taubin and music journalist Ben Ratliff
Released: JANUARY 6, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD
| タイトル | デッドマン |
|---|---|
| 年 | 1995 |
| 監督 | ジム・ジャームッシュ |
| 製作 | デメトラ・J・マクブライド |
| 脚本 | ジム・ジャームッシュ |
| 撮影 | ロビー・ミューラー |
| 音楽 | ニール・ヤング |
| 出演 | ジョニー・デップ ロバート・ミッチャム ミリー・アヴィタル ゲイリー・ファーマー ランス・ヘンリクセ ン マイケル・ウィンコット ユージン・バード ジョン・ハート ガブリエル・バーン アルフレッド・モリナ クリスピン・グローヴァー イギー・ポップ ピーター・シュラム ビリー・ボブ・ソーントン ジャレッド・ハリス ジミー・レイ・ウィークス スティーヴ・ブシェミ |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
そのとき、私たちは気づくはずだ。この映画によって心が癒され、潤いを取り戻していることを・・・
続いて1月13日に登場するのが、台湾ニューウェイブ(aka.台湾ニューシネマ)の騎手、エドワード・ヤン監督作『ヤンヤン 夏の想い出』(2000)である。まずは本作品(ご存じとは思うが)4Kレストア版が12月19日に全国公開されることをお知らせしておきたい。劇場鑑賞の後、UHD BLU-RAYを楽しむのも一興であろう(作品解説は下欄リンク)。台湾映画に新たな一章をもたらした台湾ニューウェイブは、1982年から1987年にかけて、台湾の若手映画製作者や監督が興した映画改革運動である。イタリアン・ネオレアリズの特徴と同様に、社会現象の分析・検証や封印されてきた歴史の暗部への視点を盛り込みながら、台湾人の日常生活や台湾社会が抱える問題などに直接向き合い、台湾人のアイデンティティを見つめ直すことに主眼が置かれている。
1982年、監督ヤンは若手新人監督であった陶徳辰(タ・ドウツエン)、柯一正(クー・イーチェン)、張毅(チャン・イー)とオムニバス映画『光陰的故事(我が時代)』を発表(第2話『指望』を監督)、これが台湾ニューウェイブの萌芽となった。そして長編監督第3作『恐怖分子』(1986)の成功によって台湾ニューウェイブの騎手として認知され、続いて発表した『嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(1991)はヤンの最高傑作として高い評価を得ている。長編監督第7作『ヤンヤン 夏の想い出』はカンヌ国際映画祭・監督賞受賞(パルム・ドール・ノミネート)ほか多くの映画賞に輝いたが、惜しくも本作品が遺作となった(癌に罹患、7年の闘病の末に他界/享年59歳)。
Taiwan \ 2000 \ 173 minutes \ Color \ 1.85:1 \ Mandarin ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K RESTORATION OF THE FILM, with original theatrical 2.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- SDR / BT.709 PRESENTATION OF THE FILM
- Alternate 5.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- Audio commentary featuring writer-director Edward Yang and Asian-cinema critic Tony Rayns
- Interview with Rayns about Yang and the New Taiwan Cinema movement
- U.S. theatrical trailer
- Original English subtitle translation by Yang and Rayns
- PLUS: An essay by critic Kent Jones and notes from the director
Released: JANUARY 13, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
撮影監督は『台北ストーリー』(1985/ヤンの長編監督第2作)のヤン・ウェイハン。『ヤンヤン 夏の想い出』の前作『カップルズ』(1996/撮影リ・イジュほか)では狂騒的なカメラ移動を披露していたが、ここでは多くの場面がカメラフィックス(固定撮影)されており、なかでもガラスや鏡を巧妙に使った画はUHD BLU-RAYの観どころのひとつ。重要な場面は日本で撮影されているが、ヤンと同世代の台湾人にとって「ノスタルジックな風景」の再現に繋がっているという。その世代が青春の時を送った50年代の台北は、日本の植民地時代の名残りで多くの日本家屋が残存していた。自らの青春時代と結びついた日本的な街並み、その懐古的な風景ムードの4K再現にも注目されたい。
