「Apogee」社のフラッグシップ・オーディオ・インターフェース、「Symphony I/O Mk II」のソフトウェア・アップデートが実施され、Dolby Atmosや360 Reality Audioといったイマーシブ・オーディオに対応した。このイマーシブ・オーディオ対応に合わせ、最高品質の音質を追求した「16x16 SE」という新しい高音質モジュールもラインナップ。ここではこの2つのニュースの概要をお伝えすることにしよう。

Apogee製オーディオIFの頂点“Symphony I/O Mk II”

 2016年に販売が開始された「Symphony I/O Mk II」は、初代「Symphony I/O」の後継モデルとして開発された「Apogee」社のフラッグシップ・オーディオ・インターフェースだ。2Uラック・サイズながら最大32ch入出力のキャパシティを有し、名機「AD-8000」の流れを汲むモジュラー設計によって、様々な入出力の構成に対応(マイク・プリアンプを搭載することも可能)。Thunderbolt(Mac)、Pro Tools HD(Mac/Windows)、Dante+Pro Tools HD(Mac/Windows)、Waves SoundGrid(Mac/Windows)と、あらゆるプラットフォームに対応するのも特徴の一つだ。

 もちろん、「Apogee」社のフラッグシップ・オーディオ・インターフェースとして音質面の妥協もなく、同社によれば市場に出回っているThunderbolt対応のオーディオ・インターフェースの中で、最高スペックのAD/DAコンバージョンを実現しているという。入出力のレーテンシーが最小限に抑えられているのも「Symphony I/O Mk II」の特徴で、MacとのThunderbolt接続では1.35ミリ秒という超低レーテンシーを達成している(DAWとしてApple Logic Pro使用時)。

米「Apogee」社のフラッグシップ・オーディオ・インターフェース、「Symphony I/O Mk II」。ソフトウェアのバージョン・アップで、Dolby Atmosや360 Reality Audioといったイマーシブ・オーディオでの作業に対応した

 

Dolby Atmosや360RAといったイマーシブ・オーディオに対応

 そして先頃リリースされたソフトウェア・アップデートで、「Symphony I/O Mk II」はイマーシブ・オーディオへの対応を果たした。最新バージョンの「Symphony I/O Mk II」では、音声ソース(DAWソフトウェアからの出力、「Symphony I/O Mk II」のミキサー出力、ハードウェア入力)を最大32chのハードウェア出力に自由にルーティングすることができ、ハードウェア出力の組み合わせは『スピーカー・セット』として最大3種類設定することが可能。3種類の『スピーカー・セット』は、「Symphony Control」ソフトウェアから自由に切り替えることが可能で、スピーカーごとの微妙な音量差をキャリブレートできる『スピーカー・レベル・トリム』、スピーカーごとのミュート/ソロ機能、アクティブになっているスピーカーが一目で分かる『スピーカー・ステータス・アイコン』といった便利機能も備えている。

 実際のワークフローでは、Dolby Atmos、5.1ch、ステレオと、複数のフォーマットを切り替えながらの作業が求められるだろう。最新バージョンの「Symphony I/O Mk II」は、その点も抜かりなく、スピーカー・ルーティングやレベル・トリムを『モニター・ワークフロー』という形で最大16種類保存し、瞬時に切り替えることが可能だ。『モニター・ワークフロー』の切り替えは、「Symphony Control」ソフトウェアに加えて、本体フロント・パネルのタッチ・スクリーン、ハードウェア・リモート・コントローラーの「Apogee Control」からも行うことができる。なお、「Apple Logic Pro」との親和性の高さで知られる「Symphony I/O Mk II」だが、Thunderboltモデルと「Logic Pro」の組み合わせなら、煩わしい設定を行うことなく、プラグ&プレイでDolby Atmosミックスを始めることが可能だ。

 「Apogee」社は「Symphony I/O Mk II」のイマーシブ・オーディオ対応を大きくアピールしており、同社のWebサイトにはジョナサン・モリソンのスタジオ・ツアー(「Logic Pro」と「Symphony I/O Mk II」を組み合わせたDolby Atmosスタジオ)、ボブ・クリアマウンテンや「Apogee」社スタッフによるDolby Atmosミックスの解説、「Sonarworks SoundID」を使用したDolby Atmosスタジオのキャリブレーションといった動画コンテンツが多数アップされている。興味のある方はぜひそちらも参照していただきたい。

「Symphony Control」ソフトウェアを使用して複数のモニター・ワークフローを瞬時に切り替えることができる。モニター・ワークフローは最大16種類作成することが可能

 

高音質モジュール“16x16 SE”がラインナップ

 また、直近のニュースとして、「Symphony I/O Mk II」用の新しいモジュールが発表になった。「16×16S2」の後継モジュールとしてラインナップされる「16x16 SE」は、音質を徹底的に追求した16chのアナログ入出力モジュール(S/PDIFデジタル入出力も装備)。モジュール名の“SE”は、“Special Edition”の略だ。入出力端子は、25pinのD-Subで(もちろんバランス仕様)、ダイナミック・レンジはADコンバーターが124dB(A)、DAコンバーターが128dB(A)、THD+NはADコンバーターが-115dB、DAコンバーターが-119dBという非常に優れたスペックを実現している。「Apogee」社いわく、30年以上にわたる同社の研究開発/設計/経験がすべて注ぎ込まれた渾身の高音質モジュールとのことだ。1枚で16chという多チャンネル仕様なので、イマーシブ・セットアップ用のオーディオ・インターフェースとしても最適だろう。RCAコアキシャル端子のS/PDIFステレオ・デジタル入出力は、44.1kHzから最高192kHzのハイ・サンプル・レートに対応する。

「16x16 SE」が2枚装着されたThunderboltモデル。A/Dコンバージョンは124dB(A)、D/Aコンバージョンは128dB(A)と、驚異的なダイナミック・レンジを実現している

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 Thunderbolt、Pro Tools HD、Dante、Waves SoundGridと多彩なプラットフォームをサポートし、Dolby Atmosや360 Reality Audioなどのイマーシブ・オーディオにも対応する「Apogee」社のフラッグシップ・オーディオ・インターフェース、「Symphony I/O Mk II」。新しいDAWシステムの導入/リプレースを検討しているスタジオはぜひチェックしていただきたい製品だ。

 

Apogee Symphony I/O Mk II

問い合わせ:メディア・インテグレーション MI事業部
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