東京・代官山の「代官山T-SITE」で現在開催中の展示イベント「MASERATI GRECALE TOKYO DISPLAY」(4月3日(日)17:00まで)。イベント会場の様子は既報をご覧いただくとして、本記事では日本初披露となった「グレカーレ(GRECALE)」のオーディオ装備についてお知らせしよう。

文/写真=長谷川 圭

マセラティのSUVとしてはレヴァンテに次いで市場投入したグレカーレ(GRECALE)。展示された実車は本国仕様のもので、日本で発売される車両は若干の変更があるかもしれない。

 とはいえ、会場に展示された実車は、まるっと日本市場で販売される仕様ではないため、この個体で見知ることができた内容となる。また、今回のイベントでは試聴や試乗は叶わなかったため、機会があれば改めてご報告したい。

 グレカーレに採用されているカーオーディオシステムは、同じイタリアのハイエンドオーディオブランド「ソナス・ファベール(Sonus Faber)」である。マセラティでは昨年発売のスポーティモデル「MC20」に次ぐ採用だ。ソナス・ファベールのカーオーディオの採用例は、ほかにパガーニのウアイラのプロジェクトがあるくらいで、とてもレアな存在。MC20の販売台数などを考えても、このグレカーレが車載ソナス・ファベールのメジャーデビューと言えるだろう。

代官山T-SITE GARDEN GALLERYに期間限定でオープンしたMASERATI GRECALE TOKYO DISPLAY。

MASERATI GRECALE TOKYO DISPLAYの屋内展示スペース。

ソナス・ファベールのスピーカーやドイツのブルメスターといったハイエンドオーディオによるサウンドデモも行われている。ファッション、コスメティックの展示・販売コーナーや、ゲームコーナー、キッズスペースが用意され、グレカーレのコンセプト「The Everyday Exceptional(毎日が格別)」をイメージした空間としている。

インスタグラムのキャンペーンも実施しており、「#グレカーレ東京」でSNS投稿すると、抽選で素敵なプレゼントが当たる。

 グレカーレのカーオーディオシステムとして用意されるのは2種類、21スピーカー3Dサラウンドのハイプレミアムシステムと、14スピーカー2Dサラウンドのプレミアムシステムである。ただし、前述の通り、日本で販売される車両の仕様の詳細は未発表であるため、どちらかひとつとなる可能性も。

 イベント会場に展示されていた車両は14スピーカー搭載タイプで、ソナス・ファベールが“IMMAERSIVE EXPERIENCE(没入体験)”なサウンドシステムとして構築しているとのこと。スピーカーユニットの設計はもとより、オーディオアプリケーションのほか、サウンドチューニングにいたるまで、全面的な監修をしたという。さらに特長的なのは、2種類のサウンドチューニングが施されており、「AMATI」と「GUARNERI」と名付けられたプリセットモードを有している。いずれもソナス・ファベールのホーム用スピーカーシステムモデルの名前であるが、どのような音に仕上げられているのか興味深いところである。

フロントドアには、ドアミラー基部にトゥイーター、ドアパネル上にミッドレンジ、下にウーファーを配置し3ウェイが構成される。ミッドレンジとウーファーにはレーザー加工によるアルミ製グリルがあしらわれる。

ダッシュボードの中央にはセンタースピーカーがマウントされる。

リアドアはトゥイーターとウーファーの2ウェイ構成で、トゥイーター部分にはアルミ製グリルが採用されている。中央のドアグリップに見える丸いボタンはドアオープナーだ。

リアピラー、ヘッドレストの斜め後ろにはサラウンドスピーカーが配置されている。トランクルームのサイドには、サブウーファーがマウントされているらしいのだが、実車を見る限りその姿は確認できなかった。

 スピーカーのレイアウトは、キャビンをぐるりと取り囲むように配置されており、巧みなサウンドチューニングにより立体的な没入体験ができるキャビンの2Dサラウンドが完成しているようだ。

 再生可能なソースはラジオやウェブ経由のサブスクリプションサービス、スマートフォン、メモリーなどとなりそうである。DVDやCDといったパッケージメディアは対応しないいわゆるディスプレイオーディオということになる。12.3インチのディスプレイを持つインフォテインメントシステムには通信ユニットが内蔵されるようだが、日本国内でどのようなサービスが行われるのかは不明だ。

 3月22日にもたらされた情報によれば、本年2022年6月には受注開始をなるようなので、それまでには日本市場向けの仕様が固まり発表されるはずなので、続報を待ちたい。最新のラグジュアリーSUVがもたらす格別なドライブ体験、そこで奏でられる音がいかなるものかワクワクが止まらない。

インフォテイメントシステムは12.3インチタッチパネル液晶ディスプレイを搭載。そのすぐ下にはやや角度を変えて8.8インチのディスプレイが並び、エアコンディショナーのコントロールなどが行える。

インフォテイメントシステムのホーム画面。表示情報の編集機能などもあるようだ。

12.3インチディスプレイと8.8インチディスプレイに挟まれたスペースに並ぶシフトボタン。グレカーレにはシフトレバーがなく、この「P/R/N/D/M」のスイッチ操作で動かす。

センターコンソールのボックス内にUSB端子を発見。TypeAとTypeCの2種類を装備するようだ。ちなみにコンソールの前方にはqi対応ワイヤレス充電器が備わっていた。

イグニッションON/OFFスイッチをはじめ、各種操作スイッチを備えたステアリングホイール。

フロントドアのミッドレンジ部のスピーカーグリルには「Sonus Faber ARTISAN OF SOUND」の文字が刻まれる。音の職人ソナス・ファベール、グリルの格子模様は、ホーム用スピーカーシステムで採用されている象徴的なストリンググリルを彷彿とさせるもので、グレカーレの美的世界を構成する要素としてデザインされているという。