| タイトル | ヤンヤン 夏の想い出 |
|---|---|
| 年 | 2000 |
| 監督 | エドワード・ヤン |
| 製作 | 河井真也 |
| 製作補 | 余為彦(ユー・ウェイイエン)附田斉子 久保田修 |
| 脚本 | エドワード・ヤン |
| 撮影 | 楊渭漢(ヤン・ウェイハン) |
| 音楽 | 彭鎧立(ペン・カイリー) |
| 出演 | ジョナサン・チャン ケリー・リー イッセー尾形 ウー・ニェンツェン エイレン・チン |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
剣に宿るは、正義か、復讐か。壮大な海の冒険ロマン。
無声映画時代から活劇映画は人気のジャンルだったが、1934年にヴィクター・フレミング監督作 『宝島』やローランド・V・リー監督作『巌窟王』といった作品が人気を博し、トーキーでのハリウッド活劇復活の狼煙を上げた。ここで紹介する『海賊ブラッド』(1935)は、1922年に刊行されたラファエル・サバティーニ著『海賊ブラッド/CAPTAIN BLOOD:HIS ODYSSEY』を、1924年に映画化した無声映画『海賊ブラッド』のリメイクとなる。無声映画版はヴィタグラフ・スタジオ製作・配給によるものだったが、1925年にヴィタグラフを買収したワーナーによってトーキー・リメイクとなったのである。監督を務めたのはマイケル・カーティス。無声映画(ヨーロッパ時代から招へいされたハリウッド時代)からハリウッドの黄金期にかけて、カーティスは映画史上もっとも多作な監督のひとりとして知られており、ワーナーの急成長に大いなる貢献を果たした監督である。
United States \ 1935 \ 119 minutes \ Black & White \ 1.37:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
1985年、王政復古期のステュアート朝イギリス国王、ジェームズ二世の時代。アイルラン人医師ピーター・ブラッドは反逆者の治療を行ったために責めを負い、謀反人として西インド諸島へ奴隷として流刑に処せられてしまう。ブラッドは仲間たちと脱獄計画を練る日々を送っていたが、ついにスペイン軍艦を奪うチャンスが訪れた。そして海賊ブラッドと名乗り、巨大な権力に戦いを挑んでいく。出演は当時ほとんど無名の存在だったエロール・フリンとオリヴィア・デ・ハヴィランド。だがカーティスの熟練した演出、古典的映画製作の職人技によって、その魅力を開花。フリンは本作品で一躍スタアの座をつ掴み、「ダグラス・フェアバンクスの正統な後継者」「(大恐慌時代の)無敵の男の象徴」としての地位を確立した。同じくデ・ハヴィランドもわずか4作目の映画出演にしてスタアの地位を確立し、フリンとの息の合った相性によって8本の共演作が製作されることになる。
撮影はのちに『風と共に去りぬ』でオスカーに輝くこととなる名撮影監督アーネスト・ホーラー、そしてテクニカラー版『オペラの怪人』でオスカー受賞のハル・モーア。ちなみに本作品で撮影技術スタッフとして参加しているのが、『ベン・ハー』の撮影監督ロバート・サーティース(second camera operator)『シェーン』の名優アラン・ラッド(glip)である。本盤の映像マスターは2023年ワーナーMPI(Motion Picture Imaging)が復元した4Kレストアマスターであり(ERROL FLYNN - 6 FILM COLLECTION/2024年/米国版BLU-RAY所収)初の4K UHD BLU-RAY化となる。
音楽を担当したのは、ウィーンの大作曲家エリック・ウォルフガング・コルンゴルト。当初はワーナーからの作曲依頼に難色を示したコルンゴルトであったが、ロケーションとラッシュプリントを観て意を変え、リヒャルト・シュトラウスを彷彿とさせる後期ロマン手法によってスタジオや観客の度肝を抜くことになった。だが作曲期間に猶予がなく、わずか3週間で1時間以上に及ぶ交響曲を作曲せねばならなかったため、フランツ・リストの交響詩の一部を借用せざるを得なかったという(全体の約10%)。そのためコルンゴルトは映画音楽全体の功績を認めることを拒み、「編曲」としてのみクレジットを付与することを主張した。とはいえ『海賊ブラッド』の成功の一因を担ったコルンゴルトは、国際的に名声を得た作曲家として初めて映画スタジオと契約を交わし、作曲家として作品を選ぶ権利も与えられていた。その彼がもっとも作品を選んだのがカーティス監督作品であり、カーティス作品における壮麗なシンフォニック・スコアは、以降のハリウッド映画の教本となったのである。
※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
