THE WAR OF THE WORLDS | 1953 | 85min 25sec | BD-66 | HEVC / H.265 | Native 4K | HDR10
DOLBY VISION | 1.37:1 | DTS-HD Master Audio 5.1 | Warner Bros. | Sep 20, 2022
$33.99(amazon.com: $25.99 )

パラマウント・プレゼンツ・シリーズ第35弾。
UHD BLU-RAY『宇宙戦争』とBLU-RAY『地球最后の日(aka.地球最後の日)』を所収。
いずれも 日本語字幕収録

ご存知、火星人の侵略を描いたH・G・ウェルズの同名SF小説の映画化で、宇宙人の地球侵略を描いた最良の一本。舞台設定、人物配置、ストーリーテリングはSF映画のモデルとなり、以降のエイリアン映画に大きな影響を与えた。『地球最后の日』のジョージ・パル製作。監督は『黒い絨毯』のバイロン・ハスキン。ふたりは3年後、『宇宙征服』でふたたびコンビを組むことになる。主演はTV『刑事コロンボ/殺人処方箋』のジーン・バリー。共演に『必殺の銃弾』のアン・ロビンソン。アカデミー特殊効果賞受賞(編集・音響賞ノミネート)。

3色分解(捺染式)テクニカラー・ネガからの2018年4KレストアDSM(デジタルソースマスター)使用。これは2020年クライテリオンBLU-RAYマスターとして使用されている。2022年HDRグレードはHDR10とドルビービジョンHDR。シネフィルには超期待の一本であるが、残念ながら映像は期待を裏切る仕上がりとなった。開幕から1分40秒ほどでセドリック・ハードウィックのナレーションが始まり、画面には火星の遠景ショットが映し出される。どういうわけか本盤ではブルーの色味になっており、これは豪インプリントBLU-RAYや米国でのストリーミング4K配信版と同じエラーである。一方でクライテリオンは、2020年リリースの際に火星の色味を修正しており、流石である。

2022 UHD BLU-RAY:PARAMOUNT PRESENTS
シネフィルが驚きの声を上げたブルーの色合いの火星(パラマウントDVDでは赤い火星であった)。
パラマウントではリコール等の正式コメントを発していない。

2020 BLU-RAY:THE CRITERION COLLECTION
赤い火星の画像 はアメリカの著名な画家・イラストレーターである、チェスリー・ボーンステルが描いたもの。製作のジョージ・パルがボーンステルに依頼した理由は、NASAアメリカ航空宇宙局と深いつながりがあり、宇宙計画に影響を与えたと言われる彼の膨大な知識に頼ったからである。

捺染式テクニカラーの染料転写印刷では、非常にソフトな映像が得られ、薄い粒子感のビロードのようなイメージとなることを忘れてはならない。その点では本盤の画像再現は成功していると言えよう。HDRとWCG(広色域)による発色の素晴らしさも必見に値する。だが過剰なHDRグレードの痕跡もあり、例えば下欄の映像では光線や発光のディテイルが消失している。個人的にはエラー症状が幾分緩和されるHDR10での鑑賞をお薦めしたい(発色や黒の再現は後退するが)。

2022 UHD BLU-RAY:PARAMOUNT PRESENTS

2020 BLU-RAY:THE CRITERION COLLECTION

クライテリオン版にも採用された、2018年5.1リミックス・サウンドトラック(スカイウォーカーサウンドのベン・バート監修/リマスター)収録。残念ながらクライテリオンやインプリントBLU-RAYに収録されていた、オリジナル・モノーラル音声は未収録となる。5.1chリミックスは、オリジナル音声の味わいを保持しながら、フロント・ステージを拡張、より豊かで堅牢なトーンを追加している。ローエンドもわずかに伸長。サラウンドはアンビエントや限られたSF活劇効果に使用されている。

ウエスタン・エレクトリックによるマルチトラック・マグネティック・ステレオフォニック・サウンドシステムを採用、3トラックステレオでも録音。だが当時、この方式で上映された劇場はほんの一握りであった。

UHD PICTURE - 4/5  SOUND - 4/5

4K SCREEN CAPTURE
映像平均転送レート 63185 kbps(HDR10)| 15829 kbps(DOLBY VISION 20.03%)
音声平均転送レート 3291 kbps(DTS-HD Master Audio 5.1 | 48kHz | 24bit)

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