クリプトンは、好評の薄型重量級ハイブリッドオーディオボードの新たなラインナップとして、「AB-UT1」(¥17,600、税込)を10月中旬に発売する。

 既発売の「AB-555」や「AB-PB1」と同様に、クリプトンのオリジナル技術「鉄球サンド」を採用。これにより比重がひじょうに大きくなり、機器の電磁ノイズを防止、鉄球の振動によって外部振動の吸収を実現できるという。

 AB-UT1は、AB-555(W450✕H22.5✕D400mm)と、AB-PB1(W330✕H22.5✕D170mm)の間に位置する製品で、本体サイズはW298✕H22.5✕D298mmとなる。実はAB-PB1は当初電源タップ用として発売したそうだが、実際にはAB-PB1を2個大型アンプの下に敷いて使う方もいたそうで、ユーザーの使いこなしの工夫に驚いたそうだ。

 それを踏まえて今回は、昨今増えているハーフサイズのコンポーネントやUSB DAC、ブックシェルフスピーカーなどと組み合わせて、マルチな用途で使いこなしてもらいたという思いからこのサイズを選んでいる。ちなみに型番の「UT」はもちろん、ユーティリティに由来している。

 その効能を確認しようと、先ほど発表されたスピーカー「KX-1X」と組み合わせた効果を確認してみた(KX-1Xについては関連リンクを参照)。

 KX-1Xをスピーカースタンドの「SD-5」にべた置きした状態と、間にAB-UT1を介して乗せた状態で音を聴き比べる。ちなみにKX-1Xのような密閉型スピーカーの場合、エンクロージャーがある程度自由に振動できた方が低音感や伸びやかさを持った再現が可能になるそうだ。

クリプトンのスピーカースタンド「SD-5」の天板と「KX-1X」の間に「AB-UT1」を挟むだけで音が変化した

 つまりスタンドにべた置きした状態では、スピーカーがスタンドの影響を受けて本体の振動が変化する可能性があるわけだ。そこでAB-UT1をスタンド天面とスピーカーの間に挟んだら、音の聴こえ方も変わるかどうかを確認しようということだ。

 その結果は確かにあり、スタンドにべた置きした状態では全体的に音が詰まった印象もあったのに対し、AB-UT1を挟むとより伸びやかで開放的なサウンドに感じられる。ヴォーカルやピアノの高音もナチュラルに響いてくる。

 近年増えているというデスクトップオーディオでは、スピーカーを机に乗せることになる。そういった場合スピーカーは机の天板の影響を受けるわけで、音が気になるという場合にはAB-UT1は最適なアイテムになるだろう。

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