トップウィングサイバーサウンドグループから、アナログレコード用の除電シェルリング「Static Eraser “Direct”」(¥13,200、税込)が登場。6月6日に発売される。

 レコード再生における最大の障害のひとつが静電気だ。塩化ビニルでできているレコード盤は、再生中にも静電気が蓄積されてしまう。特に音溝とスタイラスチップの摩擦によって、再生中に数百〜数千Vもの静電気が発生してしまうという。たとえ再生前に完璧に除電しても、静電気は音楽とともに生まれてしまうのだ。

 Static Eraser “Direct” は、トーンアームのヘッドシェル部に取り付けるだけで、レコード再生中に発生する静電気を効率的に逃がすシェルリング。独自の形状と導電素材によって、静電気を100V以下にまで低減可能だそうだ。

 Static Eraser “Direct” に使用されている導電性ゴムは、本来であれば振動を吸収する性質を持っている。しかし今回はあえてこの素材をヘッドシェルとシェルナットの圧力で完全に潰れるように設計している。ただし、潰すことで振動吸収は無効化できても、素材が破損したり、機能が劣化してはいけない。そこで素材の組成自体も再設計し、導電性・耐久性・変形特性の最適なバランスを追求している。

 同シリーズの “Modern” が振動吸収特性を備え、しなやかで整った音場表現を志向しているのに対し、“Direct” はあえて振動吸収効果を持たせず、録音に込められた音そのものをストレートに引き出すチューニングを行っている。また、ゴムという素材の特性上、ロックナットとヘッドシェルが密着し、ガタが出ないという効果もあるそうだ。

 Static Eraser “Direct” は、従来の金属布接触型のように盤面にノイズや追従性の問題をもたらすことなく、非接触で確実に放電できる点もポイントという。設置位置や操作に左右されることなく、常にトーンアームと連動して静電気を逃がすため、どのようなレコードプレイヤーでも安定した効果が得られるわけだ。

 放電性能を最大限発揮するためには、レコード盤面とStatic Eraser下端の距離が重要で、接触しない範囲で近ければ近いほど効果を発揮するそうだ。Static Eraserには長さが異なるタイプが2種類付属しているので、愛用のカートリッジに合わせて、盤面とStatic Eraserの下端の距離が近くなる方を選ぶといい。

 なお、ヘッドシェルを用いないカートリッジ直付けトーンアームや、アーム部もしくはヘッドシェルコネクター部が樹脂製のトーンアームでは使用できないので注意していただきたい。