- SDR / BT.709 PRESENTATION OF THE FILM
- Audio commentary featuring Alan K. Rode, author of Michael Curtiz: A Life in Film
- Documentary from 2005 on the making of the film
- Lux Radio Theatre adaptation of the film from 1937, starring Errol Flynn, Olivia de Havilland, and Basil Rathbone
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by critic Farran Smith Nehme
Released: JANUARY 20, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD
| タイトル | 海賊ブラッド |
|---|---|
| 年 | 1935 |
| 監督 | マイケル・カーティス |
| 製作 | ハリー・ジョー・ブラウン ゴードン・ホリングスヘッド |
| 製作総指揮 | ハル・B・ウォリス ジャック・L・ワーナー |
| 原作 | ラファエル・サバティーニ |
| 脚本 | ケイシー・ロビンソン |
| 撮影 | ハル・モーア アーネスト・ホーラー |
| 音楽 | エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト |
| 音楽監督 | レオ・F・フォーブステイン |
| 出演 | エロール・フリン オリヴィア・デ・ハヴィランド ベイジル・ラスボーン ライオネル・アトウィル ロス・アレクサンダー ガイ・キビー ヘンリー・スティーヴンソン ロバート・バラット ホバート・キャヴァノー ドナルド・ミーク ジェシー・ラルフ フォレスター・ハーヴェイ |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
人生には、語るべき物語がある。
1987年、惜しまれながらこの世を去った名匠ジョン・ヒューストンの遺作『ザ・デッド/「ダブリン市民」より 』(1987)が、クライテリオンのUHD BLU-RAYラインナップに加わった。原作は20世紀のもっとも重要な作家のひとり、アイルランド出身の作家ジェイムズ・ジョイスによる『ダブリン市民』(ダブリンで生きる人々の生活を描いた15編からなる連作短編集)その最終作『死せる人々』。ジョイスは監督ヒューストンが敬愛する作家であり、1914年に発表された『ダブリン市民』はジョイス初期の短編集となる。
1904年、アイルランドの港町ダブリン。雪深いクリスマスの夜、独身の姉妹ケイト・モーカン(ヘレナ・キャロル)とジュリア・モーカン(キャスリーン・ディレーニー)そして未婚の姪メアリー・ジェーン(イングリッド・クレイギー)が主催する毎年恒例のディナーパーティが催される。親族、友人たち、そしてゲイブリエル(アンジェリカ・ヒューストン)とグレタ(ドナル・マッキャン)のコンロイ夫妻も招待客として屋敷を訪れた。和やかムードの宴が続くなか描かれていく、それぞれの悲喜交々。そして最後に最後に語られるグレタの悲しい過去・・・。
United Kingdom, United States \ 1987 \ 83 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
酸素ボンベに頼りながら撮影に臨んだという監督ヒューストンだが、本作品にはどこか心を奪われるような甘美さがある。場面は琥珀色の温かみに照らされ、ジョイスが記した失われた希望と生きた記憶、ダブリンの寓話は敬意をもって描かれている。俳優陣も控えめだ。登場人物たちは皆、共感を呼ぶ演技をし、嫌悪感を抱かせるようなことはせず、静かに人生を送っている。『勝利への旅立ち』『遠い空の向こうに』などで知られるフレッド・マーフィのカメラは、動き回り、アングルを変え、クローズアップし、視線を捉え、アクションを追いかけることを忘れているようだ。カメラはジョイスへの敬意で満ち、微笑みながらも内気な客として、じっとそこに留まっているかのようだ。忘れ難いフィナーレ。アイルランドの田園地帯に雪が舞う心地よいショット(原作にある「アイルランド全土に雪が降る」という場面)が、映画を温かく、華やかに締めくくるのだ。本盤はそのマーフィーが監修し、最終承認した35mmオリジナルネガからの4Kデジタルレストア/HDRグレード版となる。
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K RESTORATION, supervised and approved by director of photography Fred Murphy, with 4.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- New interview with author Colum McCann on the James Joyce short story and its adaptation for the film
