動画配信サービスのNetflixは本日、国内最大規模の撮影スタジオ「東宝スタジオ」内のスタジオ2棟(No.7ステージ、No.10ステージ)、及び一部関連施設を複数年に渡り賃借することを発表した。これを契機に、国内発の実写作品の更なる拡充を目指すという。

広さ957平方メートルのNo.7ステージ。キャットウォークまでの高さ約11mを誇り、広さは約300坪と東宝スタジオの中でもっとも体積が大きいステージ

 同社は2021年以降、日本に制作拠点を据え作品づくりの体制を強化する。さらに作品ラインナップを豊かにするべく、4月15日配信予定の長編映画『彼女』をはじめ、『全裸監督』シーズン2や『ボクたちはみんな大人になれなかった』『浅草キッド』などの実写作品の配信を準備している。

 今回の東宝スタジオとの取り決めもその体制づくりの一貫で、4月からは全世界190ヵ国に向けたオリジナル作品の制作を開始するという。なお、同社が国内において制作スタジオを賃借し、長期的な制作拠点を設けるのは今回が初の試みとなる。

写真右側、No.10ステージの広さは658平方メートル。有効面積200坪の「使いやすさ」を追求した最新鋭の撮影用ステージだ。左奥のNo.8、No.9ステージ は1955年に完成した建物で、今でも現役で使われている

 東宝スタジオは『七人の侍』や『ゴジラ』シリーズといった日本映画史に残る名作の撮影にも使われた空間として知られている。近年は大規模なリニューアルを行い、映画の企画段階から撮影、ポストプロダクション作業まで一貫して行えるようになったことも注目を集めた。StereoSound ONLINEでも以前その詳細を紹介したことがあるので、憶えている方も多いだろう。

 Netflixは、先日発表された2021年アカデミー賞でも同社オリジナル作品が35部門でノミネートされるなど、映画製作についても大きな存在となっている(もちろんコロナ禍という状況も関係してはいるが)。そんなNetflixが日本のスタジオからどんな作品を生み出していくのか、注目だ。