クリエイティブメディアのサウンドバー「Creative Stage V2」は、横幅68cmのコンパクトなバー本体と、スリムなサブウーファーがセットになったシステム。「サウンドブラスター」の技術を使ったオーディオ処理で、臨場感豊かなサラウンドが楽しめるシステムだ。そして、USB端子搭載でパソコンなどとも接続可能なこともユニーク。薄型テレビとの組み合わせだけでなく、パソコンやスマホと接続するなどさまざまな形で使用できる。今回はノートパソコンとスマホを使って、音楽や映画で音の実力を試してみた。

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サブウーファー別体型ながら、コンパクトで個室でも使える

 パソコン用の周辺機器やオーディオシステムを数多く発売しているクリエイティブメディア。なかでもオーディオボードやオーディオインターフェイスの「サウンドブラスター」は定番として人気だ。そんなクリエイティブが発売しているサウンドバーが「Stage V2」(直販価格 ¥11,800+税)。

 以前からデスクトップパソコンなどと組み合わせられるコンパクトなサウンドバーを発売していたが、意外なことに薄型テレビ用として購入する人が多かったという。サイズがコンパクトでリビングだけでなく、個室などでも使いやすいことで注目されたのだ。そこで「Stage V2」では、薄型テレビとの組み合わせも考えて、横幅68cmにワイド化。スリムなサブウーファーとのセットで、より迫力のあるサウンドを楽しめるようにしている。

 こうしたコンパクトなサブウーファーは今では各社から発売されていて、人気も高まっている。そして、「Stage V2」の他にはない特徴としては、USB端子がパソコンと接続して使えること。つまり、USBオーディオ規格に対応しているので、WindowsやMacとドライバーなしで接続が可能となるのだ。

 オーディオ入力は、光デジタル音声(最大96kHz/24bitまでのリニアPCM信号の入力に対応)、USB-C、アナログ音声(3.5mmステレオミニ)がある。HDMI(ARC)出力も備えるのだが、この接続は海外仕様のもので、国内製品との接続は動作保証されていない。薄型テレビと接続する場合は光デジタル音声入力を使用する。

▲背面の切り欠き部に各種入力端子を装備。USB端子は、USBオーディオの入力に対応し、PCと直接接続できる

 このほかにBluetoothにも対応するので、スマホなどの音声を本機でワイヤレス再生することも可能だ。コンパクトさを活かしてベッドサイドや部屋の棚などに置けば、ワイヤレススピーカーのように使うこともできる。

 まずは、ラックの上にサウンドバーを置き、ラックの中にサブウーファーを置いて使ってみた。薄型テレビやデスクトップパソコンと組み合わせるときも同じようなイメージになるだろう。iPhoneとBluetooth接続をして音楽を聴いてみたが、くっきりとした聴きやすい音で、気持ち良く音楽を楽しめた。

サブウーファーはラックに収納して試聴した

 クラシックのネルソンス指揮、ウィーン・フィルによる『ベートーベン/交響曲第5番』を聴くと、サブウーファーのおかげでオーケストラのスケール感もしっかりと出る。コントラバスの低音の豊かな鳴り方、大太鼓のような打楽器の力強い音もなかなか雄大。そして、木管楽器や金管楽器の奏でるメロディも目の前に粒立ちよく音が定位する。量感たっぷりの低音に対して中高域はクリアで歯切れがよいので、オーケストラのスケール感と各楽器による演奏が粒立ちよく再現される。

 高解像度を欲張った音ではないが、高域の伸びもスムーズで聴きやすく、Bluetooth特有の高域の荒れた感じもなく、実に聴きやすい音に仕上がっている。サブウーファーはよく弾むが量感がやや多めなので、足元にインシュレーターを使うなど、しっかりとした設置をすると良さそうだ。

 Blutoothによるワイヤレス再生でも、なかなかバランスのよい音になっていて、手頃な価格のサウンドバーとしてはよく出来ていると感じた。なにより、この価格帯では珍しいサブウーファー付きで、5.25インチ(約13cm)の大口径ウーファーの低音もあるため、音楽がこぢんまりとした感じにならず、広い部屋で聴いてもスケール感の大きな音になるのは大きな魅力だ。

パソコン用のテーブルとスタンドを使って、ノートパソコンと組み合わせてみた

 続いてはパソコンとの組み合わせ。デスクトップでノートパソコンと一緒に使うケースを想定して、パソコン用のテーブルにセッティングしてみた。ノートパソコンの場合、サウンドバーを手前に置くとキーボードなどの操作が邪魔になりがちになるので、テーブルにサウンドバーを置き、ノートパソコンはスタンドに置いて高さを持ち上げている。