- New 2K restoration of John Huston and the Dubliners (1987), a behind-the-scenes documentary by Lilyan Sievernich
- Audio excerpts from actor Anjelica Huston's 2014 memoir, Watch Me
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by author and film critic Michael Koresky and a 1987 piece by screenwriter Tony Huston about the making of the film
Released: JANUARY 20, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
| タイトル | ザ・デッド/「ダブリン市民」より |
|---|---|
| 年 | 1987 |
| 監督 | ジョン・ヒューストン |
| 製作 | ヴィーラント・シュルツ=カイル クリス・ジーヴァニッヒ |
| 製作総指揮 | ウィリアム・J・クイグリー |
| 原作 | ジェームズ・ジョイス |
| 脚本 | トニー・ヒューストン |
| 撮影 | フレッド・マーフィ |
| 音楽 | アレックス・ノース |
| 出演 | アンジェリカ・ヒューストン ドナル・マッキャン レイチェル・ダウリング キャスリーン・ディレーニー ダン・オハーリヒー ヘレナ・キャロル マリー・キーン ドナル・ドネリー コルム・ミーニイ ショーン・マクローリー ケイト・オトゥール |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
愛してる ── 何度生まれ変わっても。
第76回カンヌ国際映画祭グランプリ、第96回アカデミー国際長編映画賞(旧・外国映画賞)受賞作『関心領域』(2023)の演出でその名を世界に知らしめたジョナサン・グレイザーが、主演にニコール・キッドマンを迎えて贈る異色のミステリー『記憶の棘』(2004)の登場である。開幕、雪のセントラルパークを走る男。男の姿を追うカメラ。軽やかだが、どこか不安げに揺れ動く木管楽器の響きが重なる。広大な緑と白に染まる木々や小道は、まるでグリム童話に出てくるような森の空気感を漂わせている。そして、より重厚なオーケストラの介入が映像と音のリズミカルな調和を脅かすと、男はグレイショット・アーチの下で失速し、倒れ、息絶える。映像を支配する激しい金管楽器とパーカッション。不協和音のようにきらめく水中出産の映像に切り替わり、フルートの調べがふたたび流れ出す。開幕からわずか4分。ひとつの魔法は解け、もうひとつの魔法が観客にかけられた。
United States \ 1987 \ 100 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 720p
男の死と赤子の誕生。それから10年後。夫を亡くし、いまだに悲しみに暮れる未亡人アンナ(キッドマン)は、ようやく恋人ジョゼフ(ダニー・ヒューストン)のプロポーズを受ける決心をする。その後まもなく、彼女は青白い目をした、異常に落ち着き払った10歳の少年ショーン(キャメロン・ブライト)と対面する。少年は重々しく口を開き、自分がアンナの夫であり、何年も前にあの橋の下で亡くなった男だと告げる。少年は彼女のすべてを知っており、ふたりだけの秘密も知っていた。この少年との出会いによって、アンナの心は激しく揺れ動き始める・・・。『ゾディアック』『アメリカン・ギャングスター』のハリス・サヴィデスによる絵画調のローキー・カメラ美術、アレクサンドル・デプラ作曲の催眠術の如きオーケストラ音楽が全編を支配する本作品は、輪廻転生という型破りな設定を揺るぎない誠実さで描き出し、肉体を超えた愛の蓋然性を深く心に刻み響かせる作品である。
中盤以降の緊迫感は観る者を圧倒するが、ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門でのプレス上映ではブーイングと野次が浴びせられ、それらは賞賛の声よりもはるかに大きく響いた。多くを語らないストーリー展開への批判は、成人女性と少年の入浴シーンやキス・シーンをめぐるタブロイド紙の過剰な論争と相まって、映画祭での失敗作という安易なレッテルを貼られてしまったのである。だがニ番館上映が始まり、パッケージソフト化されると、本作品のファンはすぐに現れ、その輪は熱狂的に広がっていくことになる。共同脚本家のジャン=クロード・カリエール(ルイス・ブニュエル監督作や『ブリキの太鼓』『存在の耐えられない軽さ』などで知られるフランスの名脚本家)の遊び心のある哲学的タッチが顕著に表れており、さらにグレイザーが少年を不気味で超常現象的な侵入者ではなく、少年の登場に困惑する女性に焦点を当てるという決断を下したことが成功の決め手となったと言えよう。生まれ変わったソウルメイトの帰還。その少年の心理戦。ヒロインの内心未熟な反応。これらに焦点を当てることによって、観客の心も揺さぶりをかけられていく。ヒロインは輪廻転生が真実であることを望み、観客もその願いが叶うことを願うように。監督グレイザーの監修・最終承認を経た4Kデジタルレストア/HDRグレード版。
