励磁型/パーマネント型を交え、ブランドも混成のヴィンテージユニットによる2ウェイをマルチアンプ駆動し、音をまとめ上げる実践試聴。ウーファーはモーショグラフ製とジェンセン製の励磁型。ドライバーは励磁型がWE555とモーショグラフSE7015、パーマネント型がICP、RCA、JBL製。低域用/高域用アンプも幅広く組み合わせ、音作りの新しい可能性を探った。

【2】
ジェンセンHF18 低域
モーショグラフSE7015+ジェンセンP8-151 高域

パワーアンプ
IPC AM1001 低域用
IPC AM1027 高域用

クロスオーバーと低域アンプの変更でよりワイドレンジに

土井 ウーファーを、46㎝口径の励磁型ジェンセンHF18に換えました。アンプは引き続き、低域、高域ともIPCです。

 HF18が活発に動いているのがよく分かる音です。しかし一方でSE7015+P8-151の鳴り方が少々気になります。特に最初の「マーラー」の弦の合奏。ヴィオラの帯域がとても目立っていて、他の弦とうまく溶け合っていないように感じました。同様に「ベイシー」のトロンボーンのソロも音色としては良いのですが、いささか目立ちすぎている印象があります。「ちあきなおみ」のイントロのギターも同じく喧しい印象でした。高域のドライバーが不要であるようにも聴こえました。

杉井 ウーファーを換えたのに、低域ではなく中高域の音が変わったので驚きました。最初の組合せは他にはないと思える音でしたが、こちらは音色的に70年代のアルテックやJBLを想起させるような音です。中高域の鳴り方が明るい。クロスオーバー周波数が800Hzですが、そこから上の帯域も主張しているように聴こえるのが不思議ですね。その中で、先程と比べると中庸の音という感じで、音味の濃さがやや物足りないところがあるんですよ。低域をIPC AM1001で鳴らしていることも関係しているかもしれません。AM1001でフルレンジを鳴らすと、明るく鳴りっぷりがいい反面、低域が控えめになる印象も以前にあったんです。

土井 先のモーショグラフSE7034のシステムは、WE555とKS6368の組合せを3000Bで鳴らしていた昔の自宅システムによく似た音でした。ちょっと暗めの音といえるんですね。これをジェンセンHF18に換えると、もの凄く足取りが軽やかになりました。足枷がなくなったというか、自分としては、むしろ好ましい印象です。ただ、新さんと杉井さんの意見も分かります。低域アンプをAM1001からアルテック1520Tに換えてみましょうか。

 その前にHF18ウーファーをフルレンジで聴いてみるのはいかがでしょうか。ウーファーそのものの音味を確かめてみたいですね。

フルレンジ再生を試す

ジェンセンHF18 フルレンジ
パワーアンプ
IPC AM1027 フルレンジ用

土井 HF18をフルレンジで鳴らしてみました。中高域のアルミっぽい引っかかりは解消されたものの、やはり中高域が物足りないように感じました。トゥイーターにアルテック3000Hを組み合わせると完成度が高まりそうな……。

 フルレンジでもトーンコントロールで十分に良さを引き出せる鳴り方だったと思いますよ。

杉井 高域にモーショグラフSE7015+ジェンセンP8-151を使った組合せで、クロスオーバー周波数を800Hzから500Hzに変えてみるのはどうですか。高域が主張する感じの鳴り方が変わるかもしれません。

低域用アンプを変更

ジェンセンHF18 低域
モーショグラフSE7015+ジェンセンP8-151 高域

パワーアンプ
アルテック1520T 低域用
IPC AM1027 高域用

土井 モリソン方式ネットワークのクロスオーバー周波数を500Hzに設定しました。低域のアンプは1520Tに変更しました。ボリュウムは特に調整していません。いかがだったでしょうか。

 中域の分解能の甘さがうまく抑えられ、スムーズな鳴り方に変わりました。個人的にはフルレンジ再生も良かったけれども、より良くなりました。やはりHF18の高域部分の主張が強かったということでしょう。

杉井 よくまとまっていました。シアター的な音の匂いが薄れてオーディオ的なスピーカーに変わった感じがします。ある意味でモニタースピーカー的。ウェルバランスかつワイドレンジになりました。それでいて中域もしっかりと出ている。クロスオーバー周波数の切替えは意味があったと思います。

土井 うまく鳴っていましたね。バランスもひじょうに良い。シアターサウンド的なものではなく、普通のオーディオとしてうまく鳴ったときの音という印象です。しかも、15インチ口径ウーファーで聴けるような一般的な鳴り方とは一線を画して、ウーファーの18インチというサイズ感が、どの曲でもよく出ていたと思います。

Part1はコチラから