クリエイティブメディアから、USBオーディオトランスミッター「BT-W5」が発売された(¥6,800税込)。今回は前モデル「BT-W4」に対してサポートフォーマットが拡大し、aptX Adaptiveの96/24に対応したのが進化点(W4は同48/24までだった)。価格的にはW4と同じだが、USB変換アダプターとマイクが割愛されているので、なんとかそこで価格上昇を吸収した模様だ。(アダプターは直販サイト購入でプレゼントされる)。ここでは早速、各種機器と組み合わせて、その使い勝手や音質についてテストしてみた。
まずはノートパソコンとの組み合わせ。
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上の記事では、当時新製品だったW4を、その前モデル「BT-W3」と比較しているが、今回のW4とW5の比較でも同様の結果となり、W5の音質向上の模様が確認できた。組み合わせたのはfinalの完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000」で、接続はaptX Adaptiveの96/24(になっているはず)。配信番組(radiko)やダウンロードしたコンテンツ(FLAC 96/24)を再生してみたが、すこし音にこもりを感じるW4に対し、そのこもりがなくなり、96/24接続らしく高域までスッと伸びたサウンドが楽しめるようになっていた。ただし、細かいことを言えば、音数は少な目で、少し粗い印象はある。最近はデスクトップオーディオに注目が集まっていて、パソコンや専用のオーディオプレーヤーと組み合わせる製品もさまざまに登場してきているが、USBドングル一つで手軽にオーディオの品質をアップできるのは、本モデルの大きな特徴と言えるだろう。
さて、本W5はほかに、据え置き、あるいはポータブルタイプのゲーム機との組み合わせも想定しているが、記者はそちらの方面にはあまり手を出していないので、代わりに、いつものフィールド内でテストを継続してみた。
次に組み合わせたのは、ソニーのウォークマン「NW-ZX707」。動くか動かないかで言えば動いたのだが、残念ながら音声がぶつ切りとなってしまい、きちんとした再生はできなかった。どうもZX707のUSB-C端子にはクセがあるようだ(継続して調査したい)。
次にAstell&Kernの「SP1000」。こちらも動くか動かないかで言えば動いたのだが、USB-C端子の仕様が、そもそもPC相手の接続を想定しているらしく、音量調整ができないため、イヤホンからはマックスボリュームで音が出てしまう。イヤホンを同じfinalの「ZE3000」に替えたところ、ほどよい音量で再生されていたので(もちろん、音量調整はできないのだが)、この組み合わせなら使えるかもしれない。
面白かったのは、シャンリンのオーディオプレーヤー「M0 Pro」と組み合わせた時。きちんと再生が行なえ、M0 Pro側で音量調整も行なえた。この場合の音質は、音の粒立ちも細かくなり、高域の再現性もまずまず。ただし、ZE8000とダイレクトに接続した場合の音質と比べると、音数が少なく、低域が若干強調気味になるところが気になった。一方で、M0 Proは完全ワイヤレスイヤホンとの接続性は前モデル「M0」から改良されてはいないようで、特にZE8000が相手では、接続するのに10分ぐらいかかるので、すぐに接続できるM0 Pro+BT-W5の組み合わせは、実用上の利便性はある。
総じて、前モデルBT-W4よりも音質やサポートフォーマットが拡大している今回のBT-W5は、所有するUSB-C対応機器(ポータブル含む)を手軽のワイヤレス化できるものとして、便利に使えるだろう。