ジェネレックジャパンでは、昨日千葉の幕張メッセで開催されたInterBEE 2019会場において、同社の新型スピーカー「The Onesシリーズ」の発表・試聴会を開催した。
The Onesシリーズはニアフィールドからマスタリング、モニタリング用途まで幅広い用途で活用できる製品を目指しており、今回は新しいラインナップとして同軸3ウェイモニターの「8361A」(ペア、市場想定価格66万円前後)と「8351B」(ペア、市場想定価格55万円前後)、さらにそれらと組み合わせて低域を補完するアクティブ・ウーファーシステム「W371A」(ペア、市場想定価格120万円前後)が発表された。
来日したジェネレック ブランドアーティストのJUNO KARTIKAINEN氏はまず、発表会で同社の製品づくりへの姿勢を紹介してくれた。
同社は自分たちをハイテクノロジーカンパニーと位置づけており、R&Dへのリソースも割いている。開発にも時間をかけており、The Onesのような同軸型は1996年にプロトタイプを作っていたそうだ。
そんな中でも日本のユーザーの耳は信頼が高いとかで、今回の新製品には、既発売モデルに関する日本からのフィードバックが多く活かされているとのことだった
続いてR&DディレクターのAKI MAKIVIRTA氏が、8361Aと8351B、W371Aについて解説してくれた。この3モデルは、組み合わせることで多くの可能性を広げてくれるそうだ。
同社では、すべての周波数帯域をひとつの点から再生されるポイントソース(点音源)を目指しており、それを実現することに意味があると考えているそうだ。イメージングを向上させることがモチベーションの第一で、そのためにジェネレックは長年部屋の指向性のコントロールに取り組んできたとのことだ。そして今回のThe Onesシリーズでこのコンセプトを前進できたとAKI氏は話していた。
各製品については、8351Bは8351Aの後継機で、130mmウーファーと25mmトゥイーターの同軸ユニットと楕円型ウーファー2基を内蔵した同軸システムとなる。再生周波数帯域が320Hz〜43kHzとハイレゾ再生にも対応する。クロスオーバー周波数は2.8kHzで、ここを見直すことで、音の指向性コントロールの自由度が増したそうだ。それに伴なって補正範囲が拡大し、部屋に合わせて使うことができようになったという。
8361Aも130mmウーファー+25mmトゥイーターの同軸ユニットは共通で、楕円型ウーファーはひとまわり大型サイズを搭載している。出力音圧レベルが前モデルの8260から5dBアップし、使用範囲が拡大して試聴距離も伸ばせている。水平・垂直の指向性が均一なので、60cmまで近づいても大丈夫だそうだ。
そしてこれらに組み合わせるために開発されたのがW371Aだ。23Hz〜500Hzを受け持つ低域再生用ユニットで、356mm(フロント用)と305mm(リア用)のふたつのウーファーを搭載している。フロント用は密閉箱に収められ、リア用はバスレフ駆動となっている。この切り替えで3種類のモードが選べるそうだ。
W371AはThe Onesと組み合わせて大型スピーカーのように使えるシステムだが、サブウーファーではなく、新しいコンポーネントだとジェネレックでは位置づけているそうだ。
発表会の後、別室で8351BとW371A、8361AとW371Aというそれぞれの組み合わせで音を聴かせてもらった。8351Bや8631Aの中心軸から少し外れた位置で試聴したが、女性ヴォーカルやロックなどのどのジャンルでも、同軸型らしい定位感に優れた音場が再現されていた。