THE KILLING | 1956 | 83min 54sec | BD-66 | HEVC / H.265 | Native 4K | HDR10 | DOLBY VISION
| 1.66:1 | DTS-HD Master Audio 2.0 | Kino Lorber | Jul 26, 2022 | $39.95(amazon.com: $27.99)

スタンリー・キューブリック、ハリウッド・デビューの傑作。いやはや、なんど観ても面白い。『2001年宇宙の旅』以前のキューブリックは、地球にしっかり根を下ろし、犯罪映画の再構築に挑んでいたのだ。スタンリー・ヘイドンらのメガクールな演技はいまもカルト的な人気を誇っているし、タフなセリフはいかにもフィルムノワール。そして巧妙に入り組んだプロットは(『レザボア・ドッグス』の原型だ)は過去から現在、現在から過去へと自在に行き来して、競馬場の売上金強奪を目論む男たちの破滅を鮮やかに浮き上がらせる。原作はライオネル・ホワイトの『CLEAN BREAK/見事な結末』。追加台詞は作家ジム・トンプソンが担当する。

撮影は『ワイルドバンチ』のルシアン・バラード。35mmオリジナルカメラネガからの4Kデジタルレストア。2011年にはクライテリオンBLU-RAY(同ネガからの2Kスキャン/レストア)が登場しているが、2Kと4Kスキャンの差異は広範に現れる。アセテートセルロースの触感を提供するナチュラルな粒子感を維持しながら、的確に拡張されたコントラスト、明瞭さ、陰影濃淡は観応えあり。明度の高いデイライトショットの背景にはデジタルノイズが散見されるが、本盤制作の上ではわずかな代償と思われたい。細部描画力も改善され、なかでも大顔絵は魅力のひとつ。

2011 CRITERION BLU-RAY - 2K RESTORATION

2022 KINO UHD BLU-RAY - 4K RESTORATION

音響エンジニアは『キャット・バルー』のアール・シンダー。本作のサウンドトラックはMGMが2008年にリマスター。同マスターを使用した2011年クライテリオンBLU-RAY収録のリニアPCM 1.0サウンドトラックは、DTS-HDマスターオーディオ2.0/モノーラルトラックに置換。派手さはないが、総じて優れた忠実度とトーンの深みを提供している。アクション・シークエンスのダイナミズムはなかなかのもの。ジェラルド・フリードのスコアも破滅のムードを盛り上げる。

UHD PICTURE - 4.5/5  SOUND - 4/5

4K SCREEN CAPTURE
映像平均転送レート 76495 kbps(HDR10)| 2775 kbps(DOLBY VISION)
音声平均転送レート 1817 kbps(DTS-HD Master Audio 2.0 Mono | 48kHz | 24bit)

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