励磁型/パーマネント型を交え、ブランドも混成のヴィンテージユニットによる2ウェイをマルチアンプ駆動し、音をまとめ上げる実践試聴。ウーファーはモーショグラフ製とジェンセン製の励磁型。ドライバーは励磁型がWE555とモーショグラフSE7015、パーマネント型がICP、RCA、JBL製。低域用/高域用アンプも幅広く組み合わせ、音作りの新しい可能性を探った。

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【10】
モーショグラフSE7034 低域
JBL2440+JBL2395 高域

JBL 2395
ウェストレックス社の劇場用システムT502B用のホーンT551Aとして1954年より供給されたものが原型となり、後に537-512として製品化されるが、単体使用化に伴いスラントプレート部のシェイプを変え、カバレッジアングルの変更がなされた。それをもとに民生用としてHL90、1971年よりプロシリーズにおいて2395として受け継がれる。HL90は黒縮緬塗装であるが、2395はプロシリーズのシンボル色であるダークグレー塗装である。(杉井)

パワーアンプ
ノーザン・エレクトリックR4141A 低域用
ウェスタン・エレクトリック143A 高域用

業務用大型ホーン2395が本領を発揮する圧巻のスケール感

土井 最後に、ホーンをJBL2395に換えて聴きました。最初鳴らしたときにあまり印象としてはパッとせず、低域のレベルを微調整して再度聴き直しています。

 これは凄い再生です。大きなホールで鳴らしたら、さらに圧倒的な鳴り方を聴かせると思います。土井さんの調整でガラッと印象が変わりました。

土井 低域のレベルを上げて、中高域とのバランスを調整しました。通常は「ちあきなおみ」の声が、膨らみすぎないところで止めています。それをギリギリまで持ってい ったら、もしかしたらカバーできるかなと。とても良い音でしたね。

 今日聴いた組合せではベストですね。さっきまでと鳴り方が全然違う。これは驚きました。

杉井 調整前は、見た目ほどスケールの大きな鳴り方ではないと思ったんです。意外と聴きやすい、優しい音がするなと。しかし、ちょっとした調整でここまで印象が変わるのだから凄い。

土井 味があって、色気があって、まとまりも良い。素晴らしい音です。やはり見た目の通り、ただ者ではなかった(笑)。家庭用の方がいい音がすると思われる方も多いんですが、業務用、映画館用の本領が聴けた感じです。ノウハウが詰まったユニットですからね。私もこの音には驚きました。ゾクッとする音でしたね。

試聴を終えて
JBL 2395が聴かせた圧倒的な音は、ホールで公開演奏したいくらい。先入観なしの組合せによる音の可能性は大きい

土井 今回は46㎝口径の励磁型ウーファー、モーショグラフSE7034とジェンセンH18に励磁型ドライバーやパーマネント型ドライバーとホーンを混成して組み合わせ、前回よりもさらにヴァリエーション豊かな試聴となりました。

杉井 ウーファーが2種類あることで、ドライバーとホーンの幅広い個性が見えたと思います。最後のJBL2395は私にとっても大きな収穫でした。

土井 JBL 2395に対してポジティブな印象を持っていない方も少なからずいらっしゃるかもしれませんが、調整にほんの一手間をかけるだけで音の印象は大きく変わります。この記事が、そのことに気づいていただけるきっかけになればいいなと。

 今回も印象的な組合せはいろいろありましたが、やはり最後の2395の音の向上ぶりには本当に驚きました。ほんの少しの調整でここまで変わるのかと。パッと聴いて「これはダメだ」と結論付けてはいけないと感じました。最後の組合せはホールで公開演奏したいくらいです。

土井 そして、改めてこうした組合せにはモリソン方式ネットワークが有効だと感じました。ヴィヴィッドに反応するし、すぐに音がまとまりますから。これがなければ、これほどスムーズにはいかない。

杉井 WE555ドライバーと32Aホーンの組合せも良かったですね。555の音色を尊重しながら凝縮感のある良い音を鳴らしていたと思います。

土井 WE555+32Aの組合せが実に素晴らしかったので、その後のJBLの組合せがどうなるか心配でしたが、最後の2440+2395が素晴らしい音で鳴ってくれたので安心しました。やはり歴史あるブランドが作りあげたものに間違いはないと確信したところでもあります。

杉井 今回は良い組合せが多かったですね。また新たな可能性も見えてきたように思います。

 前回に引き続き、今回も有益なセッションとなりました。ありがとうございました。

『管球王国』117号(2025 SUMMER)より

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