当初はおとぎ話のような映画を目指していた。プロデューサーが推薦したジャンやミロ(ミロ・アディカ/『チョコレート』でオスカー・ノミネート)が脚本制作に加わり、8か月の間に内容が大きく変わった。最大の変更は、少年の視点から女性の視点に変更したことで、あらゆる疑問が新たな疑問へと繋がるような、力強い作品を目指した。輪廻転生を信じてはいないが、永遠の愛という概念に興味があり、深い感情のミステリーを作りたかったからだ。ニコールの起用にも最初は反対した。スタア俳優の起用はキャラクターの繊細な性質を傷つけるだけだと思ったからだ。だが彼女と会って話しているうちに、彼女はこの役になりきる準備ができていると気づいた。そこで脚本を書き直し、彼女のために特別に仕立てていった。アンナの外見と内面の両方で喪に服している様子を表現するため、極端なショートカットと簡素な衣装で外見を整え、ある種、すべての魅力とセクシュアリティを手放した女性を表現した。台詞も短く途切れ途切れのもの変え、その日の撮影を終えて台詞を書き上げ、撮影当日に渡すことも多かった。監督ジョナサン・グレイザー
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K RESTORATION OF THE FILM, supervised and approved by director Jonathan Glazer, with 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- Interview from 2004 with Glazer and actor Nicole Kidman on Charlie Rose
- New documentary on the making of the film featuring behind-the-scenes footage and interviews with Glazer, producers, and members of the cast
- New program on the film's cinematography featuring interviews with camera operator Craig Haagensen and first assistant cameraman Eric Swanek
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
Released: JANUARY 27, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
| タイトル | 記憶の棘 |
|---|---|
| 年 | 2004 |
| 監督 | ジョナサン・グレイザー |
| 製作 | リジー・ガワー ニック・モリス ジャン=ルイ・ピエール |
| 製作総指揮 | ザヴィエル・マーチャンド マーク・オーデスキー ケリー・オレント |
| 脚本 | ジョナサン・グレイザー ジャン=クロード・カリエール ミロ・アディカ |
| 撮影 | ハリス・サヴィデス |
| 音楽 | アレクサンドル・デプラ |
| 出演 | ニコール・キッドマン キャメロン・ブライト ダニー・ヒューストン ローレン・バコール アリソン・エリオット アーリス・ハワード アン・ヘッシュ ピーター・ストーメア テッド・レヴィン カーラ・セイモア ミロ・アディカ |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
銀の糸が二人をからめたその時、彼は彼の愛に応えはじめた。
ブラジル映画界を代表する偉才ヘクトール・バベンコ(アルゼンチン出身/2016年他界)。寡作家の彼が『ピショット 』(1980)で国際的成功を収めた後、5年ぶりに演出を手掛けた秀作『蜘蛛女のキス』(1985)がUHD BLU-RAYリリースされる。独裁政権下の南米某国の刑務所。とある監房にふたりの男が収容されていた。ひとりはバレンティンという極左活動家(ラウル・ジュリア)。もうひとりのモリーナ(ウィリアム・ハート)は少年への猥褻幇助罪で捕まった同性愛者。監房の中でも政治思想が頭を駆け巡っているバレンティンと、むかし観た映画について語り夢の世界に生きるモリーナ。ふたりには何の接点もないかのように見えたが・・・。アカデミー主演男優賞受賞(ハート)作品・監督・脚色賞ノミネート。カンヌ国際映画祭・主演男優賞(ハート)パルム・ドール・ノミネート。
