ハーマンインターナショナルが先日開催した内覧・試聴会の「HARMAN ExPLORE TOKYO2024 秋季新製品内覧会」で展示されていた完全ワイヤレスイヤホン「TOUR PRO 3」が早くも正式リリースされた。

●完全ワイヤレスイヤホン:JBL TOUR PRO 3 JBLオンラインストア価格¥42,900(税込)

 JBL完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデルで、一番の特長は同ブラドとして初めてバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーと10mmダイナミックドライバーによるデュアルドライバー構成を採用した点にある。20Hz〜8kHzを10mmダイナミックドライバーが、8kHz〜40kHzをBAドライバーが受け持つことで、従来以上に深く力強い低音と、鮮明なヴォーカル、透明感のある高域の再現を可能にしている。

 同時に、ハイレゾBluetoothコーデックのLDACもサポートした。この点については日本市場での要望も強かったそうで、それだけ完全ワイヤレスイヤホンもいい音で楽しみたいというユーザーが多いということだろう。なおTOUR PRO 3から、充電ケースのディスプレイ部にBluetoothコーデックの種類が表示されるようになったので、現在のコーデックもひと目で確認可能だ。

 さらに独自の空間オーディオ再生にも対応した。「ムービー」「ミュージック」「ゲーミング」モードが準備され、アプリや充電ケースのメニューから切替可能だ。ヘッドトラッキング機能も搭載しており、同機能をオンにすると、通常の2chソースの再生時にも、頭の向きに合わせて音像を調整してくれる。なおLDAC使用時は、空間オーディオ機能は使えない。

 充電ケースにはトランミッター機能も内蔵されており、UBS Type-CケーブルでDAPやPC、あるいは付属の3.5mm→USB Type-Cアダプターでテレビのヘッドホン出力等につなぐことで、送信機能の付いていない再生機の音声もワイヤレスで楽しめるようになる。イヤホンとの間は2.4GHz無線、またはLC3(オーラキャストモード時、ファームウェアアップデートで対応予定)で伝送する。

 アクティブノイズキャンセリング(ANC)も搭載しており、周囲の環境に合わせて効果を自動補正するハイブリッドノイズキャンセリング機能が使えるようになっている。ユーザーの外耳道の形や装着状態に応じてリアルタイムでノイズキャンセリング処理を行うようアルゴリズムも進化している。

「TOUR PRO 3」のイヤホンで使われているパーツ。写真左から2番目がBAドライバーで、その右が10mmダイナミックドライバー

 JBL製イヤホンとして初めてフォームイヤーチップ(Mサイズ)も同梱しており、これを使用することでより高いノイズキャンセリング効果も実現可能という(イヤーチップの種類はアプリで設定する)。

 先述した充電ケースは、ディスプレイサイズが1.57インチと前モデルから約29%大きくなり、より使いやすくなった。待ち受け時のバッテリー状態や再生しているアルバムや楽曲名の日本語表示にも対応している。もちろんここから楽曲の再生やボリュウムコントロールなどの操作も可能だ。

 連続再生時間はイヤホン本体が約11時間+充電ケース使用時約33時間で、LDACコーデック使用時はイヤホン本体が約8.5時間+充電ケース使用時約25.5時間とのことだ(どちらもANCオフ)。

充電はUSSB Type-Cアダプターで行う仕組みで、その他にQiによるワイヤレス充電にも対応している

 なお同社では、「b8ta」でTOUR PRO 3の先行展示をスタートする。実際に製品を手に取り、音質や装着感をはじめとした音楽体験も可能とのことだ。展示期間は9月19日(木)から1ヵ月で、展示店舗はb8ta Tokyo Yurakucho(有楽町)、b8ta Tokyo Shibuya(渋谷)、b8ta Koshigaya Laketown(埼玉・越谷)、b8ta OsakaHankyu Umeda(大阪・梅田)。

 さて、StereoSound ONLINEでは現在TOUR POR 3を取材中です。具体的なインプレッションは近日中にお届けするのでお楽しみに。

「JBL TOUR PRO 3」の主なスペック

●使用ユニット:バランスド・アーマチュア(BA)ドライバー、10㎜径ダイナミックドライバー
●周波数特性:20Hz〜40kHz
●対応コーデック:SBC、AAC、LDAC、(LC3対応予定)
●Bluetooth:バージョン5.3 (LE Audio対応予定)
●防水規格:IP55(イヤホン本体のみ)
●連続使用時間
Bluetooth接続:ANCオフ時 イヤホン本体約11時間+充電ケース使用約33時間、ANCオン時 イヤホン本体約8時間+充電ケース使用約24時間
LDAC接続:ANCオフ時 イヤホン本体約8.5時間+充電ケース使用約25.5時間、ANCオン時:イヤホン本体約7時間+充電ケース使用約21時間
●重量:イヤホン本体各約6.1g 、充電ケース約73g