国産オーディオブランドAVIOTから、昨年末に発売された、完全ワイヤレスイヤホンの新フラッグシップモデル「TE-BD21j-ltd」(¥19,800 税込)。人気モデル「TE-BD21j」をベースに、クアルコムの最新プラットフォーム「Snapdragon Sound」に対応し、新世代のオーディオコーデック「aptX Adaptive(96/24)」をサポートしているのが特徴だ。

無垢のジュラルミンから削り出した充電ケースは継続

特徴的なデザインも継承

 その対応強化に合わせて、搭載ユニットもチューンナップされており、BAドライバーは、よりワイドレンジ再生が可能なパーツにグレードアップされているほか、ダイナミックドライバーについても、デュアルレイヤー振動板にするなど、フラッグシップらしいサウンドを再生すべく、随所にアップデートが施されている。

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 ここでは、そのTE-BD21j-ltdについて、簡潔にインプレッションをお届けしたい。

 まずは基本のサウンドを、ハイレゾ対応のポータブルオーディオプレーヤー「A&ultima SP1000」との組み合わせにてチェックした。そのサウンドは、TE-BD21jの美点を受け継ぎ、ボーカル再現の美しさ、そのニュアンス、高域の伸びまで繊細に聴かせてくれた。低域の再現性については若干の軽さは残っているものの、帯域のバランスはより整えられており、全体的にフラットで、聴きやすいものになっている。定位感もいい。

 コンテンツをハイレゾにすると、コーデックは同じながら、細かい音の再現性、S/Nが向上するような感覚が味わえ、さらに音場がふわっと広がるようになる。語尾の余韻や音の響きの豊かさもアップしているのが分かる。3ドライバーを駆動するにはやはりパワーが必要なようで、音は若干軽めの印象もあるが、より“音楽”を楽しめる再現性を手にした、と言えるだろう。

 今回、イヤーチップが、標準でウレタンフォーム製になったこともあり、遮音性が高まっているのも、上述した音調の変化、進化に貢献しているようだ。

 さて、ここでプレーヤーをスマホに変えて、注目のSnapdragon SoundによるaptX Adaptive(96/24)もチェックしてみた。用意したのは、xiaomiの「11T Pro」。先日後継の「12シリーズ」が発表されているが、比較的安価でSnapdragon Soundが楽しめるということで今回、選んでいる。

 さて、そのサウンドは語尾の消え際の余韻や豊かな響きといった面では、さすがは96/24といった再現になるものの、専用プレーヤーでない分、S/Nに影響を受けるようで(音楽聴取用にダイレクトモードが欲しい)、クリアネスはかなり後退する。ボーカルも上ずったような感じになってしまう。その場合は、スマホ、あるいはAVIOTの専用アプリ「SOUND XXX」にて、EQ機能があるので、好みの音調になるように調整するといいだろう(SOUND XXXの初期設定は「Bypass」)。

専用アプリ

EQ機能も搭載している