パソコン用スタンドを使ってサウンドバーと組み合わせてみたところ

 ノートパソコンで作業をしたり、ゲームをするにはちょっと不自然かもしれないが、映画や音楽を楽しむならば、なかなか使い勝手が良い。タブレット端末やタブレットタイプのパソコンと組み合わせる場合の置き方としてもおすすめできる。

組み合わせたノートパソコンはYOGAタイプなので、タブレット形状にして設置したところ、サウンドバーとのマッチングもよく試聴できた

 この状態で、NETFLIXで映画を見てみよう。USBオーディオ規格対応なので、専用のドライバーなどをインストールする必要はなく、USBケーブルで接続してオーディオデバイスの選択から「Stage V2」を選ぶだけでいい。操作はとても簡単。試聴位置は1m以下の近接距離とした。手を伸ばせばノートパソコンの操作も行なえる距離感だ。

Windows機の場合、「設定」-「システム」-「サウンド」から出力先に「USBオーディオデバイス」を選択する

 まずは「バットマン」の悪役で知られる男を主人公とした『ジョーカー』を観た。豊かな低音が出るので、スケール感豊かに音楽が広がる。この重厚な表現はコンパクトなシステムらしからぬ、迫力豊かなものだ。少し不気味さを感じさせる弦楽器のメロディが前方に広がり、アーサー青年の滑稽な笑い声がくっきりと目の前から聴こえる。量感が多めの低音も含めて、映画にはよく合う音のバランスだ。

 そして、サラウンド機能をオンにしてみると、音場が身体を包み込むように広がる。このサラウンド機能は「サウンドブラスター」シリーズで採用されているオーディオ処理技術を採用したもので、映画はもちろん、ゲームなども楽しめるようにデザインされたもの。画面に手が届くような近距離だと、サラウンド空間に自分が包み込まれたような感じになる。前方の音の定位はかなり明瞭だし、後ろの音の定位はやや曖昧になるものの、真横くらいまでは音の定位や移動もきちんと再現できていて、映画のサラウンド空間はしっかりと再現できている。

 このほか、『この世界の片隅に』の、空襲シーンを見たが、空から降り注ぐ爆弾や焼夷弾の爆発音は迫力たっぷり。高さ方向の再現はやや不足するが、防空壕に隠れた主人公達の近くで爆弾が爆発したときは、防空壕全体が揺れているような低音が身体を包み込み、その場面の怖さがしっかりと伝わった。

 音楽コンテンツも聴いてみた。松田聖子の名曲を集めたアルバムから、「瑠璃色の地球」を再生すると、彼女の声も自然な感触でくっきりと再現された。全盛期のアイドル時代と比べて、さらに円熟味を増した歌唱の雰囲気もよく出ており、歌声のニュアンスもきちんと伝わってきた。

システムを横から見た写真。ノートパソコンと組み合わせるために、机の上にさらにノートパソコン用スタンドを設置している。27インチぐらいのディスプレイと組み合わせると、画面下の空間にぴったり収まるぐらいのサイズ感

 映画の音は迫力たっぷりだし、音楽も聴きやすくボーカルをしっかりと楽しめる。その実力は充分なものだと感じた。強いて言うならば、映画などを楽しむにはノートパソコンの画面では映像の迫力が音に負けてしまうこと。ちょっと大きめのディスプレイや薄型テレビを追加すると、映像の迫力が増してもっと楽しくなるはず。デスクトップでコンパクトに楽しむこともできるが、薄型テレビを追加するグレードアップもぜひ検討してほしい。

コンパクトサイズながらも、迫力ある音で映画や音楽を楽しめる

 「Stage V2」は、比較的コンパクトなサイズながら、サブウーファー付きの2.1chシステムということもあり、スケール感が大きく、迫力たっぷりの音が楽しめた。そして、特筆したいのは、小さめの音量で聴いても音が痩せず元気の良い音で楽しめること。個室で楽しむ場合でも周囲の迷惑になりにくいのはありがたいだろう。パソコンと接続して使えるので、パソコンで映画や音楽を楽しんでいる人にはぴったりの製品だ。そして、サラウンド機能の空間の広がりはかなり雄大なので、大画面の薄型テレビと組み合わせても満足できるはず。次回は薄型テレビと組み合わせて、大画面で映画や音楽、ゲームを楽しんでみたいと思う。