グランプリを獲得したグラウンドゼロのスピーカーGZC165-30A、その魅力とは。ここでは石田功氏と栗原祥光氏によるレビューを紹介する。
音を聴くとほっとする自然さがある
ヴォーカルを聴くと紙コーンらしいナチュラルさがあるし、ストリングスもいい
文=石田 功
今年はスピーカーの良品が多い印象だったが、ある意味、一番驚いたのがグランドゼロのGZC165-30Aと言ってもいいだろう。グランドゼロの創立30周年を記念した台数限定モデルである。驚いたというのも、これまでグランドゼロというブランドは、素晴らしいアンプをいくつか出していたもののスピーカーでは印象に残るものがなかったから。つまりアンプメーカーで、スピーカーメーカーとしては認識が無かったのだ。そんなつもりで、このスピーカーも聴き始めたものだから驚いた。普通にいいのである。
ノンプレスドペーパーコーンの165mmウーファーと28mmシルクドームトゥイーターを組み合わせるというごく普通の2ウェイシステムなのだが、音を聴くとほっとする自然さがある。ヴォーカルなんかを聴くと紙コーンらしいナチュラルさがあるし、ストリングスなんかもいい。ハープやピアノも落ち着いた感じだし、ドラムスの音にしても変な誇張感がないので、長く聴いていられそうな良さを感じる。若い人なんかは特に、音にインパクトを求めがちではあるが、インパクトの強い音はとかく聴いているうちに疲れてしまって長く聴いていられないこともある。が、このスピーカーはそんなことはない。という意味では、ロングドライブで心地良く音楽を楽しむのにぴったりのスピーカーと言えるのではないだろうか。
血の通った説得力のあるヴォーカルと、気品さと厚みのあるピアノ
艶やかさと切れ味のよい弦楽器の音色に耳と心が奪われた
文=栗原祥光
1995年ドイツ・フランクフルトで産声をあげたUltimate Sound / MaGmA GmbH、後のGROUND ZERO GmbHとなる同社の30周年記念モデル。16.5cmウーファーと28㎜シルクドームトゥイーター、そしてクロスオーバーネットワークのセット商品で、日本では30セットのみの限定販売となる。ウーファーの振動板はノンプレスのペーパーコーンで、巨大なフェライトマグネットと特大サイズのCCAボイスコイルからなる磁気回路で強力に駆動。シルクドームトゥイーターにはネオジム磁石が奢られている。高品位なパーツが奢られたネットワーク回路には、2dB、0dB、-2dBと3段階の選択可能なツイーターアッテネーション機能と2段階のウーファーカットオフ周波数切替機能が備えられている。
真面目で重厚なサウンドが印象的。血の通った説得力のあるヴォーカルと、ベーゼンドルファーになったかのような気品さと厚みのあるピアノ、艶やかさと切れ味のよい弦楽器の音色に耳と心が奪われた。ウーファーは深みのある低音が魅力であるいっぽう、エージングにはやや時間がかかる傾向があるようで、導入当初は大音量で積極的に動かすことをオススメしたい。またネットワークのトゥイーターアッテネーターとウーファーカットオフ周波数のセッティングによっては、想像を超えるほどの表情が変わるのでセッティングには留意して頂きたい。
グラウンドゼロ GROUNDZERO
Speaker
GZC165-30A
¥101,200(セット/税込)
SPECIFICATION
●型式:セパレート型2ウェイスピーカー
●使用ユニット:ウーファー・165mmコーン型、トゥイーター・28mmドーム型
●定格入力:130W
●最大入力:220W
●出力音圧レベル;88dB
●再生周波数帯域:40Hz~24kHz
●インピーダンス:4Ω