海外盤発売情報
米国盤『北陸代理戦争』2025年2月25日リリース

HOKURIKU PROXY WAR - BLU-RAY/4K DIGITAL RESTORATION

UKインディーズ・レーベル、ラディアンス・フィルムスから届いたBLU-RAY『北陸代理戦争』(1977/東映)リリース・アナウンス。東映提供の4KレストアDSM(デジタルソースマスター)使用/2Kリマスター。UK/US同時リリース。国内BLU-RAY未発売。

※ 北陸代理戦争:予告編(LINK)

日本海の飢えた狼は親兄弟をも喰い殺す!
競艇場の権利問題を巡り、北陸の富安組若頭の川田(松方弘樹)は、日ごろから対立していた組長の安原(西村晃)に牙を剥いた。その仕打ちに脅えた安原は、弟分の万谷(ハナ肇)を介して大阪の広域暴力団・浅田組幹部の金井組組長(千葉真一)へ助けを求めた。当時西日本最大の組織であった浅田組は、山陰・中部に続き北陸侵略を画策しており、金井は仲介役を引き受ける名目で福井県に乗り込んだ。金井と手を組んだ万谷は、川田の存在が邪魔になり、喫茶店に呼び出して襲撃、瀕死の重傷を負わせるが・・・。共演は野川由美子、伊吹吾郎(撮影中に重傷を負った渡瀬恒彦の代役)。

かの東映実録やくざ映画『仁義なき戦い』から5年の歳月が流れた1977年2月、同じく深作欣二の監督による本作が公開された。そして本作をもって、事実上、東映実録路線は終焉を迎えたのである。やくざ映画への情熱を失いつつあった東映実録路線の立役者、深作欣二と菅原文太も新たな挑戦に乗り出し、東映もまた大作一本立て興行へと舵を取ることになった。その中には『日本の首領』シリーズや快作『沖縄10年戦争』といった作品もあるにはあったが、本作が東映映画のひとつの分岐点となったことは間違いない。同時上映は川谷拓三主演『ピラニア軍団 ダボシャツの天』。

脚本はのちに『鬼龍院花子の生涯』や『極道の妻たち』シリーズなどで、東映エース脚本家として名を挙げることになる高田宏治。深作欣二とともに東映実録路線を牽引した脚本家・笠原和夫に対抗すべく、当時真っ只中だった暴力団抗争の渦中に飛び込んで取材を敢行、迫真の脚本を書き上げた。

SPECIAL FEATURES

  • NEW 2K DIGITAL MASTER, from restored 4K DSM (Digital Source Master)
  • Uncompressed mono PCM audio
  • New interview with actress Yoko Takahashi (2024, 15 mins)
  • New interview with screenwriter Koji Takada (2024, 19 mins)
  • Yakuza film historian Akihiko Ito on the real-life Hokuriku Proxy War murder case (2024, 15 mins)
  • Trailer
  • Newly improved English subtitle translation
  • Reversible sleeve featuring original and newly commissioned artwork by Time Tomorrow
  • Limited edition booklet featuring newly translated archival writings on the film
  • Limited edition of 3000 copies, presented in full-height Scanavo packaging with removable OBI strip leaving packaging free of certificates and markings
  • REGION - A and B "LOCKED"

Reversible sleeve featuring original and newly commissioned artwork

松方弘樹が演じた川田のモデルは、“北陸の帝王”と呼ばれた武闘派ヤクザ、三代目山口組幹部の菅谷組組長・菅谷政雄を親に持つ川内組組長・川内弘である。この川内が、本作公開から1か月半後の4月13日、福井県三国町の喫茶ハワイで4名の男たちに襲撃され、射殺されるという事件が起きた。川内の襲撃された状況が、本作前半の襲撃場面と酷似しており、この事実を知った映画関係者は震撼することになる。なにしろ襲撃現場が劇中に登場する喫茶ハワイ(外観は実物/内観はセット)であり、まるで現実が本作を模倣したかのようであったからだ。なぜ現実が映画と重なり合ったのか?その核心に迫ったのが伊藤彰彦著「映画の奈落 北陸代理戦争事件」(2014年刊行)である。徹底した取材によって組関係者の今昔を追いつつ、高田宏治の脚本執筆や映画製作に関する当時のエピソードを盛り込み、ページをめくる手を休ませない必読本である。

私と(川内が)しゃべっていた同じ椅子で!有名な事件です。撃たれてほんとに殺された。もうこの話を聞いたときは・・・なんというか・・・戦慄なんてものじゃなかった。なんともいえない気持ちになりましたね。狙われていたとは思うけど、あんな映画作りやがってということが一つの引き金になった気がします。(高田宏治/西谷拓哉・著『高田宏治 東映のアルチザン』より)

DISC & FILM SPECS

TitleHOKURIKU PROXY WAR
ReleasedFeb 25, 2025 (from Radiance Films)
SRP$39.95
Run Time98min
CodecMPEG4/AVC
Aspect Ratio2.35:1
Audio FormatsJapanese PCM Mono (48kHz / 24bit) ※other format(s) TBA
SubtitlesEnglish ※other subtitle(s) TBA
タイトル北陸代理戦争
1977年
監督深作欣二
製作岡田茂
製作総指揮日下部五朗 橋本慶一 奈村協
脚本高田宏治
撮影中島徹
音楽津島利章
出演松方弘樹 野川由美子 伊吹吾郎 高橋洋子 千葉真一 ハナ肇 西村晃 地井武男 小林稔侍 矢吹二朗 織本順吉 中原早苗 天津敏 遠藤太津朗 中谷一郎 成田三樹夫 林彰太郎 曽根将之 西田良 牧冬吉

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