三鷹の森ジブリ美術館では現在、「君たちはどう生きるか展第二部レイアウト編」を開催中だ。第96回アカデミー賞 長編アニメーション賞を始めとする多くの賞に輝いた本作の、最初の絵とも言えるレイアウトが206枚も展示されるという貴重な機会となっている。今回その内覧会に潮晴男さんも参加、同時に前から気になっていたという映像展示室「土星座」の上映を体験している。以下でそのインプレッションをご紹介いただこう。(StereoSound ONLINE編集部)

土星座のほぼ真ん中の席に座って、上映開始を待つ潮さん

 三鷹の森ジブリ美術館で本日、5月25日から11月10日までの会期で催される「君たちはどう生きるか展 第二部」の内覧会に参加してきた。企画展示の詳細はこちらの記事( https://online.stereosound.co.jp/_ct/17701834 )を参照してもらいたいが、かねてより気になっていた美術館内の映像展示室「土星座」の画・音の視聴をさせてもらうことができたので、以下でそのリポートをお届けしたい。

 土星座は80名ほどが入れる映画館で、サイズ的にはスタジオジブリの社内試写室と、愛知県のジブリパークにある映像展示室「オリヲン座」のちょうど中間くらいの大きさだ。広がりのある開放的な空間で、のびのびとした気分で作品を楽しめる。

スタジオジブリの短編映画はこれまで10作品制作されており、「星をかった日」は5作目に当たるとか

 当日の上映作品は『星をかった日』という16分の短編映画だった。ジブリパークの取材記にも書いたが、ジブリのイベント上映は親子連れを対象にしているため、子供達が飽きないよう作品についても時間的な配慮がなされているのだろう。

 主人公のノナ少年が野菜と引き換えに星の種を手にして、それを育てるというストーリーで、ノナ少年を神木龍之介、ふしぎな女性ニーニャを鈴木京香、モグラのスコッペロを若山弦蔵、カエルのメーキンソーが大泉 洋という、豪華な声優陣も本作のポイントだ。

プロジェクターはクリスティの業務用モデル

 プロジェクターは2K仕様のクリスティ製DLPモデル、音響システムはフロントL/C/RがJBLのウーファと国産のミッドレンジユニットを組み合わせた特別仕様ということだが、ドライブ用アンプを含めた調整が行き届いているためか、つながりのいい音場が楽しめる。特に若山弦蔵と大泉 洋の声には厚みがあり、野太さがしっかり再現できていた。

 クリアーな映像とともに深みのあるサウンドを聴くことのできる、貴重な劇場なので、三鷹の森ジブリ美術館を訪れた際には、ぜひ土星座の絵と音を体験していただきたい。上映作品はひと月ごとに入れ替わるので、何度でも繰り返し楽しめるだろう。

三鷹の森ジブリ美術館は初めてとのことで、土星座を体験した後に屋上庭園でロボット兵と記念撮影

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