シャープは、東京国立博物館の創立150周年を記念して開催される特別企画「未来の博物館」(10月18日~12月11日まで)に、主催のひとつ文化財活用センターと共同で「8K文化観賞ソリューション」を出展する。
今回の未来の博物館では、シャープに加え、NHK、キヤノンといった企業・協会との協業(協賛)により、8Kをキーワードに、会場に実際に展示される文化財をデータ化し、そのデジタルコンテンツを用いて、貴重な文化財をより楽しめるような、表示、展示、体験できるようになっているのが特徴となる。
シャープは、「夢をかなえる8K」を掲げる第3会場=東洋館のエントランスにブースを構え、文化財を高精細スキャンして3DCG化して、それを8Kディスプレイで表示することで、その細部を確認したり、まるで手にしているかのような感覚を味わえる展示を行なっている。
詳しくは、これまでに展示・発表してきた「8Kで文化財 ふれる・まわせる名茶碗」と「8K文化財 みほとけ調査」の2つのテーマを、よりブラッシュアップして展示するものとなる。
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それぞれの展示の技術的なものは、上に紹介した関連サイトをご覧いただくとより理解が深まると思うが、簡潔に紹介すると、「ふれる・まわせる名茶碗」では 東京国立博物館が収蔵する名茶碗を立体スキャンし、無垢の人工大理石からの削り出しでレプリカを作成。そこにセンサーを取り付けることで、8Kディスプレイの前で、そのレプリカを手にすると、画面には手にしたレプリカと同じ角度で名茶碗を高精細な3DCG映像が表示され、通常では手にすることのできない貴重な文化財を、まるで実際に触わり、見ている感覚を味わえる、というものだ。データ化された茶碗は従来の3品目(3椀)から6品目へと増えたところが、ブラッシュアップ点。
一方のみほとけ調査も茶碗と同じく、貴重な仏像を3DCG化しており、それを120インチの8Kディスプレイに表示。手にしたライト型のコントローラーにて、仏像の向きを自由に回転させたり、好きな部分を拡大して細部を見られるというものだ。ユーザーの動きを検知するセンサーも、ディスプレイ前に設置されており、操作者の動きに合わせて仏像が動くようになる。試しにジャンプしてみたら、表示されている仏像もジャンプしたので、気になった方は遊んでみてほしい。
そのほか、第1会場(本館)では「時空を超える8K」というテーマにて、NHK(主催)が、法隆寺に収蔵されている救世観音像をデータ化し、幅13mの特大スクリーンに投写する展示や、国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」を幅10mの大型ディスプレイに表示する展示、データ化した土偶、甲冑、能面(いずれも重要文化財)を85インチのディスプレイに表示、自在に操作(回したりできる)できる展示が楽しめるようになっている。
第2会場(本館)では、キヤノンの協賛にて、「四季をめぐる8K高精細複製屏風」をテーマに展示。「花下遊楽図屏風」「納涼図屏風」「観楓図屏風」「松林図屏風」の4つの国宝を高精細にスキャンし、それを複製した屏風を展示し、さらにその上に、四季を感じる映像をプロジェクションマッピングで重ね表示し、動く、感じる国宝の四季を演出しているそうだ。