去る4月22日、「ヒューマントラストシネマ渋谷」においてカマシ・ワシントン『Becoming』のプレミア映像の上映会が開催され、大勢のファンが詰めかけた。コンサート・ホールの音の響きはもとより、バンド・サウンドとオーケストラの音の消え際まで克明に記録された無観客ライヴ映像が、映画館というクォリティの高い環境で、しかも「ヒューマントラストシネマ渋谷」に2020年春に導入され好評を博している音響システム「odessa（オデッサ）」で体験できるイベントということもあり、注目を集めた。
photo by mijabi
上映会の後はピーター・バラカンさんと柳樂光隆さんによるトーク・イベントも催され、ライヴ映像の見所が掘り下げられた。カマシ・ワシントンの音楽の魅力をピーターさんが穏やかな語り口で紐解くいっぽう、カマシ・ワシントン界隈の人脈に詳しい柳樂さんのざっくばらんなトークに来場者が耳を傾けていたのが印象的だった。
カマシ・ワシントンの魅力を語るピーター・バラカンさん（左）と柳樂光隆さん（右）
photo by mijabi
「ヒューマントラストシネマ渋谷」に導入されている音響システム「odessa」は、ジーベックス主導の下、この映画館のために設計・開発された完全カスタム・メイド。ジーベックスは日本全国における、劇場の音と映像をサポートする会社として知られる。「odessa」は「ヒューマントラストシネマ渋谷」を筆頭にこの春「テアトル新宿」および「シネ・リーブル梅田」にも導入され、劇場のサウンド・クォリティを根本から引き上げている。カスタム・メイドのスピーカーシステムを設計・開発しているのは、イースタンサウンドファクトリーだ。
なお、カマシ・ワシントンの上映会に先駆け、ビートインク協力の下、『Becoming』の制作スタッフにインタビューを試み、先日公開した。インタビューでは、米国の伝説的な録音スタジオ「サンセット・サウンド」で収録された『Becoming』の制作プロセスが語られている。
ビートインクは今回のカマシ・ワシントンに加え、ヴァラエティに富んだ数多くのアーティストおよびレーベルを擁する。今後も「odessa」の音響システムが導入された映画館で、音楽絡みのイベントをきっと開催してくれるに違いない。
photo by mijabi