新4K8K衛星放送のスタートまで、残すところ2日となりました。SNS等でも4K受信機器を導入し、無事試験放送(カラーバー)が写ったことを紹介している方も増えてきていますね。

 興味深いのは、それらの人は右旋左旋対応アンテナと4Kチューナー内蔵BD/HDDレコーダーをセットで使っているケースが多いこと。日本人はエアチェックが好きだという説がありますが、熱心な人はやはりディスクに保存して残せることにこだわるのかもしれません(年齢的にはちょっと上の層でしょうけど)。ということで本連載<その5>では、4Kチューナー内蔵BD/HDDレコーダーを紹介します。

 読者諸氏もご存知の通り、4Kチューナー内蔵BD/HDDレコーダーは、パナソニックDMR-SUZ2060と、シャープの4B-C40AT3/C20AT3の合計3モデルが発売されています。単体チューナーと同じように詳細を表にまとめましたので、まずはこちらをご参照ください(赤字は現在確認中)。

 HDCP2.2対応の2Kテレビや4Kテレビ等とつないだ場合にどんな映像フォーマットで出力されるかについては、基本的に同じメーカーの単体4Kチューナーと同じ。ただし、映画などの4K/24p収録されたUHDブルーレイを再生した場合には4K/24pで出力します(4K/60pの放送は2K/60pに変換)。

 また<その4>で紹介した通り、3モデルともHDMIの分離出力端子を備えており、映像をテレビやプロジェクター、音声はAVセンターといったつなぎ方ができます。これによりHDCP2.2と4K/60pに対応していないAVセンターのユーザーでも、5.1chなどで再生が可能になるわけ。

 アンテナケーブルについても3モデルとも入出力端子を搭載済みで、現在のシステムに追加する場合も心配ないでしょう(つなぐ順番にはくれぐれも注意を)。つまり4Kチューナー内蔵BD/HDDレコーダーは、システムに追加するという点については、単体4Kチューナーよりは簡単にできるのは間違いありません。

記録ディスクは、当分は自己録再か?

 3モデルとも4Kチューナーは1基のみの搭載なので、4Kの裏番組録画には非対応。ただし2K番組なら同時録画もできます(最大で4K放送と2K放送を2チャンネルの合計3番組録画)。

 録画モードは、4K放送をそのままの画質で記録できるのはDRモードのみで、HDDには2Tバイト機で約130時間、4Tバイト機では262時間の録画が可能。4K画質のままディスクにも保存でき、その際は二層式ディスク(50Gバイト)で約3時間が入る計算です。映画作品を4Kで残そうと思ったら、二層式ディスクを使った方がよさそうです。

 ただし、両社とも4K放送を2Kに変換して録画する機能は搭載しており、その場合はMPEG4 AVC再エンコードによる長時間モードも使えます。ヘビーエアチェッカーの中には、4K放送を2Kダウンコンバートでコレクションする、なんて人も増えるかも。

 というのも、理屈の上ではHEVC圧縮で送ってくる4K放送の方が、MPEG2圧縮の2K放送よりも画質がいいはずで、そこから2Kにダウンコンバートした方が綺麗だろうと思えるから。そのあたりはいずれ検証してみたいですね。

 なお4K放送をDRモードで録画したディスクは、現状ではパナソニック機とシャープ機の間で互換性がない可能性が大。これは、4K8K放送ではこれまでの2K放送とは異なるトランスポート方式(MMT)が採用されており、放送をディスクに記録する際にどんな処理を加えるかがシャープとパナソニックで違っているからです。

 それもあり、既発売のUHDブルーレイプレーヤーでも4K放送を録画したディスクは再生できないようです(バージョンアップでも難しいらしい)。これらの互換性については、実機を借用できた時点できちんとご報告します。

パナソニックDMR-SUZ2060
市場想定価格13万円前後
●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●HDMI出力:2系統(映像・音声分離対応)
●デジタル音声出力:光1系統
●USB端子:1系統
●LAN端子:1系統

シャープ4B-C40AT3/C20AT3
市場想定価格14万円前後(C40AT3)、11万円前後(C20AT3)
●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●HDMI出力:2系統(映像・音声分離対応)
●USB端子:1系統
●LAN端子:1系統