Amazon(アマゾン)の最新スマートデバイス「EchoShoe15」(¥29,980、税込)の自宅での使いこなしについてのリポート後編をお届けします。

 おさらいとして、EchoShow15は15.6インチの液晶ディスプレイを搭載したスマートデバイスで、Alexa機能を内蔵し、Prime VideoやAmazon Music、各種ウィジェットを活用可能。「家族の暮らしの中心にあるデバイス」という位置づけで、ビジュアルID機能を活かした顔認識でユーザーに合わせたカレンダーなどの情報を表示してくれる。

EchoShow15を箱から取り出したところ。右が壁掛け金具で、石膏ボード等に固定するネジなども付属する

 前回は、EchoShow15の視聴機を別売の専用スタンドにセットし、リビングのラックに置いた状態でAmazon Musicの楽曲を再生した。EchoShow15の正面に座り、試聴距離は約1mといったところ。

 ULTRA HDで配信されているコンテンツから『ボヘミアン・ラプソディ』のサントラや、ビートルズ『Get back(ROOFTOP PERFORMANCE)』を再生する。この状態ではロスレスのFLAC音声が再生されている模様。

 EchoShow15は本体短辺にL/Rスピーカーを内蔵しており、横設置ではステレオで再生される。その音はステレオ感やヴォーカルの定位を追究したというよりは、ふんわり広がって包み込むような音場を展開する。縦配置(自動的にモノーラル再生に変更される)では、音が画面に寄り添ってまとまる方向になっている。

アマゾンの説明会場で、付属の壁掛け金具をネジで固定していた(左)。EchoShow15背面のスリットにこれを引っかけることで本体を壁掛けできる。スリットは正方形で、本体は縦・横どちらでも取り付け可能

 リモートワークのBGMとしてはこれでも楽しめそうだが、個人的には音圧感をもっと上げたいし、ヴォーカルは中心に定位して欲しいと感じる。

 EchoShow15にはBluetooth送信機能もついているので、試しにノーブルオーディオのBluetoothイヤホン「FALCON PRO」とつないでみた。EchoShow15のメニュー画面で「Bluetooth」を選ぶと接続可能なデバイスとして検出され、簡単にペアリングが完了した。

 イヤホンによる頭内定位ではあるが、声の質感や細かい音の再現性はこっちのほうが上で、『Get back〜』のライブ感もきちんと出てくる。のだけれど、この状態ではEchoShow15からは音が再生されないわけで、リビングのコミュニケーションツールとしてそれでいいのかという気もする……。

設定メニューから、Bluetoothイヤホンやスピーカーをペアリング。なおペアリングした機器の電源が切れると自動的にEchoShow15のスピーカーから音が出るように切り替わる

 そこでBluetoothスピーカー、SONOS「Roam」とペアリングしてみた。Roamはバッテリー内蔵のポータブルスピーカーで、Wi-FiとBluetoothによる音楽再生が可能。内蔵スピーカーはモノーラルだけど、低域の豊かな音が楽しめる。

 Roamを横配置したEchoShow15の手前に置くと、サイズ的にはぴったりで収まりがいい。Amazon Musicで数曲再生したが、音圧感はしっかり出てきて、ボリュウムを上げても歪む感じはない。モノーラルならが広めの音場展開も可能。男声の太さも出てくる。

EchoShow15とRoamを組み合わせた様子。サイズ的な収まりはぴったりで、モノーラルながら音も好印象

 ならばとPrime Videoから『トップガン』を再生すると、F-14のエンジン音はさすがに厳しいが、テーマ曲もテンポよく聴かせてくれた。『ブルース・ブラザーズ』でのアレサ・フランクリン「Think」も彼女の浪々とした歌声が心地いい。画面サイズとの釣り合いもいいし、この組み合わせは結構使える。リップシンクはわずかにズレるが、Bluetoothスピーカーでは仕方ないレベルだろう。

 ちなみにRoamは単体でAlexa機能も搭載済みで、Wi-Fi経由で音楽ストリーミングを楽しめる。なので、今回のような使い方はイレギュラーともいえる。EchoShow15を導入した方で、もっとシンプルなBluetoothスピーカーをお持ちの場合はそれと組み合わせてみると案外面白いことになるかも、と感じた次第だ。

 そして最後に、EchoShow15の本来の使い方である壁掛け設置を試してみた。

 前回紹介したように、EchoShow15には壁掛け金具が付属している。ただそちらは柱などにネジ止めするタイプで、石膏ボードの場合はモーリーアンカーが必要と、作業も結構本格的。

別売の石膏ボード用固定金具 壁美人 Echo Show 15用 WSKB-ES15( ¥3,480、税込)。右の写真にみえるスリット部に付属のプラスチックプレートをはめ込み、専用のホチキスで壁に固定するだけ

 そんなユーザーの気持ちを考えてか、アマゾンでは日本限定で「壁美人」石膏ボード用固定金具も準備している。金具自体は付属品と似ているが、ホチキス(専用の針が付属)で石膏ボードに固定でき、取り外した場合も壁にはホチキスの跡しか残らないという優れもの。

 これを使ってドアの横にEchoShow15を壁掛けしてみる。コンセントからの距離を考え、設置位置は床面から120cmあたりに決定。基準となる水平位置をマーキングして、いざ固定。

 壁美人には縦長のスリットが4つひと組×4ヵ所設けられている。ここに付属のプラスチックプレートをはめこみ、そのプレートをホチキスで石膏ボードに固定することで、金具を支える仕組みだ。スリットひとつにつき2ヵ所、合計32個のホチキスの針で金具を石膏ボードに打ち付けることになる。

ドア横の空いていた壁面に壁美人を取り付け(上)、EchioShow15をセットした。位置決めをしてから設置完了までわずか15分ほどでした

 特製とはいえホチキスの針で大丈夫かな? と正直思っていたけれど、取り付けてみたら案外しっかりしていて、EchoShow15を載せると壁にぴったり収まって美しい。作業時間は約15分で、これなら壁掛け設置も気軽に試せるかも(跡もそこまで目立たないので、賃貸物件でもその気になれば使えそう)。

 EchoShow15がこの位置にあると、時計やスケジュール確認用としてはもちろん、今日の天気やTo Do リストといった機能もがぜん使いやすくなる。また普段はフォトフレーム機能でお気に入り写真を表示できるので、インテリアのアクセントとしても活躍するだろう。

 ちなみに壁掛け設置した際の音質は、壁の共振もあって低音がちょっと太くなり、ボリュウムを上げた際のビリ付きは収まる方向。スタンド設置よりは好ましいので、やはりEchoShow15は壁掛けがお勧めかと。(取材・文:泉 哲也)

ホチキスの針32本で固定しているとは思えないほど安定感は充分。EchoShow15本体は壁ぴったりに収まるので、生活動線にもまったく問題はありません

※EchoShow15の詳細はこちら ↓ ↓
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