「Qi」規格対応で、置くだけで充電もできちゃう

文=草野晃輔

ゴルフVIIのエアコン吹き出し口にセットされたカロッツェリア「SDA-SC500」とアップルiPhone X。

 快適なドライブを楽しむのにカーナビとスマートフォン(スマホ)を組み合わせて使っている人は多いだろう。筆者もその一人。スマホで純正カーナビにBluetoothで音楽を飛ばして聴いたり、カーナビの地図更新でフォローできないほど新しい道を調べたりと、最近はセットで使うのが当たり前になっている。

 しかし、困るのがスマホの置き場だ。助手席との間にあるドリンクホルダーに置いて使っているのだが、乗り込む度に充電ケーブルを挿して、ホルダーに置くという“セットの儀式”を毎回面倒に感じていた。また、不案内な場所で補助的に最新の地図を表示して参照するような画面を活かした使い方が一切できない。「充電できるホルダーがあれば一気に解消できるのに」、と考えていたところ、カロッツェリアから画期的なスマホホルダー「SDA-SC500」が登場した。

「カーナビのカロッツェリアが、なぜ今頃になってスマホホルダーを出すの?」そんな声が聞こえてきそうだが。使ってみて納得。長年カーナビを開発し、クルマを知り尽くした同ブランドだからこその機能が詰まったモデルであった。

愛車のフォルクスワーゲン・ゴルフVII。

電動ホルダーに置くだけで充電できるスグレモノ

 届いた箱を開けると、同梱品の多さに驚く。これだけでテンションがあがる。順に見ていこう。

 まずは、ホルダーだ。大きさは幅71.9mm、高さ118.3mm、奥行き20.3mmで、当然のことながらスマホより一回り小さい程度。本機には大きく2つの特徴がある。1つはホールド用アームが電動で動くこと。さらに、バッテリーを内蔵しており、エンジンを切っても電動での着脱が可能だ。もう1つがワイヤレス給電の「Qi」規格に対応していること。アップルのiPhone 8/X/XRなどや、サムスン電子のGalaxy S6以降などの対応スマホなら、置くだけで充電できる。これらについてはクルマを使って検証したい。

しっかりした化粧箱に収められたSDA-SC500。箱の右にあるのは接着用ベース、接着剤で透明なシートを貼り付けるようになっていて、このベースにアームを吸着させる。

 なお、Qi規格への給電や本体の充電用に、2系統のシガーソケット用チャージャー(Qualcomm製)とUSBタイプCケーブルも同梱されている。

 ホルダーをクルマに固定するアタッチメントは、オンダッシュ用とエアコン吹き出し口取り付け用の2種類がある。オンダッシュ用は吸盤による吸着式。シボ加工の具合などで充分に吸着できない場合に使う接着式のベースも付いている。アームは伸縮でき、最短時が136mm、最長で186mmと自由度が高い。角度も180度の無段階調整が可能となっている。エアコン吹き出し口用はクリップ式で、フィンに挟んで固定する。

上段はホルダー部。電池を内蔵していてクルマからの給電がなくてもスマホの取り外しは可能だ。下段は固定用のアタッチメントで、左がアームタイプ、右がクリップタイプ。

設置はエアコン吹き出し口に決定! ホルダーの固定は超カンタン

 早速、本機をフォルクスワーゲン ゴルフVIIに持ち込んで試しみよう。最初にすることは、ホルダーの設置だ。まずはダッシュボードに設置できるか、ホルダーを当ててみる。しかし、どこに置いても視界の邪魔になりそうだ。今回は、エアコン吹き出し口に付けたほうが賢明なようだ。

 続いて中央にふたつある吹き出し口のどこに付けるのかを考える。真ん中寄りは、ホルダー下部中央から真下に伸びる給電用ケーブルがカーナビの画面を遮ってしまう恐れがあるため、選択肢は運転席に最も近い側と、助手席に最も近い側、つまり左右の端だ。

 運転席にホルダーを当ててみる。スマホへのアクセスにハンドルから大きく手を動かさなくて済みそうだ。しかし、給電用ケーブルが画面の一部を遮ってしまう。一方、助手席側に当てたところ、スマホを置くのにやや手を伸ばす必要があるが、ケーブルは画面に重ならない。というわけで、取り付け位置はエアコン吹き出し口かつ助手席側で決定した。