United States, Brazil \ 1985 \ 120 minutes \ Color / Black and White \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 720p
原作は世界的ベストセラーとなったアルゼンチン出身の作家マヌエル・ブイグの同名小説(1976年)。ガブリエル・ガルシア=マルケスやホルヘ・ルイス・ボルヘスと共にラテンアメリカ文学を代表する作家であり、作品が自国で次々と発禁される亡命作家としても知られている。原作はすべて会話形式で書かれ(登場人物は発言や思考を通してのみ描かれ)、意図的に誰が話しているのか分からないように構成されており、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーらの名前が挙がったものの映画化は到底不可能とされていた小説だ。難題である脚色を託されたのは『タクシードライバー』のポール・シュレイダーの兄で、『太陽を盗んだ男』『MISHIMA』で知られるレナード・シュレイダー。「小説のエッセンスを残しながら、新たに映画的な構成にするのは至難だった」「ヘクトールは原作の英語化に慎重であり続けた」と語っているが、いくつかの改訂(舞台をアルゼンチンからブラジルに変更/当時のブラジル軍事独裁政権という政治的背景を追加)はあるものの、想像力豊かに、かつ忠実に脚色している(オスカー脚色賞ノミネート)。卓越したシュレイダーの脚本を得たことで、翻訳された他国語の映画を演出する外国人監督が、慣れない言葉でオリジナルのトーンを失うという罠に陥ることなく、洞察と驚きに満ちた秀作に仕上げてみせたのである。
本作品は2008年に米国版BLU-RAY(HDリマスター)2011年年に2Kレストア仏版BLU-RAY(同・2018年UK版)が登場しているが、前者はとても褒められた画質・音質ではなく、後者も及第点ギリギリの仕上がりだった。本盤は35mmオリジナルカメラネガ(一部インターポジ)からの最新4Kデジタルレストア/HDRグレード版となる。またサウンドもオリジナルMONOトラックを初めてロスレス収録(リマスター5.1サラウンドトラックも収録)している点にも注目だ。
1992年、劇作家で舞台演出家のテレンス・マクナリーは、原作小説と映画を下敷きに、同名舞台ミュージカルを制作している。舞台版は1993年トニー賞で最優秀ミュージカル作品賞、最優秀脚本賞、最優秀作曲賞を受賞。そして2025年、ジェニファー・ロペス、トナティウ、ディエゴ・ルナ共演によるミュージカル映画が製作され、10月10日に劇場公開されている。監督・脚本・製作総指揮は『シカゴ』『ドリームガール』のビル・コンドン。2026年初旬に配信とフィジカルディスク(BLU-RAY)リリース予定となっている(UHD BLU-RAYは未アナウンス)。
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- Alternate uncompressed monaural soundtrack
- Interview with Suzanne Jill Levine, biographer of Kiss of the Spider Woman author Manuel Puig, about the adaptation
- Tangled Web: Making "Kiss of the Spider Woman" (2008), a feature-length documentary
- Short program on Puig
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by critic B. Ruby Rich
Released: JANUARY 27, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
※ When viewing this clip, please set resolution to 2160p/4K
| タイトル | 蜘蛛女のキス |
|---|---|
| 年 | 1985 |
| 監督 | ヘクトール・バベンコ |
| 製作 | デヴィッド・ワイズマン |
| 製作総指揮 | フランシスコ・ラマーリョ・ジュニア |
| 原作 | マヌエル・プイグ |
| 脚本 | レナード・シュレイダー |
| 撮影 | ロドルフォ・サンチェス |
| 音楽 | ジョン・ネシュリング |
| 出演 | ウィリアム・ハート ラウル・ジュリア ソニア・ブラガ ジョゼ・リュウゴイ ヌーノ・レアル・マイア デニス・デュモント ミウトン・ゴンサウヴェス |
NEW:12月のクライテリオン『ピーウィーの大冒険 4K』『アメリカン・ユートピア 4K』ほか
NEW & BACK NUMBER:世界映画Hakken伝 from HiVi