TVS REGZAは、近年の液晶テレビのトレンドにもなっている「量子ドット技術」を搭載した4K液晶レグザ「Z770Lシリーズ」、および「Z670Lシリーズ」の発売に合わせて、その量子ドット技術とは何ぞや? を紹介する報道陣向けの説明会を実施した。

 同社の考える4K液晶テレビの高画質を決める要素としては、「きめ細やかさ」「自然な色」「コントラスト」の3つがあり、ここで紹介する量子ドット技術(TVS REGZAの表記では“広色域量子ドット技術”となる)とは、自然な色の再現に大きく関与するものとなる。

 そもそも量子ドットとは、ブルーの光を当てることでさまざまな色を発生させる半導体微粒子のことで、それを数百から数千を集めてシート状とし、液晶テレビの構成要素となる、バックライトと液晶パネルの間に設置することで、バックライトから発せられた光=青色光から、色の純度の高い三原色=RGB・赤緑青を作り出す働きがある。

ボトルの中に入っているのは量子ドットのサンプル。青い光を当てると、赤(左)、緑に発光しているのが分かる

広色域量子ドットシートを採用することで、純度の高い三原色を得ることができるようになった

 その量子ドットは、微粒子のサイズの違いによって発生する色が異なるそうで、小さいと青系の色を、大きいと赤系を発するようになる。つまり、狙った色を発生させるサイズを選択し、大きさの精度を揃えることで、純度の高い色の再現が可能になるということだ。TVS REGZAでは、その広色域量子ドットシートに、緑色と赤色を発する量子ドットを混ぜ込むことで(青色はそのまま透過する)、純度の高いRGB光を得ているという。

広色域量子ドットシートの模型。赤色を発する量子ドットと、緑色を発する量子ドットを混ぜ込んで成型している。青色はバックライトの光をそのまま透過させる

 その効果は色度図にも現れ、RGの頂点部分の面積が広がり、つまりは色の純度と再現域が向上(=広色域)していることが見て取れるものとなっていた。

広色域量子ドット搭載モデル(右 Z770L)と、通常モデル(左 量子ドット非搭載 M550L)の色再現の違いのデモ