取り付けは至って簡単。
(1)ホルダー裏のネジにアタッチメントを付け、
(2)アタッチメントのクリップを吹き出し口のフィンに挟む。
たったこれだけ。クリップは挟む力が強く、がっちりと固定される。さらに、給電を行うため
(3)ホルダーの底面にあるUSBタイプCケーブルを接続し、
(4)チャージャーをシガーソケットに差し込んでUSBケーブルの反対側をつなぐ。
これで、すべて完了だ。アタッチメントの位置さえ決まれば、作業時間はものの数分だ。

エアコン吹き出し口にクリップオン。給電用のUSBケーブルを接続すれば取り付け完了。

スイッチオン! おお、動く! 片手でカンタンに着脱できた!

 設置が完了したら、ホルダー側面の電源スイッチをオン。ホルダー側面のアームがにゅーっと伸び、思わず「おおっ」と声が出てしまった。iPhone Xを置く。ほぼ同時にQiによるワイヤレス充電が始まり、アームがスーッと閉じてスマホを固定する。ホルダーのスマホを載せる面に光学センサーが付いており、スマホを置くと、明度の差で置いたと判断し、自動でアームが閉まる仕組みだ。スマホを外す際は、背面上部のタッチセンサーに触れる。すると再びアームが開き、スマホを取り外せる。着脱操作も極めてカンタンだ。

カロッツェリアのスマホクレイドルSDA-SC500をVW ゴルフVIIに載せてiPhone Xを置いてみた

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 スマホの固定ができたところで、実際に走って使ってみた。駐車場を出て、幹線道路へ。歩道の段差でクルマは大きく揺れたが、ホルダーもスマホもビクともしない。続いて、踏切を通る。あえて段差が大きい踏切に行ってみたのだが、ここでもホルダー、スマホとも動いたり外れたりするような素振りは見られない。

小さなクリップだが、しっかり固定されてビクともしなかった。

 今度は安全な場所に停車させて、ホルダーに付けたままの状態でスマホを操作する。まずは、選曲から。画面をタッチし、スマホのロックを解除。Bluetoothで伝送している音楽を切り替えた。以前のように、ドリンクホルダーからスマホを出して操作する必要がないため、スムーズかつ短時間で済む。また、スマホはアームでしっかりと固定されており、画面に触れたくらいではズレない。

 その後、スマホでカーナビ機能を設定し、砂利道や段差のある道など、いろいろな道を走りながら家路に就いた。一般道を走行するなら、ホルダーもスマホも、ズレることすらない。また、画面の視認性も良好で、カーナビとスマホの地図を比べながら運転できた。

映画ボヘミアン・ラプソディのサウンドトラックを再生。すぐに操作できるところにスマホがあるので快適だ。地図アプリ画面も、スマホが見やすい場所に固定されているため視認性は抜群。

 テストを終えて、自宅のガレージへ。エンジンを切ってクルマを降りようとしたその時、スマホを外していないことに気づいた。しかし、心配は無用だ。本機にはバッテリーが内蔵されており、エンジンを切った後でもアームが動かせる。慌てずに背面上部のセンサーをタップして、アームを開き、無事にスマホを取り出せた。

 目的地に着いたらエンジンをすぐに切る。この運転者の行動に気づき、それに対応すべくホルダーにバッテリーを搭載したのは、英断だといえる。これこそクルマを、そして運転者の行動を知り尽くしたカロッツェリアだからこそ、成し得た芸当だろう。

 SDA-SC500の想定市場価格は7,000円前後。スマホホルダー単体だと見れば高価に感じられるかもしれないが、電動アーム付きホルダーにシガーソケット用チャージャー、USB タイプCケーブル、Qi規格対応のワイヤレス充電器がセットとなっていると考えたら、むしろ割安に感じる。本機をクルマに追加するだけで、ドライブをさらに快適かつ楽しくできることは筆者が体感済みだ。是非ともお試しあれ。

<photo & movie : Kousuke Kusano>